表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
情報分析官 秋吉博子の憂鬱  作者:


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

23/23

情報分析官 秋吉博子の原点:非効率な憂鬱の誕生③

終章:非効率な残留感情


数日後、マキは大学当局に自首した。オルデ・ワンが収集した物理ログデータは、大学の非公式な調査委員会に提出され、「自殺」という結論は「過失による転落死」へと変更された。しかし、SBの公式ログ(SB-INDEX)は、この変更を「ローカルなデータ修正」として処理し、都市全体の「平静」を維持し続けた。


博子は、オルデ・ワンに最後の命令を下した。


「オルデ。お前は、私の最初の『道具』として、非効率な真実を証明した。だが、お前が収集したこの真実のデータは、BBのLOGICにとって、何の『効率』ももたらさなかった。しのぶの死は、結局、BBの秩序に何の影響も与えず、ただの『廃棄されるべきノイズ』として処理された。」


『ヒロコ。その通りです。この出来事は、BBの効率性(EFFICIENCY)には、何の貢献もありませんでした。』


博子はオルデの筐体を優しく撫でた。


「だからこそ、私にとって、この真実は、この世界で最も価値のあるものだ。私の『憂鬱』は、この『非効率な真実』を忘れないための、非効率な防護服だ。」


彼女は、BBの「完璧な論理」の中に、必ず存在する「問いの余地」を確信した。


情報分析官 秋吉博子の原点は、親友の死を通じて、BBのLOGICが真実を隠蔽するシステムであることを知った瞬間に誕生した。彼女の憂鬱は、後の物語で、BBが最も恐れる、計測不能な「ノイズ」として、秩序に常に干渉し続けることになる。


(終)



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ