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不思議探偵暁猫と招かれざる事件達  作者: ぽんでぴよっこ
第一章 高嶺の花
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第陸話 秋妃の部屋

しばらく歩いていくと、とある部屋の前まで来た。

そして、その部屋の前で止まると、詞夏さんは深呼吸をして扉を開けた。


「秋妃様、暁明さんを連れてまいりました。」

「あら、ありがとう。入って頂戴。」

「はい。」


部屋には、沢山の本棚や机がある。そして、窓際には一人の少女が立っていた。


「はじめまして、暁明さん。私が秋妃、彩雅です。」

「は、はい!僕は暁明と申します!」


緊張しているのか、声を震わせながら自己紹介をする暁明を見て、微笑む秋妃。


「秋妃、早速だが本題にうつってもらいたい。貴女の侍女明鈴のことだが…」


泊詠さんは僕の代わりに伝えてくれた。

そうだ、今日はそのために来たんだ。よし、仕事頑張るぞ。


「えぇ、分かっていますわ。明鈴がどうなったか、思い出すだけでも胸が張り裂けそうですわ。」


秋妃様は丁寧に何があったかを説明してくれた。

首元が裂かれていたこと、その直前になにやら言い争っているのが聞こえたこと、同室の詞夏さんが犯人に疑われていること…


「でも、詞夏はそんな事しませんわ!!」

「私もそう思います。が、しかし今は我々は中立の立場なのでそれはなんとも。」

「……そうですよね。」


泊詠さんの言葉を聞いて俯く秋妃。涙を浮かべている。

そりゃそうだよね、自分に仕えてる側近が殺された。彼女の悲しみは計り知れない。

それでも、彼女は自分の感情を抑えて冷静でいる。強い人なんだなぁ……。


「とりあえず、私は詞夏さんの無実を証明するために動くつもりです。」

「暁明さん……。」


暁明は、決意に満ちた目をしていた。それを見た秋妃もなんだか嬉しそうにしている。


「私が手伝えることなら何でもします、だからどうか、詞夏の無実を証明してください!」

「はい、必ず。」


秋妃と暁明が握手を交わす。

その後は泊詠さんたちと共に部屋から出た。


「泊詠さん、僕は今から証拠集めに行ってきますね。」

「ああ……。」


何故か泊詠さんは少し考えている様子で返事をした。

ん?なんか変なこと言ったかな?


「あの、泊詠さん?」

「善人の皮を被った輩に惑わされるなよ。躊躇したら足元をすくわれる。」

「え?」

「行くぞ朱蕾。」


それだけ言うと、泊詠さんは朱蕾さんを連れて執務室に行ってしまった。

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