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◆完結◆突然の変わり身「俺に惚れるな」と、言っていたのは誰ですか⁉ ~猫かぶり令嬢は、素性を隠した俺様令息に溺愛される~  作者: 瑞貴
2章 入れ替わりのふたり

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2-14 騒がしいふたりのディナー

本日2話目の投稿です。前話をお読みでなければ、ご注意ください。

 ルイーズ姿の彼の買い物に、散々付き合わされたエドワード姿のルイーズの2人は、スペンサー侯爵家御用達のレストランに入店した。


 個室で向かい合って話す2人。

 料理が書かれたメニュー表を店員から渡されたが、チンプンカンプンのルイーズ(エドワードの体)は、目玉の飛び出そうな料金しか目に入らず、汗がたらりとこめかみを伝う。


「お前、勝手に注文するなよ。俺が決める」

「令嬢とのデートは、エドワードが選んであげているの? なんだかモテる人って大変なのね」

「はぁぁーっ、違うって。どうせお前は分からないだろう」

「ふふっ、なんだ、バレていたか」

 いつもの調子で揶揄(からか)ったもののバツが悪いルイーズ(エドワードの体)は、ぺろりと舌を出して笑ってみせた。


「そうだ、お前のことを仮病だと言って悪かったな。弟が、お前を心配していたぞ」

「そうなの? アランは、いい子でしょう」

「あの家で、唯一まともなやつだな。どうやったら、ああなるんだ?」

「なんでだろうね。ミラベルお姉様が、自分よりチヤホヤされていた、幼いアランが、嫌いだったお陰かしら」

 それを聞き、何かを思い出したエドワード(ルイーズの顔)はハッとした顔を見せる。


「――お前、もし俺と体が戻ったら、元婚約者には気を付けろよ。姉が何かたくらんでいるぞ」


「あはは、大丈夫よ。もう色々と慣れているもの」

 自分の情けない話を、早々に切り上げたいルイーズは笑って誤魔化し、気にしない素振りをした。


「何かあれば俺に言え。助けてやるから」


「まあ珍しい。エドワードでも、そんなことを言えるのね。ふふっ。ねえ、そういえばエドワードもチョコレートが好きだったの?」

「いや別に。前にお前が食べたがっていただろう」

「うわー覚えていてくれたの! 実は、チョコレートって初めて食べるのよね。しかも、ケーキに乗っているなんて贅沢(ぜいたく)過ぎるわね」

 ルイーズは大喜びでぱくりと食らいついたが、笑顔は見る見るうちに真顔に戻り、それをゴクッと飲み込んだ後の表情はさえない。


「あれ、思ったよりも……」

「くくっ。俺、甘いものもが嫌いだから残念だったな。今食べても体が受け付けないだろう」

 彼は、自分のケーキを食べ終わり、ルイーズが食べるのを躊躇っているケーキをひょいっと奪う。悪い顔をするエドワードは、舌を出して笑っている。


「えー、ひどいわー」

「食べるのはお前の体だから、いいだろう。仕立屋の女店主が、胸がないからもっと太れだってさ。このままだと、ドレスが合わないって言っていたな」

「はぁぁーっ、なんて会話をしているのよ。どうせエドワードから言い出したんでしょう」


「くくっ、そういうことにしたいなら、そうしておいてやるよ。お前はお茶でも飲んで待っていろ。だけど、お前のために、こうして俺の分のケーキも食べているんだから、感謝しろよ」


「はぁぁーっ、エドワードがわたしの分まで、おいしく食べているだけでしょう。あれっ、この紅茶おいしいわね」


 口の中に残る甘さが気になって仕方ないルイーズは、ひたすら紅茶で流し込んでいた。


 そんなルイーズは、その紅茶が、以前のお茶会でパトリシアがルイーズに勧めてくれたものと同じものだと気付き、エドワード(ルイーズの体)がお茶を飲む姿を凝視し始めた。

 ルイーズから、じーっと見られているとも気付かずに、エドワードは至って平然とアールグレイの紅茶を口に含んでいる。


「ねえ、エドワードは、その紅茶を飲んでも気持ち悪くないの?」

「ん? 別に。嫌いだったのか?」

「う~ん、どうなんだろう。茶葉を買うときの試飲はおいしかったんだけど、その後にパトリシア様のお茶会で勧められたときは、喉を通らなくて」

「お前でも、貴族の間で流行(はや)っている茶葉を買うこともあるんだな。……誰かに贈ったのか?」

「それが、せっかく買ったのに落として全部ぶちまけちゃったのよね」

「お前って……、本当にあほだな。奮発したのに落としたのがトラウマだったんだろう、どうせ」

「ふふっ、そうだったのか。わたしね、町の中をこんなに歩いたのは初めてなんだ、今日は楽しかったな」

「それは良かったな。俺はお前の間抜けな言動にずっと腹がよじれてた」

「はぁぁーっ、失礼しちゃうわね」


 デート中のカップルにしか見えない楽し気な2人は、屋敷の中で発狂している姉の存在を知らなかった。


 2人が食事をしている間に、エドワードがその日のうちに届けて欲しいと言って買った品々が、スペンサー侯爵家からルイーズ宛てに大量に届いていたのだ。


 それは、ルイーズの空っぽなクローゼットの中を、びっしりと埋め尽くすほどの量だった。中には、高価な宝石の付いた装飾品もある。


 困っていることを言えずにいたルイーズに、何かをしてあげたかったエドワード。

 恋人や婚約者でもないルイーズへ贈り物をするのは、気がとがめる。けれど、今の彼にとっては、自分のためでもあるから言い訳が立つ。

 だから、ルイーズに遠慮されることもなく受け取ってもらえると思っていたのだ。



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