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金がない、そんな時は?

蒼い空、蒼い海、そして見える地平線。

そんな景色が良い高台に、一つの小屋があった。


「……金がねえ……」


その小屋の中で、上下ジャージというとんでもなく雰囲気を壊すラフな格好をした白髪混じりの短髪黒髪の少年が呟いた。

彼こそがこの作品の主人公である『ティム』、フルネームは『ニスティム・グラッハード』少年。 この小屋で独り暮らししている。

悲運な事に両親がある事情で他界し、遺産で今迄生きてきたが……いつまでもあると思うな親と金。 遂に底が尽きた。

「……働きたくねえ……」

ティムはorzのポーズをとりながら、NEET道真っしぐらな台詞を吐き出した。

先程も言ったが、ティム少年は他界した親の遺産で生きてきた。 つまり働く術も金の当ても無い。 ……あるにはあるが、果たしてティムが続けられるのかが問題だ。


冒険者。 未開のダンジョンへ足を運び入れ、まだ見ぬ財宝を見つけて旅をする浪漫な『職業』。 この冒険者、体力と気力と実力という力の三本柱が成り立ってこそ上手くいく職業である。


ティムは実力は才能あってかある方(実戦経験皆無)だ。 体力は護身の為に一般からそこそこはある。 だが気力は生活の問題からか、まるで枯れ木だ。

「……正直働きたくない……だが、働かないと死ぬ……しかし、働く場所に当てが無いから冒険者……やるしかないのだろうか?」

如何なんでしょうね? と虚空に問う。 俺に聞くな。

……だが、飯も食えず死ぬのは人としては避けたいであろう。 何せ人間の三大欲求の一つなのだから。

「……諦めよう、諦めて冒険者になろう……そして、遊べるだけの金を稼ぐんだ」

何とも不純な動機。 ジャージから鎖帷子を仕込んだ着物と袴に着替え、武器に壁に立て掛けてあった錫杖を持ち、残り少ない金と食料を持ち、つばつきニット帽を深く被りながらティムは外へと飛び出したのであったーー

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