表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

43/57

第43話 用務員おじさん、怒

 エコーとラナミスには悪いが、なんかヤバイ事が起きてるかもなので少し放置させてもらう。


 リエールの説明を聞こう。そう言えばあの紫骸鎧達が現れた時はアルティエが結構騒いでいたし他の生徒も少なからずいた、しかし連中が出張って来ることはなかったな。


 その理由をリエールが説明してくれた。どうも用務員おじさんとディアナが彼らに接触した後直ぐに落ち合ったのち『転移』の魔法で樹海を越えた先にある建造物『星魔の塔』に向かったらしい。

 そこで何かあったのか、ここからでも人間の生体反応を感知出来ると豪語するリエール曰く攻略班はほぼ全滅したとのことだ。


 別れてからそこまで時間は経っていないぞ、一体何があったと言うんだよ。


「リエール、説明と共に映像を。現場の状況が分かりません」

「はいっ少しお待ちを…」


 宙に手を伸ばして指先を動かすリエール、するとマスタールームの空間に大きなウィンドウが現れた。リエールがセーフティポイントの人達やダンジョンでサバイバルしてる人達を監視する為の能力である。完全にSF映画に出て来る空中に映し出されるスクリーン映像だ。


 場所は確かに樹海を抜けた場所で、あのウザいくらい生い茂っていた自然と巨大な木々がある場所を境に全く生えなくなっていた。


 その先にあるのは全長何百メートル以上あるの?

 と言った感じの巨大な建造物、リエール達曰く『星魔の塔』である。


 用務員おじさんもゲームしてたから、ダンジョンの名前くらいは知っていた。ボスが星界女帝ことリエールなのである意味納得の命名ではある。

 少し待つと映像が映し出された。


「これが、現状の映像ですね」

「……………」

 場所は『星魔の塔』の入り口、不自然に円形になってる場所だった。

 確認すると確かにアホトーク教師陣が倒れていた、そしてリエールの言葉が本当なら彼らは既に死んでいる。


 俺も『天眼』を発動して映像では確認し辛い顔とかをアップで確認……本当に死んでるな、顔色が青く白目を向いていた。呼吸もしてない。

 身体には傷とかはない。恐らく何らかの魔法によって……最悪の気分である。


「そんな……『星魔の塔』の入り口は本来、私達が守っていた場所よ。今は守護者なんていないはずだわ…」


 エコーの言葉が事実ならどうして彼らは事切れているのだろうか。現場に犯人らしき者の姿なんてない……。

 しかし用務員おじさんにはそれを知る術がある、『過去見聞』の魔法だ、あれば人間に使えば当人の過去を見る事が出来る。そして何処かの場所に使えばそこで過去に何が起きたのかを見る事が出来た。


 無論遡れる過去は数日前という限度は変わらないけど、少し前ならほぼ完全な状態で確認出来る筈だ。


「今から魔法でここで何があったのかを確認します、少し静かにお願いします」


「そっそんな魔法まで使えると言うのかお前は」

「ラナミス、お前ではなくラベル様です」

「………はっ!」


 ラナミスとリエールのやり取りは無視して『過去見聞』を発動。

 すると見えてきた……。


「リエール、君に渡しておきたい物があります」

「……ラベル様」

 『異次元空間』を発動してあるアイテムをリエールに渡す、コイツを使う時とか来てほしくはないが、やはりここから先は何か起こるか分からない。


 保険の一つもかけておく。


 そして俺は『転移』を発動した。



 ◇◇◇◇◇◇



 場所は樹海の中、サバイバル組とも離れた場所に彼はいた。

 思えば攻略班で唯一『転移』の魔法が使えない彼である、教師陣を全て始末してしまえば帰るのに一苦労だと気づかなかったのかな?


「………本当に現れるとはな、下民が」

「………」


 犯人はバリーである、攻略班には教師陣以外のメンバーは彼しかいないので当たり前だ。

「しかも僕にも使えない『転移』の魔法でだと? オークレン王国では貴族以外が魔法を使う事も学ぶ事も大罪であることも用務員の下民は知らないみたいだな?」


「………一つ良いですか?」

「この僕に、質問だと?」


「彼ら、教師達を殺したのは何故ですか?」

「僕より弱いくせにいつまでも上から物をいってきたからな。いずれ消すつもりだったので今消しただけだ、そして下らん質問をするな!」


 バリーが攻撃魔法を唱える、稲妻が俺に向かって飛んできた。

 その稲妻を片手で地面に叩きつける。


「……………は?」


「命を奪う……それはしでかした人間が子供だからと許される事ではありませんよ」


 これ以上彼を見逃すのは無理だな。今ここで全てにケリをつけるとしますか。

「きっ貴族階級からの『制裁』に! 下民が歯向かうなど身の程を」


 『音速の歩法』を発動、馬鹿な事しか言わないバリーのみぞおちに超高速ドロップキックをかましてやった。


「ぐぼぎゅあーーーーっ!?」

 樹海の大樹へとぶっ飛ばされるバリーである。

 まあ当然ながらこんな程度ではお相子様とはなるわけがない、そもそも俺は用務員なので教師様みたいに体罰だなんだと言われる筋合いはない。


 それ故のドロップキックである。

 …………まっ普通に考えると関係あるに決まってんじゃんと言う心の声が聞こえる気がするけど、無視だな。


 俺はね、人の人間性や命を冗談とか遊び半分で奪う輩が大嫌いなのさ。だから鉄拳制裁も辞さないのである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ