変化
おー、いたいた。
ちと、若すぎるがまあ、問題ないだろう。
並行世界の存在にたいし、それほど固定概念の無い状態で、実態を理解できそうなやつだ。
精神的に丈夫かが問題だが、まあ、その辺はこいつしだいか。
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その時の僕は、それほどこの世界と自分について考えていなかった。
並行世界など、夢の話でフィクションだと思っていたからだ。
友人の浩二が、二人現れるまでは…。
今では、ショッキングすぎて、状況をうまく把握できず、断片しか覚えていない。
まず一つ目は、何か天使に近い格好のやつが、現れて。
「この世界の人間は、いずれ並行世界に飲み込まれ、別人になってしまう」と言われた。
いかれた脳みその人間もいたもんだと、内心馬鹿にした。
直後、浩二が二人現れて、もう一人の浩二を飲み込んだ。融合した。
それまで、チャラチャラしたあいつが、翌日からピシッと制服を着て、学校に来た。
それまで、アニメの話ばかりしてきた、あいつが、勉強をしだした。
それまで、…。
とにかく、あいつは真反対の人間になっていた。
何が起こったのか聞いてみたが、周りの人間も前からあいつはそういう性格だと言いだした。
わけがわからない。
そんな中、また天使に似た格好の変な人間が、俺に近寄ってきた