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2話

 

「うわぁあああぁぁあああん!うあああああぁぁん!やっと人に、人に会えだ~うあああぁぁん!!!」

「わかったから、わかったから、泣き止め、な?、泣き止んで下さい。」

「だっで~!だっで~!ざびじがっだがら~!」


 なんでこんなことになったのか。それは城の探索三日目でもう諦めて森に入ろうと思っていた時だった。


_________________________________



 城を探索して三日目、これまでの成果は、日干しした布を外套代わりにしたのと、硬貨数枚、革の袋のみという絶望的な成果である。

 食べ物が出ないことはわかっていたけど、剣とか槍とか短剣とか、せめて包丁でも出てくれれば森に入ってから役に立つと思っていたけど、なかった。

 詳しく調べたけど、ほんとに何も残ってない、王室とか位の高い人の部屋はベッドとかそこかしろが何かで切られたみたいにズタズタになってるし、図書館は燃やされたようで炭やら燃えカスしかない、武器庫はどの部屋だかわからないくらい何もない、宝物庫はこれからだけどこの調子じゃ何も無いだろうな。

 隠し通路はゲームみたいに壁の何処かがスイッチになってるんじゃないかと色々いじってたら呆気無く見つかった、こんな簡単に見つかっていいのかと思うほど次々に。

 けど全て途中で天井が崩れてたり、水が溜まっていたりと途切れていて通ることが出来なかった。あと森の向こう側に街があると思う、多分、遠くてよく見えないがそれっぽいのが見えた。

 この城では何が有ったんだろね、書物は燃やされているし国旗はズタズタ、そこかしろにシミがあるでも死体っていうか骨は落ちていない。

 攻め落とされたのだったら、こんな頑丈そうな城を利用しないのはおかしいしな。まぁ考えても仕方ないか。


 宝物庫は案の定何もなかった、隠し通路もあったけどこちらも同じく潰れて通れない。

 ここについて何もわからなかったし、ほとんど何も見つからなかったけど、これ以上ここにいても水しかないから餓死して死んでしまうので、予定通り森を目指しますか。


 ん?

 城を出て気づいたけどゲームとかだと、城の外側になにか隠してあることがあるよな。

 腹が減ったから森で食べ物を早く見つけたいけど、一度気にすると気になってしょうがない。

 例えるとゲームとかで分かれ道で正解を選んだけどもう片方が気になって戻るみたいなそんな感じ、ん~しょうがない城の周りを探索してから森にはいろう。


 こういった外での隠し通路は地面にあるのが相場だよね。

 だから、そのへんに落ちてた木の棒で地面をガスガス突っつきなら歩きまわる。

 しかしこの城は不思議だよな、城だけ有って城壁とか城下町とかが無いんだもんな、森のなかに円状の空間が有ってその中にぽつんと城がある、そんな感じだ。

 そんなことを考えながら歩いて行く、まぁそう簡単に見つからいと思 ガツン ・・・見つかっちゃったよ。

 なんだよこの城!なんでこうも隠し通路やら階段やらがポンポン見つかるんだよ!こんなすぐ見つかるから潰されんだよ!…ふぅ、落ち着け見つかったんだから良しとしよう。

 隠してあった扉は金属製でその上に周りとおんなじ地面がある、上に乗っている土や雑草を退けて扉の状態を確認しなきゃいけない、錆びてたり歪んだりしていると開かないからな、それにこの扉を一人で開けられるのかっていう問題もある。

 どうやら、歪んだり錆びたりは無いようで、扉もほんとに金属製なのかというくらいに軽く開いた。

 中は螺旋状の階段があり壁に付いたランタンが光を放っている。

 今回は当たりかもしれない、今まではランタンすら無くなっていたから期待が膨らんでドキドキしてくる。

 なんで光っているかわからないランタンを一つ取り外し自分の足元を照らしながら下っていく。

 不思議なランタンだな、光る球体が真ん中で漂っていて、光の向きや強弱も思っただけで変えられる。

 こっちに来てからの初めての不思議アイテムだ、今までに手に入ったのがボロ布と革袋だっただけにすごい嬉しい。

 そんな浮かれ気味で階段を下って行くと、大きな部屋に出た。

 その大部屋は百人二百人は楽に入れるぐらい広く、端の方に樽や木箱、麻袋などが綺麗に積まれている。


「広い部屋だな・・・体育館よりも広いんじゃないか?荷物とかも綺麗に残っているし、これは欲しかったものが残っているかもしない。靴とか服とか刃物とか靴とか靴とか!」


 希望なんてなかった。

 積んであった荷物の中身は食料だったようで、今や腐って腐葉土みたいにほぼ土とかしていた。なにか使えるものが残っていると思っていたから、何も無いという現状に苛々して。


「あーもう!ちくしょう!!」


 大声を出した。少しでもこの苛立ちを発散させるために、もう駄目だもうどうしようもないという気持ちを抑えるために、とにかく声をだしたかった。


「だれ・・・こに・・・・・・・・・すか!」

「!、誰かいるんですか!何処にいる!」


 何故か声が聞こえてきて、反射的に返事ををした。


「こ・・います!」


 声のする方に急いで近づいていくが、そこには壁しか無い。

 まさか、こんな現状だからストレスで幻聴でも聞こえて来たんだろうかと、若干不安になったが返事をする。


「ここに誰か居るんですか!」

「居ます!ここは隠し部屋になっているので、壁の何処かにスイッチが有るはずです!早く開けて下さい!」

「待ってろ!今開ける!」


 扉を開けるために石壁のブロック一つ一つ探りながら。

 なんで、何十年もの間放置されていたこの城で声を出すことが出来るものがいるのか、どうして隠し部屋に閉じ込められているのか、もしかしたらモンスターじゃないかとか、色々考えが浮かんだけど、そんなことはどうでもいい。

 こっちに来てから数日感の生活は現代日本に住んでいたオレにとってはとても辛いものだった。

 昼の間はヘトヘトになるまで城を探索し、夜はこんな廃墟になった城だ何が出てくるかわからないからあまり眠れず、口に入れられるものは水しか無い、見知らぬ土地で一人ぼっちで帰る事もできない。

 正直精神的に結構来ていた。

 そんな中聞こえて来た声だ、誰だっていや何だっていい面と向かって会話がしたい。


「あった!今開けるから、少し離れてて!」

「大丈夫です!」


 その声を聞きスイッチになっているブロックを押し込んだ。

 すると壁の一部が重い音とともに上がっていき隠し部屋への扉が開いた。

 開いたそこには樽と木箱が数個有るだけだった。


「えっ?誰もいないじゃないか・・・幻聴だったのか・・・」

「いや、幻聴じゃないです!ちゃんと居ます!っていうかあります!多分何かの中です!真っ暗です!早く出して下さい!」

「わかったから、ちゃんと探すから音量おさえて声がでかい」

「すいません。助けてください」


 木箱を一つ一つ開けて中身を確かめていく、中身は剣が丁寧に梱包されて入っていたが、どれも酷く錆びつき剣というよりも茶色い棒と言った方がしっくりくるそんな見た目になっていた。

 そんな中一本の剣だけは錆びつかず綺麗な銀色を放っていた。


「ありがとうございます。暗闇から出ぢでぐだざっでっ、うっく、ひっく、うあぁぁぁあん」

「どういたしまして。って、泣くなって」

「うわぁあああぁぁあああん!うあああああぁぁん!やっと人に、人に会えだ~うあああぁぁん!!!」

「わかったから、わかったから、泣き止め、な?、泣き止んで下さい。」

「だっで~!だっで~!ざびじがっだがら~!」


こんなことが有って冒頭になる。

小説になっているかわからん

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