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◆完結◆突然の変わり身「俺に惚れるな」と、言っていたのは誰ですか⁉ ~猫かぶり令嬢は、素性を隠した俺様令息に溺愛される~  作者: 瑞貴
2章 入れ替わりのふたり

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2-12 ルイーズの買い物②

本日2話目の投稿です。

 馬車での移動中。ルイーズ(エドワードの体)は、これからの振る舞いをエドワード(ルイーズの体)から指導され、何が何だかチンプンカンプン。こんな大役を任され大丈夫なのかと、目が泳いでいる。


「俺が使っている店をいくつか回る。お前は店主に『連れの好きなだけ見繕ってくれ』と言ってこれを出せ。小切手の署名は済ませてあるから問題はない。『そんなに要らない』とか、『高い』とか余計なことを言うなよ。お前が変なことを言えば、俺がそういう男だと思われる」


「わっ、分かったわ。本当は、エドワードの見栄(みえ)なんて、どうでもいいと言いたいところだけど、初めて小切手なるものを持って、……手が震えて、それどころじゃないわ」

 彼から大量の小さな紙を持たさたルイーズ(エドワードの体)は、プルプルと手を震わせている。


「大丈夫か……、おろおろしないでくれよ。俺が恥ずかしい」

「だっ大丈夫よ。(しゃべ)らないでいいなら何とかなる気がするもの」


 1件目に向かったドレス店。

 既に仕立てられているドレスが、見本のように並んでいる。

 

 ピンクや黄色の華やかなドレスを見て、喋らないらないと言っていたルイーズが、うれしそうに目を輝かせた。


「わぁ~、ピンク、黄色どっちもかわいい! あ~、やっぱ黄色かな」

「やめてくれ、お前が着るならいいが俺は嫌だ。青だろう」

「ふふっ、じゃあ2人の間を取って、緑にしましょう」

「お前って、何でも適当だな……。間の意味が分からないだろう」


 令嬢よりもうれしそうに店内を物色しているルイーズ(エドワードの体)に、女店主が話し掛けてきた。


「随分と楽しそうですね。エドワード様が令嬢をお連れになるとは、また珍しい。呼んでいただければ、屋敷まで伺いましたのに」

「ああ、まあ、彼女が来たいと言ったから。彼女の言うとおり、好きなだけ見繕って」

「はいかしこまりました」


 ルイーズの言葉を聞いて、キラーンと目を光らせた女店主。エドワード(ルイーズの体)は、女店主に連行されるように採寸部屋へ連れ込まれた。


 何が起きたのか分からずに、(ほう)けるだけのルイーズは、「エドワード様はこちらでごゆっくり」と言われ、その間、別室でお茶を飲むだけだ。

 けれど、エドワードは女店主の売り込みに、これでもかと言うほど、付き合わされることになる。


「ちょっとあなた、痩せ過ぎよ。これだと胸がぶかぶかになるわね」

 そう言いながら、女店主はエドワード(ルイーズの体)の胸の大きさを、ゆさゆさ触って確認している。容赦なく触ってくる女店主に動じるエドワード。


(おい、ちょっと……、これは女同士だとアリなのか? どうなっているんだ……)

 焦る彼の本心とは真逆に、女店主はエドワードへ助言を始める。


「ちょっと、いいかしら! もっといっぱい食べて太りなさい。舞踏会で着るドレスでしょう、まだ時間はあるからサイズは着る直前に調整してあげるわ。あなた背も高いし、きれいに映えるわよ」

「は……い」

「それに、もっと胸にボリュームが出て、腰骨が出ていない方が、エドワード様も喜ぶわよ」


(どうして、俺がこいつの胸が大きくなったからって喜ぶんだよ。そんなわけあるかよっ!

 入れ替わりはすぐに戻るはずだ。そうなれば、俺は関係ない。まさか俺が、あほなルイーズと何かあるわけがないだろう。体が戻れば願い下げだ)

 

 そう思ったエドワードは、女店主の言葉をきっぱりと否定する。


「はい? 違う、エドワードは関係ないから」

「何言っているの? 彼が令嬢を連れてきたのはあなたが初めてよ。それも好きに見繕ってなんて、言わせているのよ。あなたは相当気に入られているのね。何着買ってくのかしら?」

「……2着。当日は黄色を着ていく。もし気分が変われば青だ」

「エドワード様の横に立っても恥ずかしくないように、彼がいつも仕立てている特級品でいいわね」


「ああ。それと、青いドレスは仕立てに時間を掛けなくていい、何かあったときの保険だ。でも、黄色いドレスは存分に豪華にしてくれ。当日は彼女に、いや、わたしにそのドレスを着せて舞踏会へ向かわせて欲しい」


「うふっ。流石エドワード様が連れてきた子だけあって、抜け目がないわね。そう言われたら、うちの優秀な針子たち総出で今年1番の刺繍(ししゅう)を描いておくわ……、それと真珠もふんだんに使って、とびきりの1着を用意するわね。きっと胸がもっと大きくなるだろうから、コルセットも新しいのが必要かしら。そうだわ、この際だから全部新品でそろえるといいわよ」


「何だかよく分からないが、屋敷には何もないから必要なものを全て用意してくれ」


 散々女店主に振り回されたエドワードは、ぐったりした様子でルイーズの元へ戻ってくると、ルイーズ(エドワードの体)に腕を回した。


「女って、色々大変なんだな」

「ん~、わたしドレスの試着はしたことないし、仕立ててもらったこともないから分かんないわね」

「はは、お前らしい、あほっぽい返答で安心した。俺はもう疲れたから今日1日中、俺の腕を貸せ」

「もう、勝手にしがみ付いてきて、よく言うわね、ふふっ」


 笑顔で楽しそうにルイーズが応えると、2件目の店舗へ向けて歩いていった。


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