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極短い詩集ⅩⅢ
「心の内」
「もし君が、心の中を読める人のように、もう少し僕の心の内を想像してくれたら、僕の気苦労が分かると思うよ」
「もし貴方が、心の中を読めてしまう人の心の内を想像できるなら、私の気苦労が分かると思うわ」
「教え」
『本当に強い奴ってのは相手に傷一つ負わせずに勝てる奴のことをいうのさ』
師匠、あの時はその言葉の意味を理解出来ずに受け入れられなかった。
でも今なら師匠の言いたかったことが分かる。
だから師匠、俺はあなたの教えで、あなたを倒します。
「期待を込めて」
祈りは願いとなり
願いは呪いとなり
あなたを縛る枷となる
その優しさが命取り
その冷たさが命綱
「価値」
脳漿に嘘を撒いて
臓腑を腐らせてまで
滅私奉公する意味は
脳髄に毒を吐いて
髄液に浸らせてまで
面従腹背する意味は