スキル認定試験
(ぐぬぬぬぬ…!)
自然にペンを握る右手が震える。
完敗だ。ヤマが完璧に外れてしまった。
いくら頭を抱えても答えは出てこない。
(こんなレシピみたことも無い…)
計40人が孤立した室内。
それぞれの机上には数枚の紙。
紙には様々な素材の名前や、それが"完成品"になるまでの製作過程が書かれている。
僕たち生徒はその素材や製作過程から、何が、どのような状態で"完成品"になるかを独特な方法により計算し、専用の用紙に書き込む。
(こんなモノからどんな刀ができるか想像もできない…)
そう、"完成品"は、刀。
僕たちは、スキル[刀工]を取得するべく、"スキル認定試験"を受験している真っ最中である。
スキルを選ぶ生徒たちの中で絶大な人気を誇るスキル、[刀工]。
というのも、高価な武具を自分でつくりだすことがてきる点、自ら商いを始めやすいという点に由来する。
僕も、そんな刀工スキルを手に入れるため、認定試験を受けている。
が…。
(そりゃそうだよな…。ロクに勉強もしてきてないし…。)
1問目から想像もしていない問題がでてきて、いわゆる詰み状態だ。
(と…とりあえず次の分野!)
全2分野からなる試験。
第1分野は、与えられた素材や製作過程からどのような刀をつくれるかを算出する問題を
それは先程から言っているが、僕には無理である。
第2分野は、その逆。つまり、与えられた刀をつくる過程を細かく書き上げる問題。
運が良ければ、こっちで点数を稼げる。
そもそも、そんな問題を解くことができるのか、という疑問にまずは答えよう。
この刀工スキル認定試験には、刀工を目指す者からすると常識的なことばかり出題される。
化学分野で言う原子番号20番までの元素とその化合物のような。
もちろん、定期講習なども2ヶ月1セットで年6回行われている。
僕は…。
定期講習をちょこっと受けただけだった。
鍛刀の基礎は心得、簡単な刀のレシピも少しは覚えた。
そのくらいやれば運よければ認定証をもらえるかも。
そんな生半可な気持ちで、試験に臨んでいるのである。
(さて、2分野目は…)
スラスラと視線を動かす。
進むに連れ、先程からの焦りは諦めに変わってきた。
(そうだよな…)
なんとか数問は解けたが、ほとんど用紙は白いままである。
(もうテキトーに書いて中間点を狙うしか…!)
そうしているうちに、時計は約束の時刻を指した。
「はい、テスト終了!忘れ物のないように、速やかに帰宅すること。」
処女作です。更新頻度は低くなりそうですが、継続的に書いていこうと思います。




