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互いに何度目の訪問者
「お願いです。お願いですから、あの人を生き返らせてください。
ほら、ほら!こんなにもあの人の写真があるのですから、あの人が生き返るぐらいの魂があるのではないですか?」
バラバラと写真が床に落ちる。それらのいずれにも優しそうな男性が写っている。
『その写真に撮られた思い出の全てを失い、そしてこれからも写真の中に思い出を残せなくなりますが、よろしいですか?』
「ええ、ええ。あの人と一緒に過ごせるのなら!」
「お願いがあります。このたくさんの写真に写る人を生き返らせていただけませんか」
腕に抱えたアルバムの中にある写真のいずれにも楽しそうに笑う女性が写っている。