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magi code  作者: ロジカル和菓子
3章 魔道学園、スクオラ編
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lesson crisis② 〜火の魔法編〜

 アリスは先生から預かった魔法陣を一枚だけ持ってみんなの前にでた。


「んじゃ始めますか! スタート!」


 ソレイユがそういうと、さっきと同じく狐の使い魔は何もない広い空間を逃げ回り出した。なんだか見ているうちに気の毒になってきた。これ本当に大丈夫なの? あの子嫌々やらされてない?


 そんな風に思っていたのもつかの間で、すぐにアリスの動きに注目させられることになった。アリスはなんのつもりだか、すぐに魔法を使わなかった。狐の使い魔はそれを機と見て攻撃を仕掛ける。炎の球を連続でアリスのほうに撃ち出す。それをアリスはひょいひょいと避けていく。全く当たらない攻撃にイライラしたのか、狐の使い魔は何やら動きを止めた。


「あ〜、止まっちゃダメでしょ」

 アリスはニヤリと笑うと魔法を実行する。


「ラン……座標軸固定」


 青い光で魔法陣が浮かび上がった。さっきのシンシアと同じようなセリフを言ったあと、魔法を発動しようとしたが、狐はより強い攻撃をしようとしていたようで、そちらの方がはやく発動した。さっきより何倍もでかく人の体ぐらいある炎の球がアリスの方に向かって放たれる。


 ……こんな攻撃されるの? Sクラスの授業って……。早くも再び命の危険を感じましたとさ。


 アリスは放たれた攻撃をさっきまでとは違い、大ジャンプをして避ける。それはまるで高飛びのようだった。間一髪で避けるが、使い魔は再び逃げ回り出した。


「いいもんねー。もう座標軸固定まで終わってるもんねー。……座標……決定」


 あっかんべーのように舌を出し狐の方を見て、セリフの後半の頃には真顔になって言った。すると逃げ回る狐がいきなり燃え出し、苦しみ出す。


「キュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ」


 逃げ回ろうとするが、その炎は狐に寄り添うようについてくる。次第に狐は再び丸焦げになった。


「はい、しゅーりょー」


 アリスは何事もなかったのごとく帰ってきた。君たちこんな命がけの課題と毎日向き合ってるの……? お兄さん怖いっ! 


「お見事。やっぱS+は違うね!ちゃんと攻撃も避けて見せたし、本当にお手本でした! みなさん拍手〜」

 ソレイユはそうアリスを褒めると、後ろから

「む」

 という声が聞こえたような気がした。振り返って見ると声がした方向には素知らぬ顔をしたシンシアがいた。え、今の不満そうな声シンシアが出したの?


 初日にして意外な一面を見た気がした。自分より褒められたことが不満だったんだろうか?まぁ確かに先生の褒め方は明らかにアリスの方が良かったけど。


 アリスの番が終わり、次はアランの番となった。アランはその態度通り優秀に課題をクリアした。使い魔が攻撃をする前に魔法を発動しきり、攻撃されることなく倒し、ドヤ顔で帰ってきた。


「ふん、俺ももうS+のアリスより上ってことが証明されたようだな」

 とアランはアリスを挑発するが、アリスの方は……というと。


「スピー」


 ……寝ていた。鼻からお手本のような寝音を立てながら。

 アランはそれに気づかずに元の位置に戻った。

 いや、あんた! 相手にされてないよ! 気づいて!!

 心の中でそう声をかけるも、思い虚しくアランは勝ち誇った表情で帰っていく。本当に残念なやつなんだな。


 その後、次々と生徒は課題に挑戦していくが、最初の3人ほどスムーズにクリアできたものはほとんどおらず、皆苦戦していた。Sクラスとはいえ、課題も難しいのだろう。皆何回か失敗しながらも、自分の持っている魔法陣で課題をクリアするもの、失敗を繰り返し攻撃を避けながらもなんとか課題をクリアするものもいれば、ソレイユが切り上げるまでクリアできないものも多かった。


 いや、まずいよこれは。こんな難易度の課題、命がいくつあっても足りんよ。しかし自分の出番は着々と近づいてきている。どうやって切り抜けようと配られた魔法陣を見た。


えーっと。


[1, fix coordinate axes, to 2]

;座標軸を固定、命令文2へ

[2, determine the coordinates, to 3]

;座標を決定、命令文3へ

[3, charge magic power ,to 4]

;魔力を貯める。命令文4へ

[4, convert fire at the coordinates, to 2]

;決定した座標で火の魔素に変換、命令文2へ


 なんだ、これ? 命令文4が終わると命令文2へ戻る……?

 命令文が終わってないじゃないか。これ、永遠に命令文がループして終わらないじゃん。バグじゃん!??? と考え込んでいると、ソレイユが近づいてきて耳打ちしてくる。


「君は初めてだろうから、少しサービスしちゃうとね? その魔法、魔力をつぎ込んでいる間は座標が動かないのよ。だから、魔力を小出しにして座標の決定に戻って相手の動きに合わせるの。ちょっとコツがいるけど、頑張ってね? あ、もう一つあった。決定できる座標は自分の魔力の総量に応じて決まってくるから、使えば使うほど効果の出せる範囲は小さくなっていくのに注意するのよ?」


 アドバイスは嬉しい。この魔法の意味もわかる。でもこれ終わらないじゃん。どうなってるの? 心の中がモヤモヤでいっぱいになる。よく他の生徒の魔法陣の挙動を見ていると、終了するときに青く光っていた魔法陣が割れるように消滅していることに気づいた。


 これは……いわゆる強制終了ってこと? つまり魔力を貯めるっていう命令が満たされなくなったら強制的に終了する。それが終了の合図ってこと?


 なんて魔法陣だ!!!!


 強制終了前提の魔法陣!?


 クソでしかない。俺は怒りのような感情と、謎の使命感を胸に抱いた。

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