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◆完結◆突然の変わり身「俺に惚れるな」と、言っていたのは誰ですか⁉ ~猫かぶり令嬢は、素性を隠した俺様令息に溺愛される~  作者: 瑞貴
1章 いがみ合うふたり

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1-14 招かれたお茶会①

ブックマーク登録ありがとうございます。

最後まで、よろしくお願いします。

 ルイーズは、先日、人助けをしていた。

 それは、騎士の訓練場の外で熱に当てられ、ぐったりする令嬢を助けたのだ。

 

 今日は、その日の礼だと言われ、ビリング侯爵夫人のお茶会に招かれることになった。

 ルイーズが助けたのは、ビリング侯爵家の令嬢、パトリシア。彼女は今年社交界デビューの予定だ。


 ルイーズの人生で、初めて他の令嬢との交流。

 それも、まさか、お茶会に招待される日が来るとは、思ってもいなかった。


「ルイーズ様、良かったわ来てくれて、待っていたのよ」

「ごめんなさい。私、場違いな服装で来てしまったみたいですね。ですが、お招きいただきありがとうございます」


 ルイーズは、パトリシアから「その日の礼だから」と、お茶会に強く誘われ、断れなかった。

 正直なところ困惑した。どう考えても、まともな服装がない。それに躊躇いを覚えた。

 だが、強く誘ったのはパトリシアだ。責められる筋合いはないと、開き直って今に至る。


「このお茶おいしいのよ、是非飲んでみて」

 とパトリシアから勧められたアールグレイ。

 その香りは、ルイーズにとっては、元婚約者と姉の行為を思い出し、体が全く受け付けずにいる。


「……とても、いい香りがする紅茶ですね」

(モーガンが好きだと言っていた紅茶と同じだ。試飲のときはおいしかったはずなのに、今は気持ち悪い……。だけど、パトリシア様に勧められて、嫌とは言えないわよね)


 そう思ったルイーズは、覚悟を決めて口に含んでみた。


 ……だが、まるで喉がそれを異物としてせき止め、飲み込めない。

 目をつむるルイーズは、勢いを付けてゴクッと飲み込んだ。

 取りあえず飲めたことで、この場を誤魔化せた。

 そのことに、ルイーズはホッとしたものの、パトリシアから、申し訳なさそうな顔を向けられる。


「もしかして、苦手だったかしら? 他のお茶に取り返させるわね」

「申し訳ありません、わたしには香りが強すぎたようです」

 苦笑いしつつも、ルイーズは上手く話を合わせられ、一息ついた。


 勧めたお茶を苦手だと言われても、憤慨しないパトリシアは、心優しい15歳の少女だった。



「ねえ、いつもルイーズ様はエドワード様と訓練されているでしょう。いいわよね」

「騎士の訓練が、ですか?」

 彼女は、驚いてパトリシアの質問を聞き返す。

 背が低く、まだ幼い少女のようなパトリシアが、騎士の訓練に興味を持つとは、到底思えない。


「エドワード様が、よ。とてもカッコいいでしょう。わたしの憧れなのよ。今日のお茶会に、我が家の父から直接、エドワード様に来て欲しいと頼んでいるの」

 パトリシアが、目をキラキラと輝かせながら話しており、ルイーズは理解が追い付かずギョッとする。


(ゲッ、あのエドワードのどこが良いんだろう! 人の悪口や罵ることしか言わないでしょう。可憐なパトリシア様には釣り合わないわよ。素敵なパトリシア様が、エドワードから酷いことを言われて泣かされるなんて、可哀想だわ。それに何より、訓練以外で彼と顔を合わせるなんて……。最悪だ、もーう勘弁してよね)


 内心ではそう思っていても、取りあえずは、大人の対応見せることに専念する。

 ただでさえ慣れない環境にいるのだ。今はとにかく気が抜けない。


 エドワードも、パトリシアにしても、自分より爵位が上の人間であると、ルイーズは思い起していた。


 エドワードとは、いつも距離が近すぎて、侯爵家の人間だとつい忘れがちになってしまう。


 

「そうだったのですか……。今日の訓練で、エドワードは何も言っていなかったから、知りませんでした」

「羨ましい、ルイーズ様はエドワード様のことをそんな風に呼んでいるのね」

「騎士の訓練期間中だけ、距離をなくした方が鍛錬をしやすいからと、許されているので」


 パトリシアとルイーズが会話をしているところへ、緊張した顔のエドワードが、頭をかきながらやって来た。


 エドワードは、ルイーズの姿を見て驚いた顔をしている。

 ルイーズにとっては、騎士服以外の正装したエドワードを初めて見た。

 だが、振られた自分を笑うほど、性格の悪いエドワードに、胸がときめくことはない。


 浮かれ立つよりむしろ、「こいつ本当に来たのか」と、じとーっと、無表情でエドワードに視線を送る。


 一方パトリシアは、エドワードの姿を見て頬を染めている。

 パトリシアは緊張のあまりうまく挨拶もできず、それにショックを受けているようにルイーズには見えていた。


 そのためだろうか、パトリシアは気分を変えると言って、自ら率先して彼の給仕のためにいなくなってしまった。


 パトリシアが席を外し、少しの間だけ2人きりになると、エドワードが直ぐに声を掛けてきた。


「ここでお前と会うとは思ってもいなかったが、いてくれて助かった。夫人と令嬢しかいない茶会に誘われて、断れずに困っていたんだ。俺以外に、もう1人男がいると分かって気が楽になった」


「はぁぁーっ、もしかしてわたしのことを、男に数えていないでしょうね? どっからどう見ても違うでしょう!」


 言い切るや否や、ルイーズは足を開き、パタパタとつぎはぎされたワンピースのスカートを振り、服装を見ろと言いたげに訴えている。


 何をぬけぬけと言っているんだと、放心状態で固まるエドワード。


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