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5話

 あれから明け方までしゃべり続けていた。

 なんだかんだ言ってオレも寂しかったらしく、日本での生活を話していたら止まらなくなった。

 両親と妹それにペットの猫と暮らしていること、学校の友達はいないがまあまあ楽しく通っていること、趣味としてイラストを描いていること、最近は料理も楽しくなってきて趣味に加えようしてること、他にも色々喋った。

 それを彼女は楽しげに聞いているので、こっちまで楽しくなりついついそんな時間まで喋ってしまい、最後には寝落ちしていた。


「ほら目を覚まして、あんな時間まで喋らせてたのは悪かったけどそろそろ起きてお昼よ、このまま寝てたら何もしないまま夜になっちゃうわよ」

「わかってるよ・・・起きるよ。ふあぁ~・・・おはよう」

「おはよう、さぁ顔を洗って眠気を飛ばしてご飯にしましょう」


 言われた通りに顔を洗って口を濯いでから水を飲み眠気を飛ばす。

 目が覚めたのでご飯の準備っと言っても昨日と同じものだが。


「今日の予定は契約と食料の確保だけど他にすることってあるか」

「そうね、契約してから貴方のステータスを確認して、剣術を使えるように訓練かしらね」

「街は目指さないのか?」

「目指すために訓練するのよ、この城の周りには魔除けの結界が張られているから魔物に襲われないけど、森の奥に行ったら確実に出てきて襲われるわ。今のままじゃ逃げれもしないでしょ?だから最低限逃げるか追い払うか出来るようにならないとね」


 ファンタジー世界のくせにモンスターが出てこないのはそういう理由があったからなのか。


「りょーかい。でも訓練はお手柔らかにお願いします」

「基礎から始めるからそんな厳しくならないわよ」


 クスクス笑いながらそう言った。




 ご飯も食べ終わり食器や口を洗ったり生理現象やら色々終えて、いざ契約の時間である。しかし、少し確認したいことがあるのでちょった質問。


「契約の前に聞きたいことがある、桔梗って花こっちでもあるのか?」

「キキョウ?いえ、聞いたことないわね。それが新しい私の名前なの?」

「ああ、そうしようと思ってる。オレが小さいころ婆ちゃんが家で大切に育てていたから、家のこと想い出すんだよね。それに花言葉が清楚とか誠実だったはず。お前にはこれから数えきれないぐらい世話になるから誠実に付き合っていこう思って、この名前にしようと思うんだけど、どう?」

「ええ、それがいいわ!最初は帰るって意味でキキョウかと思ったけど、そんなに私のことを思ってくれるって意味なら断る理由はないわ」


 よかった気に入ってくれて。・・・まぁ帰郷って意味も三割ぐらい入っているけど。


「よ、よかった気に入ってくれて。それじゃあ、契約しますか」

「ええ、早速しましょう。それでは、ちょっと指を切って血を出したら鍔の中心にある宝石部分に付けて名前を言ってちょだい。」


 言われるままに、ちょっと指を切って血を出し、宝石に血を付ける。


「キキョウ」

「私にキキョウと名を付けた新たなマスター賀川健太郎に生涯に渡り忠義を尽くす、私はマスターの剣となり切りたい物を切り敵から身を守り誠実に尽くす事を約束する、ここに契約は完了した」


 重々しくそれでいて真剣な声で彼女、キキョウはそう言い放った。

 そのとき体の中で何かが引っ張られ動き繋がる感覚がした、その繋がって感じたものは暖かく優しくしかし寂しげであった。


「これで完了よ。どう、何か可怪しいところはある?」

「いや、可怪しいところは無いよ。だけど、暖かいものと繋がっているって感覚はある」

「よかった。随分と久しぶりだから、ちょっと不安だったのよ。でもそういう風に言われると照れるわね」


 恥ずかしがってそう言っている。

 ・・・何故かエロい方面で聞こえるような気がするが、気にせずに他に気になったことを聞く。


「この繋がるときに動いたよくわからないものが魔力なのか?」

「ええ、そうよ。だからその感覚を忘れないでね。それじゃあ、貴方のステータスを確認していきましょう」


 その言葉でようやく自分のステータスが見れるのかと思うとすこし興奮する。

 もしかしたら、魔力とかがチート級なんじゃないかとか、スキルにレアスキルがあるんじゃないかと、期待してしまうのはしょうがないよね。


「よし、やろう」

「やり方は、さっきの感覚を思い出して魔力を目に集めてステータスって言うだけなんだけど、できる?」


 言われたとおりさっきの感覚を思い出し魔力を操作しようと試みる。


「・・・だめだ、魔力があるのはわかるけど動かせない」


 ダメだった魔力を感じることはできるけど操作ができない、動かし方がわからない、さっきはキキョウに引っ張られたから動いたんだろう。


「大丈夫よ、初めてはそんなものだし、魔力があるのを感じることができない人もいるから。今回は私が動かして見せてあげわね」

「よろしく頼むよ」


 さっきと同じように魔力が引っ張られて動く感じがする。


「いくわよ、『ステータス』」


 そう言うと目の前にウィンドウのような物が出てきた。


「うおッ」


 びっくりして少し仰け反ってしまう。


「これが貴方のステータスよ、確認してみて」


____________________________________


 カガワ ケンタロウ   LV1

 迷い子

 職業 ***

 

 力   F     耐久    F

 速さ  F     器用さ   E

 魔力  E     幸運    D


 スキル

 健康 B  料理 D  探索 E  


____________________________________



 ゲームとかで見たことあるようなステータス画面だな。


「だいたいわかるけどEとかFとかってなんだ?」

「だいたいの強さをランク分けしたものよ、FからEDBASと上がっていって、Fが一般人ぐらいの強さでSが国を救う英雄ぐらいってとこね」


 随分と大雑把に分かれてるな、6段階でしか表せないのか、数字になったらわかりやすいのにな。


「なるほど、もう一つ健康ってスキルはなんだ?」

「あら、随分と珍しいスキルを持ってるのね。健康はどんな病気や状態異常にかかろうと健康に治すスキルよ。一度掛かってから健康に治すスキルだから状態異常無効や病気無効の下位互換ね」


 あ~だからこっちに来てから、腹が痛くなってもすぐ治ったのはストレスじゃなくてこのスキルのおかげだということか。

 これからのことがあるからステータスを全部キキョウに教えておく


「それじゃあ、ステータスもわかったことだから、これからの訓練について話しましょうか」

「そうだな、まずは何をすればいいんだ?」

「まずは基礎鍛錬から始めるわ。剣を振って、休んで、走るこれを繰り返していくの。ちゃんと指示して変な癖が付かないようにしっかり指摘してあげるわ。他にもこの世界のことを知っている限り教えてあげる、まぁ時代遅れかもしれないけどね。フフフフ、一から鍛えるなんてしたことがないからとても楽しみだわ」

「・・・お手柔らかに頼むよ」


 ・・・訓練中に死なないだろうな

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