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magi code  作者: ロジカル和菓子
3章 魔道学園、スクオラ編
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追加課題

 探索をしようといざ教室を出ようとすると、アリスに声をかけられた。

「どーこ、行っくの☆」


「いや、別にどこに行くとかじゃないんだけど……」


「ん? じゃあ帰るの? なら一緒に帰ろっか」


 アリスは可愛らしく首を傾けて言うと、ナチュラルに腕を組んで一緒に帰ろうとして来た。しかし、一緒に帰ると言っても寮なんだから男子と女子は別々・・・って違う。そうじゃない。こいつはらしいなんだった。


「いや、いいよ。俺はちょっと寄るところあるから」

 アリスの腕をふりはらって教室から出ようとすると、さらに俺の前に回り込んで来て、俺の顔を覗き込んで来た。


「やっぱりどっか行くとこだったんじゃーん! どこ行くの? オネェさんに教えてみ?」


 もうツッコミどころが満載なセリフだったが、ツッコんだら負けな気がして全力を持ってスルーする。


「どこでもいいだろ。ついてくんな」

 俺はアリスを避けて教室を出ようとするが、ことごとく回り込まれて全く先に進めない。


「まぁそう言わないでさ。交流は大事だよ? 例えこの学園生活が望んだものでないにしてもさ」

 アリスは意味ありげにそう言った。


「な、なんだよ。望んだものじゃないって。お前が俺の何を知ってるってんだよ」


「何も知らないよ? まだね。だからこうして交流を深めようとしてるんじゃないのさ〜」

 なんだかいつもアリスと話すと彼女(彼?)のペースに乗せられてうまく会話ができていない気がする。


「でも望んでいないっていうのは君見てればすぐわかったよ? だって全然楽しそうじゃないし。課題クリアしても、あー疲れたぐらいにしか思ってないでしょ?」


「それは……そうだけど。んで? お前は俺にどうして欲しいんだよ?」

 もうなんかめんどくさくなったので、避けて帰るのを諦め、付き合うことに決める。


「んー何をして欲しいってわけじゃないんだけど……。君の行くところについていきたいだけかな?どこ行こうとしてたの?」


「学園のいろんなところを見て回ろうと思っただけだよ」


「あ、そういうことだったのかー。じゃ、ボクが案内してあげるね? んじゃ、ついて来るんだー行くぞー」


 探検ごっこのようなノリで出発したアリスに連れられるまま、学園のいろんな場所を見て回った。潜入調査のつもりが、全然調査はできずにただただアリスに連れまわされてしまった。しかし、一つ気づいたことがある。それはこの学園の防犯対策は完璧で、認識阻害を破れるような魔導の教師がゴロゴロ入るということ。ルシエラの魔法を持ってしてもおそらく姿を見られずに調べ回るのは不可能そうだった。


 そして連れまわされるまま、気がつけばもう日も沈み、夜になろうとしていた。


「おい、もういいから……帰ろう……いい加減疲れた……」


「本当? まだ案内したいところあるんだけどなぁ……?」


「いや、もういいわ。帰ろ……」

 俺の疲れた表情を見てか、アリスはおとなしくその提案に従ってくれた。そして俺とアリスは寮への帰路を歩いた。


「ところでさ、君はS+ランクになりたいって思わない?」

 アリスはふと歩みを止めて、俺の前に立ち、問いかけた。


「なんだよ、急に」

 アリスの方を振り返って答える。


「いや、入ってすぐSランクなんだから、君もS+にもなれると思ってさ。授業見てたら改めてそう思ったの」


「そんなもんなのか? でも今はただ授業を乗り切れることで精一杯だよ」

 俺はため息をつきながら本音で答えた。


「それは追加課題のことを知ってもかな???」


「え?」


 初めて聞く単語。追加課題?なんだそれ?


「S+の生徒にはね? 追加課題が課せられるの。すっごく面白いんだよ?ふふ、きっと君も気に入るんじゃないかな?」

 アリスはニヤリと嫌な笑みを浮かべて言った。


「その追加課題っていうのは?」


「知りたい?」

 ぞっとするほどの静けさで接近してきたアリスは、首を傾げて下から俺を見上げた。水色のドレスに身を包む彼女は、年下の男だと知っていてもドキッとしてしまう可愛さがあった。


「あ、ああ。知りたい、教えてくれ」

 

「ザンネーン! 内容までは教えてあげられないんだなぁ。知りたくば月末の試験でS+に昇級することだ!頑張りたまえ☆」


「あ、おい!」

 俺が捕まえようと手を伸ばしたところをひらりとかわされ、俺から離れて行く。


「何を企んでるのかは知らないけど! 試験までせいぜい頑張ってね☆」


 そう言いながら俺に向かって手を振ると、アリスは自分の部屋へと走り去っていった。途中、振り返ってさらに一言。


「あ! あと多分月末の模擬戦の君の相手! アランだよ! アランはSランクではダントツトップだし、君は入ってすぐSランクだから。期待も込めて君とアランを当てるってもっぱらの噂になってるから。今の実力だったら瞬殺で負けるだろうけど、ファイト☆」


 言ってる内容がなんだか頭にストンと入ってこなくて、ただただそう言って去って行くアリスの背中を眺めていた。


 え? アランと模擬戦!!??


 超絶ピンチが待ち受けていることに気づかされた上に、潜入は困難。ってことは今の時点でできることは一刻も早くS+になり、その追加課題とやらを受けるしかないらしい。


 まただ……また。

 

 そう。この日から、激戦必至の魔法学園生活は改めて幕を開けたのである。

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