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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

壊れ始めたポエムシリーズ

弾ける

暖色の光に包まれた道が、何本もある

ふと目が止まった夜店で、りんご飴を買う

夜店のおじさんが、サービスで大きく作る

私の口には、大きすぎる

何枚かの硬貨を差し出す

ありがたくもらう

めいっぱい口を開く

口の中で、りんご飴が弾ける


食べかけのりんご飴を片手に、再び夜店を回っていて

道が、ちょっと混んでいて

私は、人混みの中誰かにぶつかって

相手は、尻餅をついていて

相手は、私と同世代の女の子で

女の子が持っていたりんご飴は、地面に落ちていて

女の子は、なんだか涙目で

申し訳なくて

私は、戸惑いながら自分のりんご飴を差し出して

女の子は、頬をほころばせて

女の子の口の中で、りんご飴が弾けて


それから、女の子は私についてきた

どうやら、私に懐いてしまった

不審者にも簡単についていってしまうんじゃないかと、心配になった

花火大会の席にまで、ついてきた

女の子が、なにか言ってきた

花火の音と歓声で、全く聞こえなかった

私は耳に手を添えて聞き返すジェスチャーをした

女の子は、スマホを浴衣の中から取り出した

なにかを打ち始めた

女の子が見せた画面には、好きです、とだけ表示されていた

同じ方法で、女の子同士だし、と断った

今度は、それでも好きです、と伝えられた

困っていると、さっきあげたりんご飴を無理やりくわえさせられた

どうですか、と訊かれた

少し迷って、おいしい、と伝えた


花火が、弾ける

りんご飴が、弾ける

恋が、弾ける

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