61・模擬戦と言う名の反省会
前回のあらすじ
巫女の「伝言」は、もしかしたら確実に当たる予知の様なものであると“盲目さん”のスキル『予見の目』と共に明かした。
突拍子もない話を飲み込んでくれたマルティナとミストリア。何とか話を纏められた僕はもう疲労困憊だった。自宅に戻って夕食を一通り食べ終え部屋に戻ると、着替えもせずベットに倒れ込んだ。
今日の出来事を反芻して今後に活かすべく考えを巡らせるが、疲労の仕業か夢心地ちな脳内は、いつの間にやら僕を無意識の世界へと誘っていた。
普段なら窓から差し込む日の暖かさと体内時計で目覚めるのだけど、今朝は誰かが僕を揺さぶる感覚で目を覚ました。やっぱり疲れが残ってるのだろうか。
「おにーちゃん おきてー もうごはんできるってー」
「おはよう ソフィリア 盲目さん」
『おはよー』
「もしかしなくても 寝坊しちゃったかな?」
耳を澄ますと台所から家事に勤しむ生活音が扉越しに聞こえてくる。僕は手早く着替えて台所へと続く扉を開けると、丁度隣の部屋から起きてきたマルティナとミストリアの2人と出会した。
「2人ともおはよう」
『はよ~』
「おはようアネット」
『おはー』
『はー』
〔・・・・・・・・〕
流石の2人も疲れが抜けてないのかちょっとダルそうだ。話を聞く限り激闘は僕達側だけではなかったので、2人にとっても強敵との戦いは初めてだった筈。気疲れしてても仕方がない。
なので食卓を囲みいざ朝食の段となった時、僕は2人にある提案を持ち掛けた。
「今日の予定なんだけどさ 良かったらギルドの訓練所で鍛練しない?」
「奇遇ね 私も今それを言おうとしてたの」
正直付け焼き刃の訓練で成長するとも思えないけど、あの喋るモンスターの存在を知ってしまっては今の自分が全然足りていない事を自覚させられる。これが焦りなのは分かるけど、誰かと剣を交える事で自分は戦える事を確認せずにはいられなかった。
朝食後はまたいつものようにソフィリアを連れてギルドへと赴く。ソフィリアを託児所に預けると掲示板を通り越して訓練所の敷居を跨いだ。
するとそこにはルミウスパーティーの面々が既に戦闘を繰り広げている。どうやら考えてる事は一緒らしい。
「おっ・・ はっは~ やっぱり来たか」
「みたいだね どう? 皆で合同練習って事で」
「良いね~ 実は前からお前とは戦ってみたかったんだ」
「あっ 私も私もー!」
「反省会ってやつだな」
昨日の体験をした者通し想いは同じか、示し合わせた訳でもなく、僕達は成るべくして一堂に会した訳だ。
だがその前に昨日新しく覚えたスキル『アイ・アンノウン』について“盲目さん”から正しく説明を受けなければならない。僕は密かにやる気を出している“盲目さん”にスキルのレクチャーをお願いする事にした。
『アイ・アンノウンは目に見えている物を分からなくさせちゃうスキルなの~』
「そのスキルは何度も連続して使えたりする?」
『ん~ 大きな入れ物に水が入ってるとして 一気に水を注ぐと入れ直すのに時間が掛かるよ でも少しづつ注げば何回も水を注げるよ?』
「つまり程度の調整は出来るけど 使える残量は決まってて 補充には時間が掛かるって事?」
『多分~?』
成る程、任意に調節出来るのであれば、スキルを使用した事を相手に悟らせない使い方、違和感を与える程度にとどめる事もできる訳だ。性能をきちんと把握できれば戦略の幅は広がるかもしれない。
「ねぇ盲目さん 昨日戦った相手にはどの程度の力を使ったの?」
『む~ ほぼ全力~』
「そうなんだ でもあの相手の動きを封じる事はできた訳だよね ちなみにどういう風に分からなくさせたの?」
『ん~ 例えば 地面とか壁とか 後はアネットの動きとか~?』
「それが・・・どう言う感覚になるのか想像できないけど 大体あんな感じになっちゃうのか・・・」
想像してみる。僕の立場に置き換えると、相手の武器の音が僕の耳元でいきなり聞こえる・・・一瞬の事に体が硬直して僕では避ける事もままならないだろう。
「アイ・アンノウン もしかしなくとも 結構凄いスキルなのでは・・・」
『えへへ~♪』
このスキルは間違い無く発想や柔軟性で真価を発揮する代物だ。正しく使い所を誤らなければ長時間の運用も可能だろう。それができれば足らない僕の弱点を上手くカバーしてくれる可能性も望める。
是非ともこの練習試合でコツを掴みたいものだ。
「で どうするか 個人戦かチーム戦か 人数も丁度良いし チーム戦でいくか?」
「いいよー」
「僕もそれで構わない─────」
「お待ちなさい! その戦い 私も参加させていただきますわっ!」
話が纏まりかけたところに、訓練所全体に響き渡る程の凛とした声が僕の声を掻き消した。就寝中に発せられたなら何事かと飛び起きそうな程の声量の持ち主は、意気揚々と僕達の方に歩いてくる。
「ちょ・・・ ちょっと待って ここは関係者以外立ち入り禁止って 言ってるじゃないですかー!」
訓練所入り口からは焦った様子のポリアンナさんが意に介する様子も無い彼女・・・ ナディラスさんを追って駆けてくる。
「あらミスティー 偶然ですわね 朝のお散歩に出掛けたら まさかこんな所で皆さんとお会いするとは思ってもみませんでしたわ」
こんな場所までズケズケ上がり込んで偶然も何も無いものだが、少々上がった息遣いからここまで走ってきたに違いない。素直に友達に会いに来たと言えない辺り不器用な性格なのかも。
それにしてもここまで堂々としているとは大した行動力だ。その熱い感情を向けられたミストリアは逆に朝から参ってしまった様子だ。
「ちょっと! 貴女! 聞いてるの!?」
「私は昨日 此方の方々と共に窮地を脱した仲 言うなれば戦友ですわ であるなら私は立派な関係者 仲間の元へ参ずるのに何の弊害がございましょう?」
「いえ そう言う事を言ってるんじゃ・・・」
「あの ポリアンナさん 此方の女性・・ ナディラスさんは 昨日僕達の仕事で護衛の対象となった学園の生徒さんなんです それに彼女・・・ 多分絶対に引き下がらないと思うので・・」
「えぇ~・・・ はぁ 仕方ないわねぇ・・」
訓練所に来るまでにも何かやり取りがあったのか、ポリアンナさんは「任せるわ」と僕の肩を叩いて、疲れた様子でおずおずとこの場を去っていった。
「さぁ邪魔者もいなくなった事です 昨日の友は今日の敵! ここは自分以外全て敵の 乱戦を所望しますわ!」
「成る程バトルロイヤルか まぁ冒険者なら いつかは経験する事になるかもしれないしな」
「それ面白そうー!」
「経験が糧になるなら 俺に異存はない」
途中から紛れ込んで完全にペースを持っていった彼女だが、生来戦い好きなのか中々面白い案を出す。僕達だけなら個人戦かチーム戦の2択しかなかった。
「フッフッフ 腕が鳴りますわっ」
『やるぞー!』
しかしその意識は明らかミストリアに向けられている。もう完全にミストリア狙いだろう。長年の決着でもつけたいのかウズウズしている。
そんな苛烈な彼女とは対照的にミストリアは氷のように冷ややかだった。この2人は一体どう言う関係だ?
一方その2人を除いた全員が何故か僕を意識している。これも一体どう言う事態だ・・・
「始めっ!」
誰かの合図で模擬戦が始まると、開始早々ナディラスさんはギルドでも放火するつもりか火魔法を辺り構わずぶっぱなしてきた。
「炎の雨粒よ 大地を湿らすように燦然と輝く火種を撒き散らせ! フレイムレイン! オーッホッホッホッホ!」
『ヒャッホー!』
スキルさん共々幸せそうで何よりだが、そこは戦闘経験のある冒険者各位。彼女の無茶苦茶な攻撃にも的確に躱していく。飛んでくる速度も決して速いものではないし、暖かい温度が徐々に近付いてくるのを肌で感じるので、僕でも魔法に対処できた。
程よく場が暖まると僕に向けられていた意識は霧散し、各々近間にいた人同士の戦闘が開始された。その中で僕に向かって最初に攻撃を仕掛けてきたのはルミウスだ。
彼は走ってくる勢いそのままに剣を振り下ろしてくる。力任せにぶった斬ってくる気満々だ。僕への対処はそれが正解でもあり間違いでもある。
踏み込む音から察するに全力の一撃。振り上げた剣からの軌道の変化は無い。ここぞとばかりに振り下ろすタイミングで僕は剣を突き出した。
「くっ!」
タイミングを狂わされたルミウスは一瞬驚嘆したが直ぐに持ち直しその場を退いた。どうやらこの一撃で力に物言わせた戦い方が通用しないと思ったんだろう。有り難いです。
次は僕から仕掛けてみる。「カッカッ」木剣の当たる音がする。ルミウスはちゃんと僕の攻撃を防いでいるようだ。しかし彼からの反撃は無い。それもその筈。極力相手の嫌がる位置に打ち込む事で防戦一方に持ち込む狙いだ。
自分の小柄な体格を活かし懐に飛び込んで、相手の間合いを潰す。それにより攻撃の手を封じ、よしんば反撃に転じられても最大威力に到達する前に防ぐのを目指す。
超接近戦こそ攻防一体の僕の間合いと言う訳だ。それが型にはまりルミウスは両の手で持った長剣の長所を活かせない、されるがままの状態が続いた。
「ルミウス! アネットに付き合っちゃダメ! 力ずくで押しきって!」
遠くでマルティナの声が響いた。まったく何て事を言ってくれるのだろう。
「おぅ!」
ルミウスは僕の攻撃を防いだ剣をそのまま力任せに押し返してきた。元々体格差と体重差がある為、真正面から受けると簡単に押し戻されてしまう。
更に此方の攻撃を防ぐ瞬間、間合いうんぬん関係なく僕の剣目掛けて打ち込んでくるので、その衝撃が腕に伝わって少しずつダメージが蓄積されて手が痛い。
お陰で僕は自分の間合いに入り辛くなった。全くもってマルティナのアドバイスは正鵠を射ている。ルミウスに力負けし徐々に後退させられた僕の耳に「ボボボッ」っと、火の燃焼する音が近付いてきた。
だがその音は此方に飛んで来る様子がない。まるで何かを燃焼し続けているようにその場で静止している。ナディラスさんの新たな魔法だろうか。
厄介な事にまばらに炎が散りばめられており、行き場を限定されてしまう。こう言う状況もある・・・と思えばこれもこれでプラスの経験だが迷惑極まりない。得にギルドが。
時折「ジュウゥゥ」と水が蒸発する音が聞こえると、その都度ナディラスさんの狂喜した声が訓練所に木霊した。何だろうこの状況。どうやら火の対処はミストリアが当たってくれてるらしい。
しかしこういう状況だからこそ『アイ・アンノウン』を試すに丁度良い条件だ。
「盲目さん!」
『おー』
まずスキルで僕の姿の認識を薄くする。次に剣で攻撃してみると、明らかに先程と比べてルミウスの動きは悪くなっていた。
正確に言うと反応が遅くなっている感じか、速度の変わらない僕の攻撃に対して対応が遅れがちだ。ルミウスの心に焦る感情が次第に広がっていった。
僕はそのまま追い詰める事はせず、設置された火を利用してこの場から離れる事にした。
ルミウスからある程度距離をおき一息つくと、後から「ダッ!」と1つ地を蹴る音がした。次の一歩が聞こえない事から察するに、それは駆けるのではなく跳躍。そう判断し僕は横へと跳んだ。
その間先の短い刃物が空を切る音が僕の耳元を掠めると、比較的軽い物体が着地する音がした。その正体はリッタだろう。
彼女のスキルさんは“短剣さん”武器を最大限活かす事ができるスキルさんだ。ちなみに“戦士さん”は己の肉体強化に秀でたスキルさんである。
「次は私だよー」
その違いが明確に出る様に彼女はそれぞれ両方の手にナイフを装備して、ルミウスとは対照的に流れに乗ってナイフを振るってくる。
以前不器用だから職人の道を親方に見限られたと言っていたが、その背景を払拭する様な見事な連続攻撃を繰り出してくる。
動き自体は読みやすいものの、やはり二刀と言う事で手数が僕を追い詰める。
どうやらこの正確な攻撃から『アイ・アンノウン』の性能は、僕を中心とした不特定多数に作用するものではなく、特定の相手にのみ効力を発揮するスキルである事が証明された。
リッタは力任せに攻めたりしない。攻撃自体も全力で振るってる訳ではないので連撃が止まらない。これは僕にとっても良い練習になるが、他のスキルの性能もテストしたい。
と言う事で。
『ダークビジョン~』
「へ?・・え え? ちょ! 何も見えないんだけど!? ねぇ! ちょっとー!」
「ようこそ 僕の世界へ」
すかさず大きく一歩を踏み出して思いきり・・・リッタの近く、地面を足で踏みつけ大きな音をたてた。
ダン!
「わっ! わっ!」
「リッタ 周りに火が設置されてるから そこから動かない方がいいよ」
音にビックリしたリッタはその場でナイフ(木製)を振り回しあたふたし始めた。きりも良いので彼女を残し距離をとる。
「ふん!」
そこにエデルが踏み込んできた。「ブンッ」と下ろされた武器は音の具合から大剣であると推測される。
彼の戦い方は自分の体重と武器の重さを軸とした回転を入れ、遠心力を利用して重い武器を振り回す戦法だ。
更に踏み込んだ際の重い足音から“戦士さん”の何らかのスキルで自己強化をしていると見られる。僕が普通に人と相対している時と音の迫力が違う。
懐に入りたいところだが、彼自身が回転されると中距離も近距離もあまり関係ない。きっとそれを踏まえた上での武器の選択、戦い方を模索したのだろう。堂に入るとはこの事かもしれない。
いくら木剣とは言え重い武器だ、直撃をくらえば骨を持っていかれる可能性もある。例え剣で防いだとしてその衝撃や如何なるものか。僕くらいなら吹っ飛ばされてしまうのでは・・・こうなると躱す以外の選択肢が無い。
どうするかと考えを巡らせていると背後から地を踏む足音がした。2対1はまずい。それを避ける為に僕は後方の相手へと剣を振るった。
『ブロック~』
『ク~』
この2つの声は“戦士さん”と“盾さん”つまり相手はマルティナか。
エデルとマルティナ。意図せずこの状況になったのだろうが、どうやら2人とも僕を強く意識しているらしい。2対1は避けられないか・・・
しかしこれは乱戦。対モンスターを想定するなら寧ろこの状況こそ1番現実的な戦場の形と言える。
つまり今必要なのは、ど根性でも不屈の精神であってもこの状況を打破する力。さてどうするか・・・ 僕は気取られぬ様に周囲を見渡し案をめぐらせた。
「やぁぁ!」
そこにマルティナが突っ込んでくる。それをいなすと次いでエデルが武器を振ってきた。しかしエデルの場合攻撃に回転が加わる為、どうしてもワンテンポ遅れるので躱すこと事態はさ程難しくはない。
しかしそこはマルティナも考えている。常にエデルとの対角線を意識し僕を逃がさない算段だ。先程ルミウスにアドバイスした様に、力で僕を押さえ込む覚悟を決めた攻撃は中々に厄介。
連携と言うよりかはエデルの重い一撃を利用し、自分はそれに攻撃を合わせて包囲網を維持する。即席とは言え良くまぁ合わせられるものだ・・・いや? それは逆に凄い事なのでは・・・
とは言え術中にはまりっぱなしと言う訳にもいかない。僕はこの硬直状態から脱け出す為、今し方閃いた作戦を実行に移す事にした。
『プチダ~ク』
自分を起点に闇の靄を展開する。闇は瞬く間に広がり2人を呑み込んだ。彼等の視界が暗闇に包まれている内に僕はその場を離脱する。
「うおっ! これはあの時のっ・・」
「大丈夫! 害は無いわ! それよりも速くここから脱出しましょう! 暗闇はアネットの独壇場よ!」
「了解だ!」
2人は声を掛け合い靄から走り出てきた。そこにすかさず『プチダーク』を放出する。しかし流石に2度目は慣れたのか、うっすらと映る僕のシルエットを見逃さなかった。
マルティナは逃すまいとすかさず僕を追う。更に彼女を追う様にエデルが続く。
薄暗い靄の中で暫く鬼ごっこを続け、2人の距離がひらくのを確認してマルティナを迎え撃った。彼女の剣を防ぎつつ来るべきタイミングを待つ。
時がきたその瞬間。僕はマルティナの足元に『プチダーク』を放った。
「もらったーー!」
「えっ!?」
『ブロックー!』
『クー!』
「何っ!?」
「ちょ! エデル!?」
狙い通り薄い暗がりの中で濃い靄を発生させた箇所こそ僕の位置と思ったエデルが上手い事マルティナに攻撃を加えてくれた。両者困惑しているこの瞬間。その隙を突くべく僕は迅速に行動を開始した。
と言ってもこの闇の中、後は美味しくいただくのみである。
バシャッ!・・・・
「え?」
僕の姿を見失ってる2人に一撃を入れようと踏み出した足は地面の水溜まりを踏んだ。その途端、水は畝って僕の体を這い上がり蛇の様に巻き付いてきたのだ。
「うわぁぁぁ!」
『アネット~!』
初めての体験だ。太いロープの様に絡み付くクセに振り解こうにもそれは水で、いくらバシャバシャと抗っても払えない。しかし水圧とでも言うのか、それは確実に僕の自由を奪っていった。
結果。完全に身動きがとれなくなった僕は渋々剣を手放しかなかった。前々から思っていたが僕と水の相性はこの上無く悪い。
その後。
どうなったかと言うと、魔法系のミストリアとナディラスさんが最後まで残ったが、2人の決着を見る事は無かった。
延々と勝負がつかない程の激闘があったのではなく、途中で駆け付けたギルド職員によって止められたと言うのが正しい。きっと誰かが通報したのだろう。
やたらめたらと火をばら撒いたナディラスさん。その火を水で消して水満たしにしたミストリア。
目は見えずとも皆の訓練所が僕達のせいで、とんだ惨状になってしまったのが職員の怒号から容易に想像できた。こってり絞られはしたものの、一息ついた僕達は今の模擬戦の反省会をする事にした。もっとも例の2人には別の意味でも反省してもらいたいのだけど我関せずだ。
「てゆーかさー ダークビジョン ってやつ? あれ反則だからっ! もー 真っ暗でなーんにも見えないんだよ!」
「それを言うなら プチダーク と言うスキルも中々にくせ者だぞ タイミングを見て撒かれたら戸惑うし 姿を見失う
いつ攻撃されるか分からないと思うと 結局その範囲内から出る以外に手立てが見つからないからな」
「結局人間って 如何に目に頼って生きてるかって事よね」
「実は俺 自分の部屋で目を瞑って生活してみたんだけどさ 机の角に小指ぶつけた」
「うわぁ・・・」
それから僕達は互いの長所短所を言い合い、実戦を通す事で濃密な時間を過ごした。やはり語り合え刺激し合える仲間が居ると言うのは色々な意味で良い。
何よりも同じ時間を共有できる事が嬉しくて前向きな感情にもさせてくれる。
しかし・・・
そんな楽しい一時も、心無い感情で無に帰す事となった。訓練所入り口からぞろぞろと数人の人間が入ってくるが、その心はとても悪意に満ちている。




