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◆完結◆突然の変わり身「俺に惚れるな」と、言っていたのは誰ですか⁉ ~猫かぶり令嬢は、素性を隠した俺様令息に溺愛される~  作者: 瑞貴
2章 入れ替わりのふたり

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2-11 ルイーズの買い物①

2-11が短いので、次話(2-12)も続けて投稿します。

 机に向かったエドワードが、重要書類が入っていると言った引き出しから、色々と取り出し署名をしている。


 その間、町へ出掛けるために着替えをしようとするルイーズ(エドワードの体)は、人目を気にするようにキョロキョロしていた。


「ねえ、こっちをのぞかないでね」

「何を言っているんだ? 俺にとっては、見慣れた俺の体だろう」

「今は違うわよ。それに、着替える姿を見られるのって、なんか恥ずかしいじゃない」

「ふ~ん、そういうもんなのか」

 意味が分からず、エドワードは首を軽くかしげるが、あまり気にも止めずに聞き流す。


 そして、しばらくしてもネクタイを結べずに苦戦しているルイーズ(エドワードの体)。タイを右、左、前と動かし、全く結べる気配がないのはありありだ。


 それを見て(あき)れて笑っているエドワード。


「くく、あほだな。お前、結べないなら助けてくれって言えよ」

「自分でやれば、何とかできるかと思ったんだけど、ごめんお願い」

 エドワード(ルイーズの体)に、ネクタイを締めてもらうルイーズ(エドワードの体)

 彼にネクタイを締めてもらいながら、ルイーズは気に掛かっていたことを質問した。


「ねえ、訓練場を出るときにカーティスを振り返って見たのは何だったの?」

「あー、忘れていた。カーティスが婚約の申し出をチラつかせていた。ブラウン公爵家の名前を出していたから、取りあえず俺の名前を出して断った。そんな予定はないが、もう俺からの申し出があったと伝えた。あいつから、何か言われたら話を合わせておけ」


「はぁぁーっ、何で、勝手に断っちゃうの……」

(一刻も早く、あの家を出るためには願ってもない話だったのに……どうして)

 大きく肩を落とすルイーズ。

 それに気付いたエドワードが、サラッと付け加える。


「2人の体が戻れば関係ないが、もしこのまま戻らなければ、俺が、お前のそばにいられないと都合が悪い。お前の方は大した問題はないだろうが、俺にとっては大問題だからな。体が戻ったら『やっぱり、エドワードに振られちゃった』とでも言ってカーティスに頼めばいいだろう」

 途中、「振られた」の言葉を言うエドワードは、小首をかしげてルイーズの仕草をまねた、子芝居付き。


 どう見ても馬鹿にされている。カチンときたルイーズはエドワードに言い返す。


「そんなこと、できるわけないでしょう、馬鹿なの⁉」


「いや、悩んでいるのに何も言わないお前ほど馬鹿じゃない。ドレスがなくて困っていたんだろう。ルイーズが欲しいものを買いにいくぞ。もし、戻れなかったら自分が困るからな。それと、お前の部屋から持ってきた服の着方が分からん、着せてくれ」


 真顔で言うエドワードがおかしくて、ルイーズの怒っていた気持ちも冷めてしまう。


「…………もう、しょうがないな、後ろを向いて」

 ルイーズ(エドワードの体)に、ワンピースの(ひも)を直してもらうエドワード(ルイーズの体)


 エドワードの部屋を出る直前、既に恋人のようにルイーズの手を握るエドワードは、ハッと思い出した。 


「そうだ、屋敷を出るときに、家令のマルロが俺たちを見送るだろうから、夕食は要らないと言ってくれ」

「……分かった、やってみるわ……」

 

 2人の姿を見ていたスペンサー侯爵家の使用人たちには、ルイーズに手を引かれるように侯爵家の馬車へ向かうエドワードの姿が映っていた。



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