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magi code  作者: ロジカル和菓子
3章 魔道学園、スクオラ編
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続・lesson crisis③ 〜風の魔法編〜

 その強気な言葉通り、アランは一人でカマイタチ改に向かっていった。当然、カマイタチ改もそのままぼーっと待っているはずもなく、尻尾からいくつもの風の刃をアランに向かって放った。これまで集団相手にしていたために分散されていた攻撃が集中し、激しい攻撃がアランに向かって放たれた。


「そう何度も同じ攻撃が通用すると思うなよっ!! ラン!!」


 アランの実行した魔法で大きな風の刃が発生し、カマイタチ改の方に向かって放たれた。カマイタチ改が放ったいくつもの風の刃ごと切り裂き、カマイタチ改の方に向かって刃は進んでいき、かすかに傷をおわすことができたようだ。しかし、向こうの放った風の刃は全て切り裂かれたわけではないので、勢いを失わなかったいくつかの風の刃はアランの体の節々を切り裂いた。


「あれ・・・やばいぞ!!!」


 俺は思わずアランの方に走っていた。俺には悪態しかつかないアランだけど。目の前で傷つけられるのは見ていられなかった。アランが傷の痛みで動けずにいると、カマイタチ改はすぐさま次の攻撃を繰り出さんとした。


「間に合えぇぇぇぇぇ!!! ラン!!」


 風の盾の魔法を展開し、カマイタチ改とアランの間に走り込む。間一髪でカマイタチ改の風の刃を防ぎ、アランの様子を伺う。


「おい、アラン!! 大丈夫か!!」


「お前に……心配される……ほどじゃない……くそっ」


 文句が言えるぐらいなのだから大丈夫なのだろうと踏み、お粗末な作戦を告げる。


「俺があいつの攻撃を防ぐから!! アランは攻撃を頼む!!」

 それは共闘の誘いだった。アランは断るかとも思ったが、さすがに状況を理解する能力はあるらしく。


「ちっ。わかったよ。でもお前を認めてるわけじゃねけからな」


 ツンデレかよ。ってレベルの返事ではあったが了承してくれた。作戦もクソもないのだが、俺は必死の魔力で風を回転させ、自分にできる最高レベルの盾を維持してカマイタチ改の攻撃を防ぎつつ、距離をじわじわと詰めていった。


 アランはカマイタチ改の攻撃が少し弱まるたびに風の刃を放ち、カマイタチ改にじわじわとダメージを与えていった。カマイタチ改はその場から動くことなく尻尾だけで応戦していたので、狙いは簡単だった。そして、ある程度近づき、わずかな攻撃の切れ目を狙い、とどめを刺そうとしたその時。周りが暴風で覆われた。


 何が起こったのか確認してみると。カマイタチ改の体が浮いていた。その背中には翼。先ほどまでにはなかったはずの翼がそこにはあった。すぐにラムザールの方を見てみると、何やら魔法陣を発動させていた……。あいつ……。クリアされそうだからってテコ入れしやがった!!くそ!!


「「くそっ!!」」


 俺とアランは同じタイミングで同じセリフを発していた。ここまで来ての強化はないだろう。こんだけ苦労して近づいたのに……。しかし、そんなこちらの都合に合わせてくれる使い魔ではなく、先ほどまでとは段違いのスピードで空を舞い、かつ攻撃を仕掛けて来た。大きな翼をはためかせ、俺とアランの横を通り過ぎ、すれ違いざまに9つの尻尾から風の刃を放って来た。不意の横からの攻撃に対応できず、気づけば体のあちこちを風の刃が通り抜けていた。すなわち、切り裂いていた。


「ぐあ……いてぇ……熱い……なんだこれ……」


 地面に倒れ込み傷を抑えようとするが、その力も湧いてこない。


「おい!!! 大丈夫か!!! おい!!!」


 アランの心配する声が聞こえたが、意識は遠のきそうだった。ああもうダメかと目を閉じようとしたその時。体を温かい何かが包み込んだ気がした。


「お待たせしちゃったね☆ 出番待ちくたびれちゃったよ。きゃはは」


「……」


 気づけばそばにアリスとシンシアが来ていた。アリスは楽しそうに、シンシアは相変わらずだんまりでの登場だった。俺が温かいと感じたものの正体はシンシアの魔法のようだった。


「こ……れ……は……?」


 精一杯の声を振り絞ってシンシアに尋ねる。


「喋らなくていい……これは治癒魔法。しばらくここでじっとしてて。アレはアリスが片付けるから。ラムザールは悪ふざけしすぎ。使い魔にはちょっと痛い目見てもらう」


 久しぶりに聞いたシンシアの声。思ったより普通に喋っていた。というかアリスが片付けるとはどういうことなのか……。シンシアはそんな俺の疑問に気がついたのか、口を開いた。


「見てればわかる」


 余裕が出て来たので様子を確認すると、シンシアは治癒魔法を俺にかけながら、俺とアランを魔法で守っていた。透明な何かで俺たちは覆われていた。それにしてもこの防御壁。何やらひんやりしている……氷か。


 風の刃が飛んで来てもがっちりとガードされ、氷のドームに傷が少しつくだけだった。


「心配しなくても。これは氷の魔法にさらに硬化をかけたものだから。あんな攻撃じゃ割れない」


 シンシアは氷のドームを見ていた俺が不安だと思ったのか、そう言って来た。しかし、さっきまであれだけ手こずらされていた攻撃をあんな攻撃と一蹴され、黙って成り行きを見守る以外のことができなくなった。それはアランも同じようで、おとなしくアリスの様子を見守っていた。一方アリスは……。


「きゃははは!! やっと楽しそうなゲームに参加できる!! みんなずるいもんなぁこんなに楽しいゲーム先にやれるんだから。あ、そういえばみんなやられちゃったから、仇? 取らなきゃだねぇ☆ シンシア、ボク一人でやっちゃっていいんだよね?」


「構わない」


「オッケ〜」


 そんな軽い会話を終えると、アリスはカマイタチ改改(なんと呼べばいいのかわからないが)に向かって走り出した。


「イックよ〜☆」


「ギャオ!!!」


 アリスにただならぬ雰囲気を感じたのか、カマイタチはすぐに攻撃を開始した。カマイタチは何度も飛び跳ねながら、先ほどまでと変わらない鋭い風魔法をアリスに放った。


「ま、そうくるよねぇ……じゃあこっちはこう出るよ!!」


 アリスは空中に向かって跳躍した。しかし、そこには何もなく、ただ攻撃にあたりに言ったかのように見えた。しかし、アリスがパチンと指を鳴らすと、空中に空気の塊のようなものが発生し、それを足場にしてアリスはさらに逆方向に跳躍をした。


「きゃはははは!!!」


 次々と足場を形成しては飛び移り、飛びながら足場を形成したり。跳躍を続けたアリスは完璧にカマイタチの攻撃を避けながら、確実にカマイタチとの距離を詰めていった。


「ぬるい!! ぬるいよ!!!」


 最接近したアリスは懐から魔法陣を取り出し、実行した。


「ラン!!」

 アリスの手から放たれた風の刃はカマイタチの尻尾の付け根に直撃し、尻尾が一本切れた。カマイタチは空中で苦しみ、アリスは華麗に着地した。


「ふぅ! 体使って攻めるのはやっぱり大変だなぁ。やっぱりやめた! 使い魔とはいえ動物をいたぶるのは好きじゃないし……」

 そんなセリフを吐きながら、アリスはにたりと趣味の悪い笑みを浮かべた。


 いたぶるの好きじゃないとか絶対嘘だ。


「それじゃ、サクッと串刺しにでもしちゃおうかな? きゃはは☆」

 アリスはスカートの中をまさぐり、別の魔法陣を取り出した。

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