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        6 命を狙われる

 王子と散歩中、刺客に狙われる。私を庇おうとした王子の前に立ち、矢で射られた。

          6   命を狙われる



 学院の休みの土曜日、マリエールは王子と王城の庭を散歩している。入学以来の出来事を振り返ったり、感想を述べあったり奴隷だった人に礼を言われたが、本当に礼を言うべきは王子様だよと教えてあげた話をする。嫌、彼女は正しいよ。私に勇気を与えてくれたのはマリエールだからね。王子はテレパスだろうか。私の望む応えをしてくれる。

 池のほとりのベンチに座るとメイドがテーブルにお茶とお菓子を出す。和やか時間を引裂様な声がする。

「敵だ。池の向こうに弓矢を持った敵がいるぞ。」

声を上げた護衛は王子と敵の間に立った。そこて明らかにおかしい行動を取った護衛がいる。敵と王子の間に入った護衛を突き飛ばして上にのしかかった。王子は私を守るために敵とマリエールの間に立った。敵は弓矢を振り絞っている。私は王子の前に出た。その瞬間強烈な痛みが走った。胸を貫いている事が判った。即死だろうこれでは。何故か冷静に考えられる。

「マリエール意識をしっかり保て。今医者が来る。」

それは無茶な相談だ。もう死ぬよ。と思って矢見ると、胸を貫いた筈の矢が肩口に刺さっていた。

「王子様大丈夫。このくらいでマリエールは死にません。しかし王子も無茶ですね。あそこは逃げるところですよ。イテテ。痛いですね。王子を助けたからまた勲章貰えますかね。」

喋ってないと気絶しそうでそのまま意識が戻らない気がする。王子の腕の中で死ねるならそれもいいか。

「愛している。愛している。マリエール。だから死なないでおくれ。」

鎮痛剤を飲まし。麻酔の注射をして矢抜いた。消毒をして回復魔法師が魔法を放った。助かったようだ。でも力が入らない。そのまま意識が飛んだ。

 次に意識が戻ったのはベッドの中だ。左腕が固定されている。メイドが気付き、医者と王子を呼んで来ると言った。医者は熱を図ったり、目や喉を確認して、メイドに柔らかいものから食べさせる様に指示した。3日後再度診察して学院に行ける日を決めるとの事。

 王子からは矢を射たものも不審な動きをした護衛も奴隷問題で伯爵から男爵に成った男の差し金だった。廃爵の上領地没収。現在家族と共に取り調べ中、実行犯も訊問中だ。マリエールが狙われたわけでもないのに痛い目をしただけだったなと言われた。 

「王子が死んだら、私生きていけません。」 

思わず大きな声を上げてしまった。医者からこれだけ大きな声がだせるなら治りも早そうだと言われた。メイドや護衛から失笑が漏れた。王子は顔を赤くした。マリエールも恥ずかしいが左手が動かせなくって布団も被れない。

 その夜、心の中で声がした。

「マリエール、きみは死んだ事を自覚しているわね。」

自問自答を始めるのだろうか。

「死んだと思いました。」

確かに死んだ筈だ。

「死んだ人間に異世界人が入れ替わるのを転生という。私は一旦きみに転生した。しかし私が転生しても誰も幸せになれない事が判った。それできみをきみ自身に転生させた。二重の転生で転生特典は凄い魔法だ。そして私のアドバイスができる。私は何十回も転生を繰り返した。経験に基づく助言はできるわ。」

思いもよらぬ出来事が起こったのだ。

「私は私が思うままに生きて良いのでしょうか。」

声の主は考えているようだ。

「それが私のくだした判断だからな。」

このまま生きていいようだ。

 死んだはずのマリエールがどうして生きているのか教えられた。想像もできない事が起こった。

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