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magi code  作者: ロジカル和菓子
3章 魔道学園、スクオラ編
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入学試験①

 竜車は滞りなく道を走っていき、魔法都市スクオラに到着するまでそう時間はかからなかった。スクオラに着くと、紅蓮の牙の竜車は、俺たち3人を乗せるとすぐに王都に出発していった。スクオラは他の街とは雰囲気が違っていた。街を取り囲む門には門番がいるが、皆魔法協会のローブを着ている。入る際には魔法を使えるかのテストが行われるようだった。


 しかし、テストが行われるのは行商人以外。紅蓮の牙が用意した商業組合に入っている証である手形のおかげでテストなしで入ることができた。まぁそもそも俺以外は普通に魔法協会の魔法陣を使うことができるのだが。


 そんなテストがある割に街はとても活発だった。皆が魔法に、魔法道具も使えるので、街はとても豊かなようだった。俺たちはまず宿屋を探すが、そもそも旅の者が訪れるのは珍しいようで街中に宿屋が見つからない。


「おいおい……宿屋全然ねぇじゃないか……」


「困ったのです……これでは今日寝る場所が見つからないのです……」


 俺とアイラが焦っている一方で、ルシエラは何やら持ってきていた本を読みながら俺たちに付いてきている。


「おい、ルシエラも探してくれよ……」


「……」


 声をかけても反応はない。全く。一緒に旅をするなら協力ぐらいしてほしいものなんだがなぁ。


「あ!」


 ルシエラは黙っていたと思ったら次にはいきなり声をあげた。その大きさに街の往来の注目を浴びてしまう。


「声がでかいって!」


「ねぇ、これ見てよ!!」

 ルシエラは持っていた本を俺とアイラの目の前に差し出してきた。そこには魔道学園の入学要項が載っていた。


「なんだよ? 魔道学園の入学要項なんか見せてきて」


「これ!! とにかく見て!」


 ルシエラに言われた通りのところを見てみる。


『入学、随時受付。成績上位者学費免除あり。入試はいつでも受けられます。』


「なんだよ。これがどうかしたのか?」


「鈍いわね。あんた。宿なんて探さなくてもいいのよ。宿が見つからないなら、魔道学園に入学して寮に住めばいいのよ」


「はぁぁぁぁ?」


 それは衝撃の提案だった。いきなり潜入!? それはさすがに無理だろ……。そう思いアイラの方を見ると、かなり目がキラキラしている。これは賛成なんだろうな……。と思いつつ、一応聞いてみる。


「ア、アイラはどう思う?」


「すごくいい提案だと思うのです。時間がもったいないですからね!!」


 あ〜。聞いたのが間違いだった〜。


「が、学費はどうするんだよ。これから旅は続くんだぞ?」


 俺がそう言うと、ルシエラは再びその案内を見せてきた。


「あんた。これ読んだでしょ? 成・績・上・位・者・よ。成・績・上・位・者」


 煽るようにして俺に挑戦的な言葉を投げかけてくる。


「いや、成績上位者になれなかったらどうするんだよ……」


「その時はその時ですね」


 アイラはそう言うとルシエラとハイタッチする。だめだ、これ味方いない。そうがっくりして渋々その案に乗ることにする。しかし二人はまだしも俺は魔法教会の魔法陣は使えないんだが大丈夫なんだろうか……。不安そうな顔をしていると、それを察したのかアイラは声をかけてきた。


「大丈夫なのです。魔道学園は魔法教会とは独立しているため、魔法教会の禁忌に関してはあまり厳しくないようなんです。たとえ魔女に教えを請うたものでも、魔法に関して優秀なら誰でも入れる。それが魔道学園なのです」


 アイラは目を輝かせて言った。


 いやでも、この子思い込みが激しいから不安だわー……。

 魔法教会と独立しているとはいえ、本当に大丈夫なんだろうか。魔女の教え子でも入れると言うのも、本当かどうかは怪しい。ま、調査のためには潜入するのが手っ取り早くはあるんだけど。でもさすがに来た初日に潜入はやりすぎでしょと思う。


 二人に圧倒され、結局魔道学園に連絡をして、急遽入学試験が行われることになった。なんでもアイラが派手な爆発魔法を目の前で見せて、急遽入りたいと言ったら即時試験を行ってくれることになったようだ。なんとも頼りになるお嬢様だこと。


 街の東側にドカンと構える大きな建物が魔道学園だった。西に立つ建物はどれもそこまでの大きさはないが、一番大きい建物はやはり魔法教会の建物らしい。東は魔道学園が圧倒的な存在感を放っていて、門の前に立った時は思わず足がすくんでしまった。西洋風の学校はまるでお城のようで、街を囲う壁のさらに内側にあるにしては大きすぎる壁が学校を覆っていた。


 門番に話を通すと、すぐに校舎内に案内され、ある教室に案内された。3人揃って試験内容を説明される。


「急遽試験官をすることになったラストールと申します。あなた方は才ある方々ということで急遽試験をすることになりましたが、本来このようなことはなく、学園長の尊大なお言葉によって……」

 その男の話は長く、最後まで集中して聞くことはできなかった。真面目そうなメガネに紋なしのローブの下にはカッターにネクタイ。なんだか異色の組み合わせだった。


「話長くない?」

 ルシエラはひそひそと俺に話しかけてくる。


「確かに長いな……」


「こら! そこ! ちゃんと話を聞いてくださいよ!入学試験の説明なのですよ!?」


 俺とルシエラの雑談はすぐに見つかって怒られてしまった。アイラの方を見ると、目をキラキラさせて話を聞いている。そういえばこの子真面目な上に魔道学園にすごく憧れているんだった……。


「それでは試験内容の説明に移ります。試験は簡単。自分のできる最高の魔法をみせること。それだけです。魔法陣の種類は問いません。一人一人試験は行いますので呼ばれた順に隣の部屋に来てください」


 試験が始まるようだ。しかし自分のできる最高の魔法……か。まずいな。油を使う魔法は油ぎれで使えないし他はただの基本魔法しか使えない。入学はできても学費免除は難しいだろう。というかそもそも入学ができなかった場合、俺だけ潜入できずに宿屋もないというやばい状況に陥ってしまう。


「では、アイラさんから」


「ハイなのです!」


 幸い、俺の出番はまだのようだった。今から考えて書くしかない。ルシエラは変身の魔法があるし、アイラはエクスボアがある。学費免除まではいかなかったとしても入学はまずできるのだろう。


 俺は必死に考えた。物資を必要としなくて、強力な魔法……。変身の魔法はコツのようなものがいるらしく、ルシエラ以外にはうまく使うことができなかったようだし、アイラのエクスボアのように爆発的に魔力を使うこともできない。なら今の俺には何ができるのか。考えるしかない。

 俺の、制限時間内での魔法考案が幕を開けた。


とうとう3章スタートです!


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