2-8 エドワードの動揺
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エドワードは、たった1日でひどい罪悪感を抱えた心境で、訓練場にルイーズが到着するのを待っていた。
エドワードは、ルイーズを大きく誤解していることが分かり、合わせる顔がないと気まずくなり、まずは何て声を掛けるべきか悩んでいる。
それに加えて後ろめたいことがあった。
……昨日。
ルイーズは、エドワードの体を見て悲鳴を上げていた。それにもかかわらず、自分自身の体のことは、一切言及しなかった。
こうなれば、別に自分がルイーズの体に興味を持ったとしても、とやかく言われる筋合いはない。仕事柄気になる。そこはサラッと割り切った。
このとき既に、どうやればルイーズと自分が戻れるか、あの手この手を尽くしたが全く結果は出ず、完全に行き詰まっていたのだ。
(こんな細い腕でよく、あの重い剣を振っているな)
そう思って、腕に力を入れてみるけれど、筋肉も余計な脂肪も付いていない腕は、腱のある場所が分かりやすく浮かべるだけだった。
もしかして、自分が女性の体を欲求していたのか? と思い、ルイーズの胸やお尻に手を持っていく。
始めは躊躇っていたものの、次第にどんどんエスカレートしていき、エドワードがハッと我に返ったときには、既にルイーズの体や反応で知らないことはなかった。
やってしまった……と、エドワードが青ざめただけで、自分の体に戻ることはなかったけれど。
(俺は勝手に何をしているんだ……。言わなければバレないだろうが、何だこの罪悪感は。ルイーズに謝るべきだろうか……。いや、言われても困るだろう。だが、知らせないのは、やましいことを隠しているみたいだな。どうしたらいいんだ……)
壁に片手を突いて、1人悶々とするルイーズ姿のエドワード。
「ルイーズ嬢、人のいない所で話をしてもいいだろうか?」
そう声を掛けてきたのは、昨日、ルイーズにリンゴをくれたカーティス公爵令息だった。
カーティスに会ったときに、「リンゴの礼を言え」と、エドワードは何度もルイーズから念を押されていた。それを思い出したエドワードは、彼女への罪悪感もあり大人しく従い、部屋の物陰へと移動した。
「昨日は、リンゴをありがとう」
ルイーズの中のエドワードは、部屋にリンゴがあって良かった、と心から思い夜を過ごした。
リンゴを素直に喜ぶ姿が胸にグッと刺さったカーティスは、フッと優しい笑顔を見せ意を決した。
「あれはただの快気祝いだから、わざわざ礼を言われるようなものじゃなくて、恥ずかしいな。次はもっとしっかりとしたものを贈りたいんだ。次の王家主催の舞踏会に、パートナーとして一緒に参加してくれないか? そのために、ちゃんとドレスも贈るから」
突然の申し出に目を見開いたエドワードは、間髪入れずに返答する。その反応は、いっときの躊躇いもない。
「はっ! 断る。いや、お断りします」
「どうして、もうパートナーが決まっているのかい? もしかして、エドワード?」
「はい? なんで、お、エドワードが、わたしなんかと。それはない」
カーティスは即行でルイーズに断られた。けれど、随分と曖昧な反応では、まだ諦める気にはないようだ。
「もし、気が変わったらすぐに声を掛けて」
そう言うと、既に90人近くの候補生が集まり、周囲がざわついていることに気付いたカーティスは、サッと立ち去った。
その一方。予想外の誘いを受け、エドワードは呆然とする。
(あいつがカーティスから贈られたドレスを着て舞踏会に行くって……。万が一のことがあれば、俺がカーティスのパートナーだ……、それは断固拒否だ。
この入れ替わりが戻ったとしても、あいつがカーティスのパートナーか……、それも却下だ。
俺が、危なっかしいあいつの相手をしてやっているんだ。それに気付かずに他の男と、あいつが呑気に過ごすのは、認めるわけにはいかない。断る権利くらいあるから問題はないだろう)
そう思っているエドワードは、ルイーズに早く会いたい一心で、訓練場の入り口を今か今かと見ていた。
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