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◆完結◆突然の変わり身「俺に惚れるな」と、言っていたのは誰ですか⁉ ~猫かぶり令嬢は、素性を隠した俺様令息に溺愛される~  作者: 瑞貴
1章 いがみ合うふたり

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1-13 姉の逆恨み

お読みいただきありがとうございます。最後まで、宜しくお願いします。

 ルイーズが屋敷に戻ると、目をつり上げ、腕を組むミラベルが、ルイーズの部屋の前で待ち構えていた。

 何も知らずに部屋へ向かったルイーズは、ミラベルと目が合った。その瞬間、足音を立てながら近づくミラベルに、わけも分からないまま部屋へ引きずり込まれる。


「ちょっと、あなたが勝手にわたしの部屋に入ってきたせいで、とんでもないことになっているでしょう」


 真っ赤になって怒るミラベルが、怒鳴り散らす。


 ミラベルは相当に怒っているが、ルイーズには責められる理由が見つからない。何も言わず、ただ姉を見つめることにした。


「どうして、わたしがモーガンなんかと結婚しなきゃならないのよ。あなたが勝手に、あのタイミングで入ってきたせいよ」


「知らない……。何でわたしのせいなの……?」

 怯えるルイーズは、首を傾げて問い返す。


「モーガンが、あのときの責任を取るって言いだして、困ってるんだから」



 ミラベルは、ルイーズがモーガンにチヤホヤされているのが気に食わずに、妹の婚約者を誘惑しただけだった。


 ルイーズに一泡吹かせる計画であり、あわよくば、モーガンの浮気を知ったルイーズが、喧嘩別れに発展すれば、しめたものだ。



 ミラベルとモーガンの暗黙の約束。それを、ルイーズが紅茶の缶を落とした衝撃で守られず、予定外の事態に陥った。


 妊娠の可能性が残るミラベルは、今のところモーガンの申し出を無かったことにできず、当たり散らすしかなかった。


 結婚適齢期に婚約者がいない姉は、気が立っていた。

 何故なら、甲斐性なしのフォスター伯爵は、縁談をまとめる様子は少しもない。

 その挙句、自分が夜会で知り合う貴公子とも、一向に恋へ進展しないのだ。


 だが、ミラベルがいくらきっかけを作ったところで、良家の貴公子を狙っていれば、読み書きができないミラベルは、女主人の仕事も務まらない。どうやっても結婚相手には、対象外だ。


 ミラベルが高望みするから婚約者が決まらないのだが、そのことに全く気付く気配はない。

 

 その上、しめしめとルイーズを笑うつもりでいたのに、モーガンに裏切られた後も、全く傷ついた顔を見せない。

 それがまた、ミラベルの心境を逆なでした。


 ルイーズは、姉の言葉の意味が分からず、きょとんとしていた。

 だが、それを分かっていないルイーズは、余計な確認をしてしまう。


「お姉様は、モーガンが好きなんでしょう。どうして困っているのかしら?」


「はぁっ。あんたの、そういう馬鹿にした言葉がしゃくに障るの。ホイットマン子爵家の3男なんかじゃ、どうやって暮らせって言うのよ」

「だから、それでも良いと思って、モーガンと愛し合っていたのでしょう?」


「あー、うっざ。あんたと違って、子どもじゃないの。あんなのは遊びよ。モーガンだってそう。なのに、あんたのせいよ!」

 姉の嫌がらせが、今回はうまくいかずにイライラしている。


(ん? 遊びって意味が分からないけど、好きな人以外と、そんなことしないでしょう……)


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