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球技大会 ~TⅣ~
Kishida's story
球技大会が始まった。
私はクラスメートの女の子達に引っ張られながら、自分のクラスのチームが出ている試合に行って、姦しくも応援に興じていた。
私自身は、はしゃいだりといったことは、恥ずかしくて尻込みしてしまうけれど、みんなと一緒に何かをするっていうのは、結構楽しかった。
ミニサッカーの試合を見に行ったときに、いるはずのクラスメートの男の子がいなっかったのが、ちょっと気になったけど、それ以外は平穏に、大きな怪我人が出ることもなく、球技大会は進んでいた。
私の出た競技はバレーボールだった。結果は予選リーグ敗退。午前中に私の仕事はなくなった。
午前の部が終わり、火照った身体を冷やそうと、水飲み場で顔を洗っていると、白衣を着た先生に話しかけられた。
「気をつけろよ。熱中症になったら大変だ」
「あっ、はい。大丈夫です」
確か、遠藤先生だったと思う。化学の先生で、いつもポケットに薬品の入った瓶を持ち歩いている。ちょっと変な先生だ。
と、私がぼぅっと考えながら手を動かしていると、また声をかけられた。何を言われたかは憶えてない。私は蛇口を締めてから振り向いた―――瞬間から。私の記憶は途切れている。




