第22話 そこに居たのは?
ソドモラの街で起こったゴタゴタに一区切りがついたので、皆と一緒にシルヴァニア城へ戻った。
あの街へは生産系能力に特化した能力者というか、この異世界の文明や技術を一気にブレイクスルーさせてしまうような【特異点】と呼ばれるほどの能力を持つ転生者か転移者が居ないか探しに行った結果、何故か生産能力皆無なエルフ美女を二人も伴って帰還する事になった。
それでも新たに極レアな配下を手に入れる事が出来たので、オレとしては満足している。
「マスターお帰りなさいませ」
「ショコラ、ただいま。今帰った」
この城にはまだ多くの空き部屋があるから新しくこの城の住人となる者たちの部屋割りに困る事は無いと思うが、その辺りの管理もショコラに任せておけば上手くやってくれるはず。
「ユナリア様はじめまして。私はシルヴァニア城管理コアのショコラと申します。メイプル様はまだお目覚めではないご様子なので、ユナリア様とご一緒に過ごして頂けるよう二人部屋をご用意させて頂いております」
ちなみに意識が戻らなかったメイは、オレがお姫様抱っこをして一緒に戻って来たので、彼女たちに割り当てられていたゲストルームまで運んでベッドに寝かせておいた。あとユナにはメイが目覚めるまでの間はここで一緒に過ごして貰って、何かあればショコラかオレに知らせてくれるよう伝えておいた。
ユナとメイの姉妹が部屋で休めるようにオレとショコラはユナに挨拶をしてから廊下へ出てみると、城の外では襲撃してきた魔族との戦闘音が聞こえてきたので、オレも増援の為外へ出ようとするとショコラに止められた。
「戦闘は現在味方が優勢ですから、これ以上の戦力投入の必要性は御座いません。ここは配下の皆様にお任をせされては如何でしょうか?」
確かにいつもオレがしゃしゃり出てばかりでは配下の者たちが貴重な経験を積む機会を奪ってしまうが、もしオレが応援に駆けつけなかった事が原因で仲魔の誰かが傷つけられたりするのは本末転倒のような気もする。
もし味方が危機的状況になればそんな事を言ってられないが、ショコラの提言がこれまで一度も間違ってた事が無いのも事実。
ここで彼女の助言を無視して駆けつけたのは良いが「やっぱり無駄足だった」となればショコラに合わせる顔が無い。
なのでここは部下の意見を快く受け入れる上司として振る舞った方が良いと判断し、オレは自分の部屋へ戻る事にした。でも戦況報告くらいは伝えてもらう様に頼んでおこうかな。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
SIDE:光闇の勇者リン
ボクたち……と言っても何の事だか判らないよね、ゴメンゴメン。最初から説明させて貰うね。
あの日、ロードくんに依頼されてシルヴァニア城から北に広がる魔の森を越えて魔族領へと旅立った所までは知ってるよね?
メンバーはボクとディアの他にもドロシーさんとレオンさんにあと誰だったっけな……そうそうクロウリーさんで合ってるよね?
あの人って全然しゃべらないし気配と姿を隠すのが上手くって、近くに居ても気づかない事の方が多いから、ボクは最初このパーティが4人だと思ってた。クロウリーさんゴメンね。
話が逸れちゃったね。
そそ、魔の森を北へ進んだボクたちはフーカさんが居るエルフ村で魔族の情報を聞いて、そこから更に奥地を目指したんだ。
この深い魔の森の奥には更に大きなエルフの街があって、それ以外にも獣人族の集落なんかも点在していると聞いていたから、ボクたちはそれらの場所を通るルートを選びながら、ひたすら北を目指して進んでいたんだ。
その途中でゴブリンやオーク、それにオーガなんかも襲って来たからサクッと倒しておいたけど、絶滅させると森の生態系に大きな被害を与えてしまうと考えたから『ポァ』するのは最小限で留めておいて、 とにかく先を急ぐのを優先させた。
ボクはもっとペースを落として慎重に進んだ方が敵に見つかりにくいって言ったんだけど、ディアとドロシーさんの二人がサッサと任務を終わらせてロード様も元に帰りたいと言い張るし、それには他のみんなも賛成だったみたいなのでボクも反対しない事にした。
だってボクたちって全員不死者だから不眠不休で食事も不要だし、そもそも歩くスピードが全然違うから生きてた頃の移動と比べたら全然早く移動出来て当然なんだよね。ちなみに何も食べずに活動してるから、当然お花摘みの時間も必要無いから……ここ大事なとこだから忘れちゃダメだよ?
そして辿り着いたのは頂上付近が白く冠雪しいた山の中腹にある洞窟……と言っても、ニ百年くらい前まで炭鉱として使われていた場所なんだけど、今はもう誰も居なくなり完全に廃棄されていた。この古い炭鉱がダンジョンになってるという情報は、フーカさんの居るエルフ村で聞いた話が発端だったんだけど何の手懸かりも持っていなかったボクたちは、とりあえずこの場所を目指す事にしたんだ。
ここを目指すに当たっては、ショコラさんがくれたピアスがとても役に立った。
もうお城からは随分な距離を離れてしまっているのに、ピアスから聞こえるショコラさんのナビのおかげで特にこれと言った大きなトラブルも無く無事に旅程を消化してるけど、もしナビが無かったらボクたちはきっと森の中で迷子になっていたと思う。
ショコラさん曰く「まだ開発途中なので」と言ってたけど、お城を中心としたこの星の半分くらいまでなら届くと聞いているけど、それって元居た世界の携帯電話よりカバー範囲が広いんじゃないかな?
そそ! ボクには必要無かったから報告するのを忘れていたんだけど、ピアス以外にも重要アイテムを貰っていたんだ!
そ・れ・は『耐陽の腕輪』と言って太陽光が苦手な仲魔たちにだけ渡されていたんだけど、太陽光線に含まれる紫外線等の有害な波長を持つ光を、腕輪に組み込まれた術式が光を変調させて『滅びるほど熱い』から『我慢できるくらいの暑さ』にまで影響を減衰してくれるんだって。
もしかしなくても、これってアンデッドには必須のアイテムだよね?
この腕輪を着けていないのはロード君以外にボクとディアとプリンさんくらいで、詳しい仕組みは知らないけど、これさえあれば不死者が日中に堂々と外を出歩けるようになるから、とにかく世紀の大発明だよ!
「みんな、こっちやー! ウチの女のカンがそう言うとるから間違い!」
「ドロシーさん少し落ち着いて下さい。今ショコラさんに方角を確認していますから、勝手に先走らないでーーーー!」
旅の途中で何度もこんなやり取りをしてるんだけど、ドロシーさんの『女のカン』とやらが当たった試しは一度も無い。でもあの人って確か『魔族の賢者』と言われる【エルダーリッチ】のはずなのに何であんな当てずっぽうで考え無しな性格なんだろぅ……。
《リン様すみません。ドロシー様にそのような性能はありません》
何故かすまなさそうにショコラさんが誤ってくれるけど、当のご本人にはこれっぽっちも悪びれた様子は無いんだよね。ドロシーさんの『女のカン』ってヤツは、さっきからずっと的中率ゼロパーだから、もう誰も信じなくなった。
でもそれはそれで使いようがあって、ショコラさんとの通信が出来ない時はドロシーさんが指し示す方向とは別方向へ進めば良いという事は判ったからナントカとハサミと同じでモノは考えようだよね? 今後もショコラさんのサポートが受けられない状況があれば、きっと賢者サマの意見が役に立つと思うから。
また話が逸れてしまった、ゴメンゴメン。それで何処まで話したっけ? そうそう山の中腹にある廃坑の入り口に辿り着いたところまでだったね。
廃坑の中には灯りが全く無かったんだけど、不死者となったボクたちの目は真っ暗闇の中でも物がハッキリと見えるから全く支障がなかったのは新鮮な驚きだったよ。でもこれって暗闇の中で戦闘になったらすごく有利な能力だよね? この暗視能力で見ている時は色の違いが解りにくく、まるでモノクロ映像でも見せられてる感じになるのは仕方がないのかな。
そしてボクたちは真っ暗な廃坑の中を、只ひたすら下へ下へと進んで行ったんだ。
最初のうちは確かに昔造られた坑道だったみたいな感じだったんだけど、いつしか坑道内の空気の臭いが変わったので周りを良く見れば、周囲の壁や床が魔力を帯びた地下迷宮に変化していた。
その途中でボクたちを見つけて襲って来るモンスターなんだけど、大抵の場合は地上でも遭遇した事のあるゴブリンなんかの鬼族が多かったけど、地下10階層を越えるとオークが出るようになって30階層あたりからはオーガの上位種を率いた悪魔族の姿なんかもチラホラ見えるようになってきた。
そして40階層を超えてその先へと進み、あと少しで50階層だと思っていた時、明らかに最近になって掘られた坑道を見つけたので、とりあえずそちらへ向かって進んで行くと敵の仕掛けた罠にまんまと嵌まってしまった。
その時はまだ相手の姿も全く見えてなかったし、周囲に敵の気配も感じられなかったから油断していたんだと思う。これじゃ勇者失格だよね……。
ボクたちが坑道を進んでいる時、急に大きな地震が来たと思った瞬間に床が粉々に砕けてみんな一緒に下のフロアへと落とされてしまった。
ボクも勇者になってから、あちこちの地下迷宮へ行ったけど、さすがにこんな落盤事故みたいな罠は初めての経験だったから、もし不死者の身体でなければ完全にここで終わってた。
そして墜落した先のフロアは大きな玄室になっていたから、ここでみんなの確認をしたけど誰も大きなケガはしてないと知るまで本当に生きた心地がしなかったよ。
「みんな大丈夫か?!」
自分だけ空中浮遊の魔法で墜落を免れて宙に浮かんでいたドロシーさんにはこの罠の効果は無かったんだけど、そんな便利な魔法が使えるんだったらボクたちにも掛けて欲しかった。あと下から彼女を見上げると女の子として色々と見えてはいけないものが丸見えだったから、急いで下まで降りて来て貰ったのは言うまでも無いよね。
今の落盤事故みたいな罠だけど瓦礫の下から全員が這い出して来るのに一番驚いていたのは、この罠を仕掛けた相手の方だったんじゃ無いかな?
襲って来た魔族たちにとって、この落盤事故を装った罠は定番の作戦だったみたいで、いつもなら崩れた土砂と岩石の下敷きになってグチャグチャになった獲物の死体から使えそうな物を剥ぎ取り、その後に死体を片付けるだけの簡単なお仕事だったはずなのに、ボクたちみんな平気そうにしていたからね。
それで瓦礫の下に居たボクらは、こちらが死んだと思い込んで近づいて来る魔族たちに意趣返しを思いついたとディアが言うので、そのアイデアを念話で聞いたらみんなも面白いから協力してくれる事になった。
《このまま普通に『ポァ』しても面白くありませんから、こんな腐った罠を仕掛けたバカどもにはお仕置きが必要ですよね?》
ディアはロード君がくれた黒レースのドレスをとても気に入ってたから、それが例え黒コートに守られて傷一つ付いてなかったとしても、襟元とか袖口から入った瓦礫の埃で汚れてしまった事をとても怒ってた。
あのいかにも『私は落ち着いてますよ?』ってな感じの話し方をする時は彼女がガチギレしてるか、その一歩手前のリーチ状態だという事をボクは彼女と過ごした十数年の人生から学んでいる。
《相手がこの世に生まれてきた事を後悔させるなら、こんな方法もありますよ?》
今、瓦礫が山と積まれた上にはドロシーさんが一人で立ってるけど、ヤツラは彼女の事を偶々運良く生き残った哀れな獲物か何かだと勘違いしてるっぽいから今はその夢を見させてあげよう。なのでドロシーさんには土壇場になるまで弱っちい冒険者の振りをして貰うように頼んだ──。
「きゃあーやめてーこっちこないでーー」
──んだけど、余りにも棒読みすぎて感情が込もってないのと、全然怖がってる感じが大根すぎて皆の期待を一斉に裏切ってしまってるけど魔族のヤツラは言葉のニュアンスが正しく伝わっていないのか、連れて帰ってオークどもの苗床にするには問題ないと考えてるのか嬉々として近寄って来る。
そして魔族たちが全員この玄室内へ入ったのを見計らいディアの結界魔法が発動される。
「古き血の盟約に基づき何人をも阻む聖なる檻をここに顕現する」
すると玄室内部の壁と入口を塞ぐようにして、淡く青白い光のカーテンが室内を優しく包み込む。
この段階になって初めて、今度は自分たちが何かの罠に引っかかったと気付いたみたいで、それまでドロシーさんを弄ぶ事しか頭に無かったのに急に出口を塞いだ結界を叩き始めたけど、もう遅いよ。
最初のセリフが大根すぎてみんなから念話でブーイングされて気落ちしてたドロシーさんだけど、それまで俯いていた顔を上げて魔族たちの姿を見た。でもその顔はいつものそこそこ美人な人族のものではなく、頭蓋骨が丸出しになった死神みたいな顔で眼球を失った暗い眼窩の奥には、この世に恨みを持ったまま亡くなった亡者の紫が炎の様に揺らめいていた。
そしてそれまで身奇麗な冒険者の魔術士めいた姿だったはずなのに、何故か彼女が顔を上げた時からボロボロの黒っぽいローブ姿になっていて右手には鎌がついた杖を持っていたから、知らない人があの姿を見たらリッチと言うより死神にしか見えないかも。
だって薄暗い玄室の中で真っ暗な闇に包まれたドロシーさんの姿は、どこからどう見ても完全にホラー映画みたいだったから。
そしてドロシーさんが本性を表したタイミングに合わせて、今度はボクらの登場シーンを演じる番がやってきた。
一概に『魔族』と言ってみんな怖がるけど、彼らはエルフと同じくらいの魔力と寿命があって、ドワーフと同じくらい力があって、獣人族と同じくらい素早さがあるだけの歴とした生者だ。なので死ぬ事とか理由が判らない怪奇現象なんかも普通に怖がるから、ディアが今回の意趣返しを思いついたんだと思う。
最初の登場シーンで一番肝心なポイントは元の世界で見たB級ホラー映画のワンシーンを思い出しながら、いかにもそれっぽい感じで恨めしさとか慟哭する魂の叫びを込めて下さい! ってショコラさんからとても力の込もった熱血指導を脳内へダイレクトに送り込まれたおかげでボクたちは更なるヤル気を見せつけた。
最初は瓦礫の下から最初に腕から先だけを突き出して、その後にゆっくり少しづつ動き出す。それから自分の上に乗ってる瓦礫をどかすんだけど、この時既に黒コートには光学迷彩の機能を応用した幻影魔術でボロボロ感を写し出し、腕とか顔なんかの露出部分には血とドロにまみれた顔の傷を治さずに相手に見せつけてやった。
あいつらのせいでこんな傷だらけの顔になったんだから、ちゃんと責任とって最後まで見てくれなきゃダメだぞって言ってやろと思ってたんだけど、ボクたちの顔を見た瞬間魔族たちはみんな顔を真っ青にして固まったように動かなくなっちゃった。
こんなのを見ると、これからも人を怖がらせるのがクセになっちゃいそうなんだけど、まだまだ演技が拙い所もあるから今度みんなで反省会をしようよ。それと、また次の機会が来るまでに、しっかりと練習しておかなくっちゃ。
こうしてみんなが生き埋めになっていた瓦礫の下から、まるで悪霊のような姿で這い出して魔族たちを追いかけ回すんだけど、戦う前から心が折れてしまった相手とマトモな戦闘にはらなかった。やがて逃げるのに疲れて諦めたヤツから一人、また一人と捕まえてボクたちより酷い顔にしてやった。だって乙女の顔に傷を付けたんだから、ちゃんと責任を取って貰わないとね! 当然の報いでしょ。
そして最後の一人をディアが捕まえて縊り殺すまでには結構な手間と時間が掛かった。やっぱり魔族も自分の生命が惜しかったみたいで必死に逃げ回ってたし、終いには窮鼠猫を噛むを見習ってボクたちに歯向かって来たヤツはサイコーだったよね。だって、あの追い詰められて自分の生命があと幾許も無いと知った時の引き攣った笑い顔が忘れられないよね。
何度も何度も「もう許して」なんて泣き言を言い出すけど、もし立場が逆だったらお前らは許してくれたのかい? って言ってやったら笑いながら泣き出しちゃったからプチって『ポァ』してあげた。
そう言えば例え殺す相手でも必要以上に苦しめてはいけないって子供の頃に教会で教えて貰った記憶があるから、あの頃と今では仕える神サマは違ったけどボクって慈悲深く成長したと思わない?
こんな感じで『ポァ』した魔族から記憶を引き出して判った事がいくつかあるんだけど、まずこの場所は【デモーニッシュ】と言う悪魔族が占拠してる地下迷宮で、ここに住みつくようになったのは今から約2000年前くらいらしい。
そうそう、相手から記憶を無理やり引き出すのを見るのは初めてだったけど、それはディアが魔族の頭蓋骨に指を直接突き込んで、頭の中をグチャグチャと掻き混ぜながら脳細胞に残されたシナプス信号を指先で感知してるんだって。
あと魔族を一人だけわざと逃がして敵の拠点まで案内させようという意見もあったんだけど、さっき魔族たちと戦ってる(一方的に虐殺してる)時にショコラさんから帰還命令があったのを思い出したから、残念だけどこの地下迷宮に巣食ってる魔族たちを殲滅するのは、また今度という事になったんだけど、肝心のディアがまだ殺し足りないと言ってたから彼女を宥めるのに難儀して困っていたんだ。
でもここは本命の次期魔王候補が居る地下迷宮をビンゴしちゃったみたいだから、最下層にあるダンジョン・コアを攻略する為にはロード君を連れて来なくちゃ! と言ったらディアが素直に言う事を聞いてくれた。
だからボクたちは、ここで一旦切り上げて城へ帰るという事で意見を集約して、帰る時はドロシーさんが開発したという便利な転移魔術が役に立ってくれた。
この魔術はいつもボクたち配下の者たちを残して、勝手に一人で先に帰ってしまうロード君を追いかける為に創ったって聞いたんだけど、彼女の良いところはボクたちも一緒に帰れるように改良を重ねてくれたところかな。
そしてシルヴァニア城まで戻って見ると、襲ってきたと聞いていた敵はまだドロシーさんが造った謎防護壁を突破してはいなかった。
それは謎防護壁をグルリと囲むドーム型のシールド結界が張ってあり、ここで空中から襲って来る敵の攻撃魔法を一手に防いでいた。このシールド魔術は勿論プリンさんが張ったモノだよ。それと防護壁の外ではリビングアーマーのアイゼンさんが地上から押し寄せて来るレッサーデーモンの一群を押し留めていたし、彼の後ろからデッドエルフのベルムントさんが弓矢で援護をしているけど、彼の周囲に護衛が居ないせいで撃ってから直ぐに移動して敵に狙われないように絶えず移動を繰り返していた。
襲って来る敵が魔族ばかりなので、ボクはつい先ほどまで攻略していたダンジョンを思い出したんだけど、もしかしたらこいつらも、うちのロード君とは別の【特異点】から派兵された部隊じゃないかなって考えていた。でもさっきまで潜ってた地下迷宮で遭遇したモンスターの中にレッサーデーモンとかインプの群れは居なかったと思う。
このまま考えていても答えは出ないから、とりあえず敵さんと交戦してみようと思い立ち城の防衛をガンバってくれてるみんなには少し悪い気もするけど、ボクは敵の真っ只中へと突撃する事にした。
そこに居たのは……。




