01,プロローグ
私の1番古い記憶は、コロシアムで優勝した時だ。
対戦相手に勝った私を見て観客達が喜んだり、悔しがったりしていた。対戦相手に対して心配している奴は1人もいなかったことを覚えている。
その光景を見る私の感情は、虚しさ、しかなかった。
コロシアムでは人と人を戦わせて、勝ち負けを決める。それを見て観客達は賭けをしている。人々にとってそれは娯楽であり、私たちにとっては地獄だった。
また試合で負けた者は、再強化、と言う名の拷問にあう。最悪死んだ者もいた。
そんな地獄の中優勝した私もまた、次の試合でも優勝しないと拷問だと主人に言われた。
そんな地獄もある日突然終わりを告げた。
軍が違法に行われるコロシアムの摘発を行なったのだ。
地獄から救われ、私は軍に保護された。
軍人として働くように言われた。
コロシアムの優勝者だからという理由で。
私はコロシアムの外の世界を知らなかった。
外は楽園だと思っていた。
現実はそんなに甘くなかった。
外の世界はコロシアムと比べものにならないくらいクソみたいな世界だった。
男尊女卑の世界。
"地球"の男たちにとって女の存在は、家畜のようなものだった。