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描け、わたしの地平線  作者: まるそーだ
第1章 ワームピル大陸編
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第12話:ファースター騎士総長 クライド・ファイス

アルト、そしてローザはしばらく、

何が起こっているか理解できなかった。

というより、何も考えることができなかった。

レナとプログ、クライドは依然として動かない。

一体どういうことなのか。



「レナ、お前も気付いていたか」



無機物な音だけが支配していた空間を、

手に持つ短剣をカチカチと揺らしながら、

プログの声が突き破る。



「それはこっちのセリフよ。

 ま、さすがにあんたレベルなら気付くか」


「まあな。さてと……、

 それじゃ説明してもらおうか、

 騎士総長さんよ?」



プログがレナに向けていた視線を、

クライドに向ける。

その目はいつものプログではなく、

魔物と対峙する、ハンターとしての目だ。


と、ここで。



「フフッ、なんのことかな?

 私は魔物を倒そうとしただけだが?」



ついさっきまで無表情で剣を交えていたクライドが、

笑みを浮かべながら剣を降ろしていく。

だがその笑みがおかしい。

普通の笑みとは少し違う、

口元がわずかに吊り上った不気味な笑み。


まるで何か別のことを企んでいる、

そう、前にどこかで見たことのあるような――。



「百歩譲ってあたし達はともかく、

 ローザまで魔物扱い?

 コウザと言いあんたと言い、

 ずいぶん面白そうな教育を受けてきたのね」



同じく長剣を降ろしたレナが、

クライドを鋭く睨む。

そう、どこかで見たことあるというのは、

ルイン西部洞窟でレナが対峙したコウザのことだ。



「コウザ?

 ああ、そんなヤツもいたか。

 あの時は随分と、

 世話になったようだな」


「まあ、あんたみたいに潔く、

 正体を明かしてくれなかったから、

 メンドかったけどね。

 それに比べれば、あんたはまだマシかしら」



少し鼻で笑いながらレナが話す。


しかし、口ではそう言いながらも、

レナは相手の動きを一瞬でも見逃すまいと、

常に臨戦態勢をとっていた。


コウザと違い、

クライドは正体を見破られて慌てる様子も、

また正体を明かすまいと、

最後まで抵抗する様子を微塵も感じさせない。


一方、プログは言葉こそ何も発しないものの、

レナ同様短剣を手に持ったまま、

隙あらばクライドの懐に飛び込まんとしている。


ただ、アルトとローザは、

いまだに何が起こっているか理解できず、

呆然としていて言葉が出ない。



「今さら隠す必要もないだろう。

 私がファースター騎士総長にして、

 シャックの統率者、クライドだ。

 ローザ様……いや、ローザ、

 そして貴様たちの首を貰いに来た」


「もしかしたら、とは思っていたが、

 やっぱりテメェがボスか」



プログが剣をしまうクライドを確認しながら、

しかし、自分の緊張と臨戦態勢は変えずに話す。



「シャックの……ボスって!?

 そ、それに、僕たちの首って……」


「あ……あ……」



ここでようやくアルトの思考回路が回転し始めたのか、

青ざめた表情をしながら、

若干震える小さな声で呟く。

だがローザは今まで、

全幅の信頼を置いていたクライドからのよもやの言葉に、

いまだ言葉を失ったままだ。



「ついでだから言っておこう、

 今ファースター城内は私の部下、

 シャックによって、全て支配されている。

 王族以外、全てがシャックの一員だ。

 ……しかし予想外だったな、

 まさか地図を作っていたとは。

 腕っぷしが強いだけのバカ魔物共かと思ったら、

 頭が使える魔物がいたか」



クライドがシャックのボスという事実を受け入れられず、

目は大きく開き、口が半開きになって、

体を震わせているローザへ視線を向けた後、

今度は視線をレナの方へ向ける。

不気味な笑みは相変わらずだ。


今までの道を明るく照らし出し、

幻想的な空間を作り出していたはずの洞窟内の光が、

かえってその笑みの不気味さを助長させ、

陰気な雰囲気を醸し出している。



「お褒め頂いて光栄ね。

 おかげでわざと、

 地図を落とした甲斐があったわ」



言葉とは全く真逆の、

憮然とした表情をするレナ。



「え、わざとって……」


「あの地図、失くしたんじゃなくて、

 あたしがわざと落としたのよ、2回ともね。

 こいつじゃないにしろ、

 誰かがあたしたちを追いかけてきた時に、

 しっかり正解ルートにおびき寄せるためにね」



わざと、という部分に反応した後方のアルトに、

顔を向けることなく説明するレナ。

顔を向けないのはもちろん、

クライドから、目を逸らさないためである。



「つまり最初から、

 私をシャックと疑っていたというわけか。

 フフッ、中々頭が使える魔物じゃないか」



クライドが右手で顔を覆いながら、

まるで笑いを堪えている様な、

そんな表情をしている。



「ファースターでのあんたの説明、

 確かに筋は通ってはいるけど、

 肝心な部分が何点か抜け落ちていた。

 あんたがシャックの足取りをつかんだ方法も、

 曖昧のままだったし。

 それに何よりも、

 真っ先にローザの命が狙われる理由がないわ。

 もしシャックの目的が、

 ファースターを乗っ取ることならば、

 真っ先に陛下が狙われるはずで、

 最初にローザを狙う必要はないはず。

 なのにあんたは陛下を含めた王族全員ではなく、

 ローザだけをセカルタに連れて行くことを提案した。

 どう考えても不自然よね?

 今思えばこんなことくらい、

 本当ならば、

 公園の時点で明らかにするべきだったわ」



レナが右手に持つ剣をゆっくりと持ち上げ、

剣先をクライドの目線にピッと向ける。

クライドは笑みを浮かべたまま、動かない。



「クックッ、なるほどな。

 だがそれだけだと私の言葉が不十分だった、

 ということで、片付けられてしまうが?」



目の前に突き付けられたレナの剣先に、

一切動じることなく、クライドが切り返す。


クライドの指摘通り、

確かに公園のやりとりだけでは言葉だけの問題であり、

クライドが何か企んでいるということ自体には繋がらない。



「そうね、それだけじゃ、

 あんたが何か企んでいるとは言い切れないわね。

 だからあたしはこの洞窟を利用したのよ。

 もしあんたが何か企んでいるとしたら、

 この洞窟に、

 魔物なり手下なりを送り込んでくるはずと考えてね。

 ま、本人が来るのは想定外だったけど」



諭すというよりは冷たく言い放つような口調で、

レナは続ける。


プログ、アルト、ローザはあまりのレナの冷たい表情、

そして口調に口を挟むことができない。



「あんた、この洞窟の入り口は、

 15分開いたままって言ったわよね?

 つまりあたし達以外の者がこの洞窟に入るには、

 あたし達が入ってから15分後までってことになる。

 だからあたしは地図を作りつつ、

 どの道が何分かかるかをすべて計測して、

 あんたを時間で追いつめることにしたのよ」



そう言いながら今度は左手を上げ、

ローザから借りた腕時計を、

クライドに見せつける。

クライドは引き続き、薄ら笑いを浮かべながら、

沈黙を保っている。



「幸いにもあたし達は、

 洞窟内の全てのルートを通ることができたわ。

 まず入口から1つ目の分岐点に行くまでが3分。

 3つあった分岐のうち、

 間違った2つのルートに行って、

 戻ってくるのに各2分かかった。

 この時点でおよそ7分が経過しているわね。

 そして正解ルートで1つ目の分岐点から、

 2つ目の分岐点に辿り着くまでが3分。

 つまり2つ目の分岐点に着いた時点で、

 10分経過しているわね」


時々クライドの様子を窺いながら、

レナは続ける。


「そして、2つ目の分岐点の間違いルートも、

 戻ってくるのに2分費やした。

 2つ目の分岐点から3つ目の分岐点まで3分。

 そう、この時点で15分が経過して、

 扉が閉まったことになるわね。

 あんたが話す通り、

 扉が閉まる直前に洞窟内に入ったとなると、

 あんたはこの時点で、

 洞窟内に入ったことになるわ。

 そして最後の3つ目の分岐。

 ここの間違ったルート、

 あの道が長くて助かったわ。

 なにせ同じ場所に戻ってくるのに、

 10分もかかったんだから」



まるで頭の中にも地図を描いていたかのように、

道と要した時間を並べていくレナ。

道中、レナがしきりに腕時計を気にしていたのは、

道の所要時間をすべてて計測していたためだった。



「なるほど、そこで地図を使って、

 コイツを正解ルートに誘導させたわけか」



聞いているうちに、

レナの話のからくりが理解できたのだろう、

レナの独壇場だった舞台に、

プログがあがってくる。



「そういうこと。

 今説明したルート、

 3つ目の分岐点まで、すべて正しいルートで来れば、

 9分で辿り着ける計算になるわ。

 だからあたしは、

 地図と正解ルートを書いて、それをわざと落とした。

 1つ目と2つ目、両方の分岐点で、

 あんたが正解ルートに一発で行くようにね。

 道のど真ん中に落としておいたから、

 気付かないはずがないわよね?」



まるで探偵のように、

クライドを追いつめていくレナ。



「まあ、あたし達は途中で考えた時間とか、

 魔物と戦った時間とかがあったけど、

 それも含めての15分だし、

 こっちは女の子2人で、

 なおかつ地図を書いててゆっくり歩く足。

 そっちは王女の危険を感じて急いで向かってくる足。

 色々差し引いても、あたしたちが3つ目の、

 戻るまでに10分かかった間違いルートを歩いている時点で、

 あんたはすでに、

 最速9分で来れる3つ目の分岐点に、

 辿り着いていることになるのよ。

 ここでもし、あんたが間違ったルートを選べば、

 あたしたちと途中で鉢合わせになるハズだし、

 正しいルートを選べば、

 あたしたちを抜かして、先に進んでいるハズ。

 どう考えても、あんたがこの場所で、

 あたし達を後ろから、

 追いかけてくるなんて可能性は存在しないのよ。

 なのにあんたは、

 ここでようやく追い付いてきた。

 この時点で、入口から急いで追いかけてきて、

 地図のおかげで間違えずに来れたという、

 あんたの言葉はウソということになるわ。

 まあ、殺すつもりで来ていたのは、

 さすがに想定してなかったけど、

 この“時間のワナ”にはまってくれたおかげで、

 あんたが何かしら、

 企んでいるということは推測できた。

 後はまあ、出たとこ勝負よ。

 あんたがおかしい動きをしないか、

 見張っていたってワケ」


「遭遇した魔物はすべて俺らで倒していったからな、

 外から入ってこない限り、

 あんたの足を止めるほどの魔物なんていないわな。

 それに、入口には兵士が2人もいたんだ、

 外からもそうそう、入り込めるモンでもねえだろ」



レナの指摘に、

プログが追い打ちをかける。


レナ達の言うように、

間違いルートも含め、

元々洞窟内にいた魔物は、

レナ達が倒しているし、

開いたままの入り口は2人の兵士が守っていたため、

新たに大量の魔物が、

入り込んできたとは考えにくい。


つまり、クライドは何の障害もなく、

正解ルートを進むことができたはずだ。


レナは最初からクライドが何か企んでいると睨み、

その本性を暴くため、

“職務を全うする正義感溢れる騎士総長”ならば、

絶対引っかからないトリックを仕掛け、

クライドがそのトリックにはまるのを、

文字通り、時間を見ながら待っていたのだ。



「フハハハハハッ!! 見事だな!!

 まさかここまで考えているとは、

 殺すには実に惜しい魔物達じゃあないか。」



レナの仕掛けたトリックのせいか、

はたまたずっと堪えていた笑いが我慢できなくなったのか、

不意にクライドは天を仰ぎ、

大声で笑いだす。

開けた空間にクライドの湿った、

それでいて気味の悪い笑い声がこだまする。



「さあ、今度はこっちの番よ。

 あんたたちの目的は何?

 列車を爆破したり、

 魔物まで飼いならしていて、

 何をするつもりなの?」



シャックのボスとまでは想定しなかったレナが、

笑い声をあげるクライドに、

じわじわと詰め寄る。

長剣の剣先とクライドの距離が、

どんどん縮まっていく。



「いいだろう、特別に教えてやろう。

 我々の目的、

 それは世界を、人々を救うためだ」



その瞬間、天を仰いでいたクライドが、

サッと正面に向き直り、

レナに視線を向ける。



「世界を……救う?」



予想だにしない言葉が飛び出し、

アルトが思わず言葉を漏らす。



「オイオイ、いきなりなんて


「冗談は笑い声だけにしてほしいわね。

 列車を爆破したり、

 魔物を飼いならしたりして世界を救うですって?

 あんたの救う世界ってのは一体、

 どんなお気楽な世界なのかしら?」



今度はレナが、

理想や夢ばかり語る人を、

憐れむかのように軽く鼻で笑う。



「まあ所詮、その程度にしか受け取らないであろう。

 それでも構わないさ、

 我々の救う世界に、お前たちは存在しないのだからな」


「話が矛盾しているわね、

 人々を救うのに、

 あたし達は救われないのかしら?」


「さっきから言ってるだろう、

 お前たちは魔物だと」


「話にならないわね。

 あたし達が魔物とか、

 どっかの新しい宗教か何かかしら?」



2人の話は平行線のままだ。


先ほどまで舞台に上がっていたプログも、

2人のやり取りの前では降りざるを得ず、

再び黙ってしまった。



「ハーッハッハッハッ!!

 そうだ、そう来なくてはな!

 私相手に何を言っても立ち向かってくる……。

 嬉しくて仕方がないぞ!」


「そりゃよかったわね。

 こっちは胸くそ悪いだけなんだけど」


「さて……、お喋りはこれくらいにして、

 そろそろもっと楽しい時間にしようじゃないか」



そう言うとクライドは、

レナとの距離を少しとりながら、

一度は収めた細身の剣を、再び抜く。

そして、レナの長剣にキンッと合わせる。



「う、ウソですよね?

 クライド……い、今までの話、

 全てう、ウソですよね??」



今まで言葉を発することができなかったローザが、

小さな、聞き取るのもやっとな、

小さな震える声でクライドに話しかける。

力が抜け、いつの間にか、

その場に座り込んでしまったローザのその目には、

うっすらと涙が浮かんでいる。

訊ねるというよりはどこか懇願しているような、

涙を溜めた目で、

クライドを見つめている。



「ローザ王女……いや、ローザ。

 この者たちの始末ももちろんだが、

 私の第一目的はお前の始末だ。

 悪いが、ここで死んでもらうぞ」



対するクライドのローザに向ける目は、

正反対の、冷たい目だった。

涙などなく、凍りつくような視線で、

ローザを見下している。



「そ、そんな……どう……して……」


「ローザはやらせないわ。

 あんたの相手は、あたし達よ」



剣を合わせたまま、

レナがクライドの視線とローザの間に割り込む。


その横では、相変わらず臨戦態勢のプログ、

そして左手に拳銃を構えるアルトの姿が。

だがプログと違い、

アルトはいまだに足が少し震えている。



「ま、まさか騎士総長と……、

 ファースター最強の騎士と、戦うなんて……」


「こうなりゃ腹くくれ、アルト。

 呑まれたらやられるぞ」



弱気を見せるアルトを、

プログが小声ながら、必死に鼓舞している。



「大人しくローザを渡せば、

 今回はお前たちを見逃してやってもいいんだが?」


「あたしたちはローザの護衛を受けている。

 誰であろうと障害になる者は倒していく。

 たとえ、それが依頼者であっても、

 ローザの命を狙うならば容赦はしない。

 アルト! ローザを安全な場所へ!」



クライドに対峙しつつも、

アルトが腹をくくるには、

もう少し時間がかかりそうと感じたレナは、

ローザが戦闘に巻き込まれないように、

そしてアルトの気持ちを落ち着かせるのも兼ねて、

アルトにローザを安全な場所に移動させるよう、指示する。



「う、うん! わかった!

 ローザ、こっちへ!」


「クライド……クライド!!」



そう言いながらアルトは力が抜けてしまい、

クライドの名前を叫ぶことしかできないローザの手を取り、

奥の通路の方へ連れて行く。



「どうしても譲らんか。

 いいだろう、ならばまずは、

 お前たちから始末するとしよう」



連れられていくローザを確認しつつ、

クライドが剣を持つ手に力を入れる。

その目は先ほどまでの愉快犯の目とは明らかに違い、

狙った獲物は逃がさない、スナイパーの目になっている。



「それはこっちのセリフよ……と言いたいところだけど、

 あんたもどうせコウザと同じなんでしょ。

 ったく、ファースター最強のからくりもつまんないものね」



レナが短剣を引き抜きながら、

吐き捨てるように話す。


レナの言う、コウザと同じというのはもちろん、

まともに攻撃しても傷一つ付けられない、

ということである。



「ああ、コウザのあの体のことか。

 安心するといい、

 私は生身の人間だから攻撃は当たるぞ。

 お前たちに追いついた時にも、

 傷をつけていただろう。

 だから遠慮しなくていい、

 全力でかかってこい。

 私もお前たちを……」



そう言いながらクライドはレナとの距離をさらに取り、

細身の剣を顔の前に構えた。



「全力で殺しにいく」



瞬間、クライドの目が更に鋭くなり、

レナを威圧する。

もはやその目はスナイパーを超え、

生きていくために命がけで、

相手を殺そうとする野生のライオンのような、

威圧的で恐怖を覚える、そんな目をしている。


その姿のあまりの変わり様、

そしてクライドの威圧に一瞬、

レナがピクッと震える。



「……上等じゃないの。

 ファースター、いえ、

 ワームピル大陸最強の騎士総長が相手だもの、

 あたし達も全力であんたを潰しに行くわ」



クライドに言い放つ、というよりは、

自分を鼓舞するためにレナはそう言うと、

すぐ後ろに構えるプログ、

そしてローザを奥に連れて行った、

アルトが戻ってきたことを確認する。



「ぼ、僕だってローザの護衛を引き受けたんだ!

 それにこ、こんなところで負けるわけにはいかないんだ!

 たとえファースターの騎士総長でも、僕は……!」


「クライド、個人的な恨みはねえが、

 テメェが俺たちのことを魔物というのなら、

 俺たちにとってテメェは魔物だ。

 魔物狩りなら俺の出番だ。

 元ハンターとして、

 わりいが()らせてもらうぜ」



レナと同じく、自らを鼓舞するアルト、

そしてクライド同様、

目つきが一気にハンターの目に変わったプログが、

それぞれ腰を低く落とし、臨戦態勢に入る。

アルトもどうやら腹をくくったようだ、

銃を握る左手は、

先ほどと違って震えていない。



「シャックの頭……ここで潰すッ!」


「ファースター王国騎士総長、クライド・ファイス。

 只今より任務を開始する。いざ……」



クライドは細身の剣を、

そしてレナは長剣と短剣をそれぞれ構え直し、

腰を深く落とす。



「勝負ッ!!」



2人の放った掛け声の瞬間、

両者の距離が一気に縮まる。




キィィィィィィン!!




鋼と鋼の音が、

戦いへの扉を切り裂いた。

ここに載ってた登場人物は別項目として掲載しました。なのでそちらでよろしくです。

なお、今回活動報告で皆さんにこの小説を作り上げていく上で一つお願い(?)を載せておりますので、よろしければそちらも見てってください。

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