〜バスケット〜
あれから、約1週間がたった。
俺とタツとエリはあの1件があってからかなり仲がよくなった。
「龍夜とタツはバスケ部でしょ〜?」とエリが聞く。
「まあね〜俺らは最強のコンビだから!!」とタツがいう。今日もタツはテンションが高い。
「ってか、エリは何の部活入んだよ?」俺がきくと、
エリは「私はねぇ〜テニス部!」と答えた。
「テニス部!?」二人が声をそろえていった。
「なにもそこまでおどろかなくてもいいじゃない。私と仲がいい先輩がテニス部なんだ!」とエリはいった。
「ふ〜ん。でも、エリちゃんにはテニス部似合ってるよ!!!」タツがいった。今だにタツはちゃん付けだ。
「ありがと〜タツはやさしいね!それにくらべて龍夜は・・・。」といって俺のほうをチラッと見る。
「なんだよ?俺だってやさしいんだぜ?な、タツ?」
「え〜そんなことないな〜」
「助けてやっただろっ!!!!」とタツを怒った。
そして、3人で笑った。
「じゃあ、みんな〜明日から仮入部だから頑張れよ〜」という先生の声がさよならの代わりだった。
「ついに明日からバスケ部に入れんな〜!!!!」と俺がいう。
「そうだな・・・・。」
「何だよ?元気ないじゃん?」
「いや、そんなことないぜ?じゃまたな〜」
「おう!じゃあな!!!」
このとき、元気が無かったは明日になってわかるのだった・・・。
キュッ、キュッ、とバッシュの音が体育館に響く。
「あ〜やっぱ、この音は最高だな。」と1人でいう。
なんでタツはいないんだ?タツは仮入部にこなかった。
「はい、次!」
先輩にせかされ、俺は自己紹介をした。
「さ、桜井龍夜。ミニバスでのポジションはフォワードです。」
「フォワードかぁ、頑張ってな。」
「ハ、ハイ!」と緊張したのか噛んでしまった。
「はい、次」
なぜ、タツはこなかったんだろう・・・・。後で、タツの家に行ってみよう。
「は〜い?」とタツの母親がでできた。
俺が、「すいません、タツはいますか?」と聞くと、
「あら、龍夜君?ゴメンね、今タツはコンビニに買い物にいってると思うわ。」と教えてくれた。
「ありがとうございました。」といい、俺はコンビニに向かった。
「ッ!龍夜じゃん!!何してんの?こんなとこで・・・。」
「何してんのじゃねぇよ!お前なんでバスケの仮入部にこないんだよ!」俺は少し強めにいった。
「何でって、俺、バスケ部入らないから。」
は?タツは何いってんだ?
「お前、何言ってんだよ!俺達で全国目指すっていったじゃんか。」
「お前、何夢みてんだよ。とにかく、俺はバスケはやらない。そういうことで・・・。」
あいつに、ショックで何も言い返せなかった。タツの態度というより、タツと一緒にバスケができないことの方がつらかった・・・。
とりあえず、俺は帰ることにした。
俺とタツはそれからきまずくなり、学校でも話さなくなった。
俺が、話しかけようとしても、あいつが俺をさけた。
なぜ、急にこんなことになったのか、俺は後で思い知らされることになる。