球技大会 ~TⅢ~
俺が物音に気づいたのは、もう扉の前に人の気配を感じるところまで近づかれてからだった。
「(バレた!?)」
どこかに隠れようと、音を立てずにドタバタするも、時すでに遅し。
扉が、開かれた。
ガガララララッ
開け放たれた扉の向こうにいたのは、白衣を着た・・・・・・誰だっけ?とにかく教師だった。
その教師は俺の姿を視認するや驚愕に目を見開き、次いで脇に置いてある―――多分その教師が運んできたのだろう―――ダンボールに目線を向け、また俺を見ると、今度は顔を鬼のような形相に変え、俺に向かって殴りかかってきた!?
「ギャァーーー!!」
俺は条件反射的に手元を探り、そして掴んだものをぶん投げた。
手裏剣投げのようなフォームから放たれたテニスラケットは、暴力的な破壊力をもって白衣の教師をぶっ飛ばした。
「ごフォっ!?」
おほぅっ。気持ちイイィィィィ!!
俺は立て続けにラケットをぶん投げた。
ガン!ゴン!ガガガゴン!!!
夢中になって投げていたら手元にラケットがなくなった。床には散らばったラケットと、残念ながら動かなくなってしまった白衣の教師。
「あぁ~あ。やっちゃった」
俺は辟易しながらもその白衣の奴を引っ張り込み、ボールバスケットの陰に放ると、今度はラケットを片付けた。
ラケットを片付け終えた俺はそこで、扉の隙間に挟まっているダンボールの存在に気付いた。中に引っ張り込み、扉を閉めると、再び静寂が戻ってきた。
何が入ってんだろう。随分重かったけど。
俺は不思議に思いつつも、好奇心に負けてそのダンボールの封を開けた。
「っ!?」
そこには人が入っていた。それも女の子だ。というかどっかで見たことある顔だな。誰だっけ?うぅ~ん・・・・・・・・・・・・あっ!
「パンの子か!」
そうだあの娘だ。俺がグロッキー状態だった時にパンを半分分けてくれた心優しいあの娘じゃないか!眼鏡してないから判りにくかった。
「えっ?ということはもしかして・・・・・・」
俺は白衣の奴を、軽蔑百%の眼差しで見つめた。




