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12号 混沌とした調和 4/4

 ⎯⎯馬車に揺られ、王都までまもなくという頃。俺が指折り数えていると、ディアーデがそれを訊ねた。


「どうしたの?」

「いや、混沌としすぎていて、どのくらい滞在していたかなって……」

「ええと~……五日、かしら」

「うん、だよな」

 俺と彼女とで日数のズレがないことに、少し胸を撫で下ろす。


「少し……良いだろうか……」

 と、その時男が口を開いた。

「あの、セラテアという娘さんの所へ行きたいのだ……。根回しをしてくれると……」

「……分かった」

「それで……すまないが……ディアーデさんにも、来て頂けんか……? 情けない事に、心細いのだ……」

 俺はその言葉に、呆れのようなものを感じた……。しかし。


「わかりました。……この時代で一人になる心細さ、私も、経験がありますから」


 ディアーデの優しさに、男は礼を言った。



  ⎯⎯クロイツェン王都⎯⎯


 ⎯⎯都内に入り、広報から離れない所で馬車を停める。俺が三人の降車に手を貸し終わると。


「また後で」

 と、ディアーデから短い抱擁を受けた。


 俺は再び馬車に乗ると、それは城へ入り、やがて車庫に行き着いたので降りる。すると。


「お待ちしておりました、ライト様。イズン様の所までご案内します」

 既に、待機していた侍女にそう告げられ、俺はそれに預かった。



「⎯⎯イズン様。ライト様がお着きになりました」

 侍女が執務室の扉をノックし ああ とその中から声がした。俺はそれに促されるまま入室する。


「来たかライト、おはよう」

 イズンが執務席に座り挨拶するので、俺はそれに返す……が。

「おはようイズン。マウンデュロスは⎯⎯」

「おい。……その話は、ディアーデ(彼女)が居ないならしない」

 と、そう割り込まれた。


「本題を引き伸ばすな。初めてここに来た時もだったろう……」

「すまん……性分なんだ……」

「……あの時は、別段中身の有る話じゃなかったから付き合ったんだ。まあ私も、そういう気分だった」

 彼女にはもう、俺の癖まで見抜かれているらしい。


「……授章か、辞退か、心は決まったか……?」

「ああ」

 俺は短く、はっきりと応えた。


「ならば問おう。汝、冒険記者ライトは、『バリオレッドウェアハウステリウスロックメルセーヌ章』を授章するか?」


 ……は……?


 俺は、あまりに長たらしい章名に思考が停止し、内心で少し吹き出した。


「バ、バリ……な、なんでそんな名前が付いたんだ……!?」

「仕方ないだろう……!? 前例がないんだ……! 贈ると言い出した者の名を少しずつ取ったらこうなった……!」

 イズン本人も分かっているのだろう、半笑いで俺に説明した。


 俺は額を押さえて、何とか短く出来ないかと頭を捻り⎯⎯。

「……バテリーヌ章でいいか……?」

「いや、もう、バ章で構わん……」

 その台詞で再び小さく吹き出してしまう……。なんの為の長たらしい名前だったのだろうと……。


 イズンは小さく息を吐いて。

「……受けないんだろう?」

「ああ」

「後悔しないな……?」

「しない。俺は、辞退する」

 俺がはっきりと告げると、はぁーー……と大きく息を吐くイズン。そして彼女は、椅子もたれながら上を向いて。


「……なあ、ライト。君に一つ、謝る事があるんだ……」

「知ってる。『潜心』だな?」

 イズンが上を向いたまま軽く頷いたので、俺は言葉を続ける。


「……先日、ディアーデに授章を迫られた時、頭が上手く回らなかったから……」

「その洞察力、見事だよ……。『あの時』……君は、あんなむごいモノを見たか……」

 俺はその言葉を、肯定も否定もせずに曖昧に微笑んだ。


「記者も、辞めるんだろう……? その力を、活かせると思うんだがな……」

 顔を向き直したイズンに、俺は首を横に振り。

「いいや……俺が本当にしたかったのは、仲間への『謝罪』……そう気付いたから。そして、その仕方が()()()()()()()なんだ」


 これが、全てをなし終えて辿り着いた、俺の解答だった。


「ふぅ……君の言いたい事は……分かった。だがせめて、その働きに報いる為に、私から、何か贈らせてくれ」

「?」

「少し、目を瞑っていなさい」

 俺は言われるがままに次を待つ。すると。


「ライト。君は、剣でも……ペンでも……魔法でもないことで偉業を成し遂げて見せた。ただ、流されてきただけかもしれん。けれど、それだけじゃないと、九代魔導大臣『エシティス』が今、ここに感謝を伝える」


 !? そう俺の耳に届くのは、良く通る声から少し幼さを含んだ声色で……。

 俺は思わず、チラ……と薄目を開けて、そこから見えたのは⎯⎯。


「⎯⎯あッ!? 瞑っていろと言ったではないか……!」


 薄緑の長い髪をした、可憐な少女が目の前に居て、俺に叫んでいる……。背は俺の三分の二程で、装束も黒と赤を基調としたものから、白を主体とした物に変わっていた。


「っ!?!?」

「もーーう……! せーっかく、真の姿で接吻の一つでもしてやろうと思ったのに……!」


 はッ、と思考が戻ると⎯⎯。

(……背が足らない気がするんだが……いや期待していたわけでもないが……)

 俺は冷静になれないままそんな事を思ってしまう。

 すると彼女はふわりとその体を浮かせて、ゆっくりと書き物机に腰を下ろした。そして脚を組み頬杖し⎯⎯。


「なんだー……? 折角の心付けに、感想の一つもないのかー?」

 とその言葉を、イズンの口調のままこちらに投げつけるので⎯⎯。

「そう、だな……セラテアが、猫可愛がりするのも、わかるかなって……」

「ねッ……!?」


 少女は一瞬硬直したもののすぐに⎯⎯。

「うぁぁ~~!? ソレを口に出すな~~!」

 ⎯⎯頭を掻き乱しながら叫んだ……。


「え……それって……猫? セラテア?」

「~~……! 両ッ方~~……!」

「お、おい……! 髪が乱れて美人が台無しだぞ……!?」

「今更誉めても遅い……!」

 少女は、はぁーーと、荒い息を吐くと。


「まったくー……どんな誉め言葉が聞けるか期待したのに……とんだ見せ損じゃないか……」

 ……言いながら深く俯かれてしまい、こちらも、そこまで落ち込ませるつもりではなかったので、遅いがフォローをしておく……。


「可憐だ。とても」

「……むぅ……少々子供っぽいが、君の言葉だ、許す……」

「……ありがとう……」

 俺は苦笑いして感謝した……。


 次に少女は、組んだ脚を戻し、机に仰向けると⎯⎯。

「⎯⎯待て……装束の中が見えるぞ……」

「君しかいない。見たければ……好きにしろ……」

「……なんで自棄気味なんだ……」

 そこまで言われては勝手に見る訳にいかないので、俺は体ごと壁に向けてやる。


 机の奥行きが足りず、頭まで下がっている少女はやがて言葉を続けた。


「……君に、話すかどうか、迷っている事がある……。けれど、話しておく事にする……」

 少女はそう前置きして⎯⎯。

「君の、御祖父母について……」

「っ!?」

 ⎯⎯……俺は はッ としながらも先を促した。


「……マウンデュロス北部に、『禁忌の(ほら)』と呼ばれている地があってな。そこに、件の召喚器があるそうだ……」

「見付かったんだな。それが、どう繋がるんだ……?」

「うん……あの国は、その地の近隣の村々……特に、貧しい所へ、こう触れ回っていたそうだ……⎯⎯」


「⎯⎯『その洞に向かう冒険者等を見たらすぐに報告をしろ。見返りに、食料を配給する』」


「!!」

「……とね。あとは、わかるだろう……。そうやって、あの国は隠してきたらしい……。そして、その犠牲となった中に、君の、御家族の名を見た……」

「そう……だったのか……」


 一つ、解き明かされた謎だったが、俺は肩を落とし応えることしか出来なかった。祖父母の顔も知らないせいか、悲しみ等も沸かず……もしかしたら、冷たい人間なのかもしれない……。


「……ただ、一つ幸いなのは⎯⎯」

 少女はそう前置いて続ける。

「⎯⎯その中に、魔法使いが、居なかった……。しっかりと、周囲の偽心を見抜いたんだろうな……。だからこれが、最小限の犠牲だった、そう思うしかない……。おそらく、君の御祖父母が巻き込まれてしまったのは……⎯⎯」

「魔法使いが……いなかったから……」

 俺が割り込んだ言葉に少女は体を起こして頷く。


「……少し、冷たい言い方になってしまうが……もしくは、開拓や子育てという平和に慣らされて、勘を鈍くしてしまったのかもしれん……」

 少女は再び横になると、気落ちさせた声を出しながら、書き物机の上で膝を抱えて丸くなった。


「……どうして、話す気に……?」

「君が記者を続けてくれるなら、この件を任せたかった……。それでも話そうと思ったのは……」

 そう言って少女は間を空けて。


「君が……祖母様の日記を、見付けたから……」

「……!」

「……すまん……恥知らずで……」

 ……震えながら、少女は告白した……。


 だが、俺はそのくらいで咎めるつもりは毛頭ない。

「あのな……いくら俺でも、よく知らない家族の日記を見られたくらいで⎯⎯」

「それだけじゃない……!」

「っ……」


「……報告が上がって、君の、御祖父母の名を見て……実績を、追わせてもらった……勝手に……」

「けどそれも……大臣の権力で行える範疇なんだろう……? だったら、俺が言える事は何もない」

「! ……ライト……ありがとう……!」

 そう言うと、起き上がる少女……その顔には光るものが流れていて、俺は思わず⎯⎯。


「ッ……!? 無礼じゃないか……いきなり、抱きしめるなんて……!」

「さっきは、好きにしろと言った……。それに、お前が大袈裟だからだろ……」

「……うう……」

 納得がいかない様子に、俺は彼女の言葉をなぞらせてもらう。


「それで、うちの過去を覗き見て、感想の一つもないのか?」

「ふふ……ライト、お前……!」

 声色が戻ったエシティスは言葉を続ける。


「……すごかった……。自身らも大変なはずなのに、当初から民達に手を差し伸ばし続けていて……それでいながら人の道を外れず、自らも子を成し、乗り切って見せた……。『一流』なんて言葉じゃ足りない……!」

「うん……。俺も、真似出来そうにない……」

「フフ、だろうな。…………きっと君のことだ、何故日記が現れたのか、とか思っているんじゃないか?」

 それは、確かに……気にならないと言えば嘘になる。


「……運命……と、言っても納得しなそうだから、別の言葉を送ると……あれは恐らく、同じ事を繰り返して来たのだろう……」

「同じ事を……繰り返す……」

 彼女は俺の中で頷き。


「忘れては拾われ……拾われては忘れられ……、その輪の中に、君の仲間や、君が居た。それだけなんじゃないか……。だから、君と日記を巡り合わせてくれた仲間ともまた、かけがえのない繋がりだったと、そういうことだろう」

「巡り合わせてくれた仲間、か……」

(……テレサ……)


 ここまでで、彼女が随分と饒舌だったから⎯⎯。

「エシティス……いや、イズン……」

「どちらでも。……なんだ……?」

「潜心で、追えないのか……?」

⎯⎯……俺は、つい口を滑らせる……。


「あッ!? 言った、言いおった! いっちばん言ってはいけない事を言った!」


 俺は彼女に突き飛ばされ距離を取られた……。

 エシティスは不貞腐れるようにまた机に仰向けたので、俺もまた体を横に向ける……。


「……あのなぁ……私達は、魔動器じゃない……! 魔法使いとは言え、血が通って心を持った『人』なんだぞ……? 幾ら鍛練を積んでいるんだとしても……心の中なんぞ、そう見たいものじゃない……! 君は今のでそれがわからなかったのか……?」


「……すまない。軽率だった……」


「ふー……反省しておるようだから、いい……。けどまあ、その質問に答えてやると……五十年だな」

「! ごじゅッ……?」

 それは、俺が日記と巡り合うまでの時間、その倍がかかるというものだった……。


「だが、それは『潜心』()()を使って追うと仮定した場合の話だ。あらゆる魔法を駆使したとしても、まあ……五年といったところかな……。しかし、そんな事をすれば……ハイデン出身の君なら、分かってくれるだろ? ……おまけにその経過している間に、繋がりが途切れてしまったらお手上げだ……現実的じゃない……」


「………………」


「魔法使いじゃない君に、魔法使いの気持ちまで分かれ……というのは酷だがな……。…………はーー……あ、五十年の密度が、五年になるのか……想像しただけで眩暈がする…………あ⎯⎯ッ!?」

「!? どうした……」

 エシティスは突然身を起こすので俺もそれを目端で捉えると⎯⎯。


 まさか……そんなことが……あるのか……?


 ⎯⎯……そう、顔色を悪くして呟いている……。そして。


「……ライト、君に送った言葉は、やはり取り消す……」

「っ? どうしたんだ、いきなり⎯⎯」


「彼女は……セラテアは、クロイツェンの『動乱期』を見てきている……! それも九年もの間、ずっと……! 一人で……っ!」


「……!!」

(……クロイツェンが、冒険者を発足した当時の話か……!?)

 なんで私は、今になってこれに気付くんだ~……! エシティスはそうごちると、頭を抱えてしまった……。


「おそらく、先々代は、一年も経たずにパンクをしただろうな……。クロイツェンに人が増えて……治安が、悪くなって……」

 ……それが、何を意味しているかは、魔法使いでない俺も理解することが出来た……。

「……その後に、セラテアが大臣になるけれど、なったばかりだから弟子も居なくて……辞めるに、辞められなくて……」

「エシティス……」

「きっと彼女は、そんな中でもずっと一人で立って来たんだ……私という存在を……! 杖にして……!」

 俺は、再び取り乱す彼女が見ていられず、また抱き支えていた……。


「……けれどもう、彼女はきっと……覚えていない……」

「……? どうして?」

「『健忘』という記憶操作の魔法があって……これは、彼女が編み出したんだ……。きっと、編み出した直後に自分にかけたはずだ……完成直後の魔法はとても不安定だから……」

「……」


「突き飛ばして……悪かった……しばらく、そのままで頼む。試してみたいことがある……」

「試してみたいこと……?」

 エシティスは俺の胸の中で小さく頷き、額に指を当てる。やがて⎯⎯。

「見つけた……! やはり私にも健忘をかけていたんだ……。今からこれを、解いて見ようと思う……」

「……おい……」

 しかし、俺が止める間もなく。


 ……彼女は、涙を流し、震える声で言葉を続ける……。


「っ……一体、何を見たんだ……」

「……母の、顔を……。だけど、笑っているのに……泣いていて……。それなのにっ、私ときたら……冷たい態度をとってばかりで……! 母はきっと、不安定な健忘で、編み出した『理由』を忘れてしまった……だから、そこまで私には伝えられなかったんだと思う……。だってそう思い込まないと……! 私が彼女にした仕打ちに……押し潰されそうになる……⎯⎯!」


 俺は、彼女が落ち着くまで、その背中をさすってやった……。今は、少女のように、小さくなってしまったその、背中を……。


「⎯⎯ありがとう……もう、平気だ……。母に、謝らなければ……」

「ああ……それは、よかった」

「もし私が、そんな彼女の心の支えになれてきたのだとしたら、可愛がられたかいがあったと……そう、思うしかないんだろう……。もし君や誰かが、母に膝枕された経験があるなら……もしかするかもな……!」

(! あの時か……!?)

「ふふふ、思い当たる顔をしおって……!」


 俺は、すっかり調子の戻った彼女に踊らされた……。


「だから……その日記が見付かったのは『運命』だと思う……私にそれを気付かせてくれる為に、君に見つけ()()()……! 私の中で、そう腑に落ちてしまったから……。ライト、君は本当にすごいな……」

「……何度も言わせるな……俺は何もしていない……」

「なら、君の御家族がすごいんだ……!」

 彼女は言いながら俺を優しく抱き寄せる。


「……そんなすごい御家族の元に産まれた君は、それに恥じないように、これからも正しく、胸を張って生きてくれ……!」


「ありがとう、エシティス……!」

 俺がそう応えると、彼女は、抱擁を解いた⎯⎯。



「⎯⎯さて、すっかり長話になったな。ディアーデ(彼女)も城前で待ちくたびれているはずだ。これを持っていけ」


 エシティスはイズンの姿に戻る。自身の姿は成長が止まってしまった為、この姿が気に入っているのだそう。

 そして彼女は俺に、たった今書いた入城証を渡す。


「わかった、彼女に渡す……じゃあ、イズン⎯⎯」

「ライト」

「!」


「以前、君とここで飲んだ茶は、美味かった。面白い話があればまた、茶を飲みに来い。その時は⎯⎯『彼女達』を通せ」

「! 覚えておく、またな……!」


 俺は、清々しい空気と、匂いに包まれたまま、その部屋を後にした⎯⎯。



『⎯⎯君と日記を巡り合わせてくれた仲間ともまた、かけがえのない繋がりだった⎯⎯』


 城内を歩きながら、ふとその言葉が俺の中で思い返される⎯⎯。



 テレサ⎯⎯彼女が俺に、好意を向けていた事には気付いていた。……優しい娘だった……。けれど、彼女は……優しすぎた……。それが、俺を躊躇わせた……。こんな娘に、俺が背負った重荷を、八つ当たってはいけないと。

 だけど船室に、彼女が尋ねて来たときは、正直……危なかった……。あの時の俺は、まだ生きた心地がしていなくて……そんな所へ密室で、三年ぶりにきちんと顔を合わせた少女は、女性のそれになっていて……。俺はあの後、ディアーデが来なければ、目の前の少女をどうしていたんだろうか……。

 ……彼女が抵抗しないという確信を持ったまま、押し倒している自分しか想像出来ない……それが、堪らなく嫌だ……⎯⎯。



 城門に到着すると、イズンの言っていた通りディアーデが待っていた。おそらく、セラテアと打ち合わせていたのだろう。


「悪い、少し話しこんでしまった」

 俺はそう言いながら入城証をディアーデに渡す。すると。

「ううん。それより、ライトは一緒に来ないの?」

 その言葉に首を横に振る俺。


「いや、イズンは俺に何も教えてはくれなかった……。召喚器は、見付かったらしい。けど、それ以上は、俺には聞かせたくないんだろう……」

「そう……それじゃ⎯⎯」

「ああ、いってらっしゃい。俺はギルドにいるよ、今後の相談をしたいから」

 ディアーデはそれに肯定すると、入城証を門番に見せて、中へと消えた……。



  ⎯⎯ギルド⎯⎯


 その日は珍しい事に、客も、冒険者も居なかった。昼食には遅く、茶飲みには早い……そんな半端な時間帯だからか。ギルドの人間もこの暇に、休憩に入っているのだろう。

 だがただ一人、その奥に見えたのは⎯⎯。


「ただいま、お姉さん。ごめん、挨拶が遅くなって」

 すると彼女は、こちらへ来て応対をする……のだが。

「いらっしゃいませ、ライト様。今日はどのようなご用件でしょう?」


(……あれ?)

 と俺は彼女に、冷ややかな態度をとられ、少し混乱し始める。


「? どうなさいました?」

「いや……ええと、挨拶に、来たんだ……」

「そうですか。では、お済みになりましたね。お帰りは、そちらです」


 これは……怒っている……。

(参ったな……手土産の一つでも持つべきだったのか……)

 彼女は俺から背を向けて自分の机に戻り始めた……。俺は⎯⎯。

(自分が、正しいと思った事を……⎯⎯!)


「ただいま……! ()()()()……!」


 彼女はその言葉で はッ と足を止める。

 そしてカウンターを回り込み、俺に近付いてくると⎯⎯。



  ⎯⎯執務室⎯⎯


 ⎯⎯⎯⎯ラファエルとヴィバリウスの二人について行った私は、セラテアに城へ行くように告げられ、城前で待っていた。それからしばらくすると彼が着き、促されるままここへ来た。


「ディアーデ、よく来てくれた」

「いいえ。それよりも、先に聞いていいかしら」

「? なんだ」


「貴女もしかして、彼に泣かされた?」


「ッ!?」

 イズンは書き物机に突っ伏した。私の観察力も捨てたものじゃないらしい。


「……彼の服、ほんの少し濡れてたから」

「~~! まったく……! 私は魔導大臣なんだぞ……どいつもこいつも私を振り回しおって……!」


 なんだか、そうとり乱す彼女が、少女のように見えるので少し可笑しい。


「むぅう、その態度……! どうやら、私よりも甘い目に合わされたらしいな……!」

「ッ、まあね。否定はしないわ」

「否定しろ! よく恥ずかしげもなく……!」


 違う、そうじゃない。


「恥ずかしいわけないでしょう……。だって彼、みっともなくなんてないんだもの」

「そこまで言われたら、何も言えんではないか……!」


 そう言われると、彼の事なのに、なんだか私も誇らしくなって⎯⎯。


「……羨ましいなら……混ぜてあげなくも、ないけど……」

「! 言ったな……! 覚えておくぞ……!?」

「……なんで食い付くのよ……」

 私は苦笑いをする。


 ⎯⎯……なんだか薮蛇になってしまった。私が困るわけじゃないから、別にいいわよね。


「それで、マウンデュロスの話はどこまで進んでいるの?」

「……うん。マウンデュロス……グレイスバーグ……そして、エインセイル。その何れもアイゼンタールからの破壊は⎯⎯受けていなかった……」

 

 その答えに、私は大きく胸を撫で下ろした。


「……冷静だな?」

「信じていたから」

「そうか……ただ、グレイスバーグは少し問題が起きている」


 私は疑問符を浮かべて先を促すと。


「マウンデュロスは、エインセイルから撤退した部隊から、交信器に使われていた高純度の魔動石を受け取った。その後それはグレイスバーグに返済として充てられたと、そう文書で明らかにされたのだが⎯⎯」

「当のグレイスバーグは受け取っていないと回答した……そんな所かしら」

「うむ。だがこれはこちらで別の手立てを講じる。ここから先は、私達の役目だ」


 これで、私の心残りは全て果たされた……そう少し感慨に更けるとイズンは言葉を続けて。


「おそらく……今回の一件でクロイツェンは、強国の姿勢を見せていけることだろう。故に、彼の功績は計り知れない規模だ……まさに『伝説の冒険記者』と呼ぶに相応しい。だが……」

「授章、しなかったのね……」

「訊いたのか?」

「ううん、彼ならそうすると思ったから……」

「……君がそれで納得しているなら、もう何も聞かない」

「そうしてくれる?」


 私が少しはにかんで伝えると、彼女は少し困った様子で話題を変えた。


「……私もどう伝えるべきか悩んでいるんだが……落ち着いて、聞いて欲しい」

「どうしたの急に改まって?」


 私は少し苦笑いして彼女に返した。しかし⎯⎯。


「ディアーデ。君に、アイゼンタール領を、返還したい」

「⎯⎯!!?」


 ⎯⎯……これは確かに驚くのも無理はなかった。民のいない『裸の姫』になれと言われているようで。けれど、落ち着いてと前置かれていた私は、荒げそうな声をなんとか押し留める。


「⎯⎯ッ……」

 私は食い絞り、横を向く。

「すまん……驚くよな……。私も伝え方に困っていたんだ……」

 彼女が気落ちさせているのは気付いたので、理由を尋ねることにする。

「今更……返して……何をさせたいの……」

「うん、少し話を変えようか……。そうしたほうが、君も落ち着いてくれそうだ……」


 イズンは溜めた息を吐いて言葉を続けた。


「君に私の家を貸して、王都で暮らす機会もあったわけだが、その時この国をどう思った? 建前は抜きで構わない」

「……そうね……。街の人は優しくて正直で、まっすぐに生きていた。……外から来た冒険者達は仕方ないんでしょうけど……。眩しかったわ……」

「ありがとう……そう思ってくれて、当代としても鼻が高い。だがそれにも、ちゃんと理由がある」

「理由?」

 私がそう尋ねると、イズン大きく頷いて立ち上がり、窓から外を見る。


「それは、住んでいる市井の人々……その一人ひとりが正しくあろうと、そう思って生きてくれているからに他ならない。……私達『魔導大臣』は、(たか)い志を心無い輩から、無下にされないよう守っているだけにすぎないんだ」

「…………」

「……そしてそんなクロイツェンにもな、欠点がある」

「……え……」

 彼女のその言葉が、私には飲み込めなくて、黙って先を促すしか出来ない。


「この国は……犯罪者を更正させる力……言い換えると、社会復帰させる力が……著しく弱い」

「っ……!」

「現在の我が国は、重犯であれば、外国に労働力として売っている……。これについては『人でなし』と言ってくれていい。死刑にしたところで、一金の得にもならないのでね……。だが問題なのは……軽犯なのだ……」

「……どうして? 街の人々は⎯⎯」

「うん、そこで初めの話に戻ってしまうのだ。……ここの国民は『優しい』んじゃない。『正義感』が、高過ぎる。悪く言ってしまうと『融通が効かない』。だから一度、人の道を踏み外した者への当たりが……とても厳しい」

「…………」

 彼女はそこまで言って、また、話を変えた。


「アイゼン領の北に廃港があるんだが、そこに住んでいるのはアイゼンタール人ではない……というのは流石にわかるよな?」

「ええ。……瀬戸際の状態が三百年も繋がっていくわけないもの……」

「うん……あそこは、『掃き溜め』だ……これも言葉が悪いが。クロイツェンからはみ出した者達が流れ着き、いつしか身を寄せ会い、形成した集落になる」

「そうだったのね……」

「ああ。そしてこれらが君に伝えたかった事だ」

「!? どういうこと……」

 私が疑問に思うと、彼女は片手をゆっくりと書き物机へ伸ばす。するとその上に紙束が現れた。


「手にとってみなさい。初代からの、預かり物だ」


 そう言われてそれを丁寧に取ると⎯⎯。

「……紙も、字も、古いわね……⎯⎯これはッ……!?」

「初代は引退した後、独自に研究を重ねていた……魔動器で油を精練出来ないかと。それが、その集大成だ」

 確かに油の精練を魔動器で行えれば、質も量も飛躍的に変わるだろう。けれど当時の私達は、そこまでの投資をする余裕がなかった……。

「そして、そうやって精練された油は、只の油じゃない⎯⎯」


「⎯⎯『霊油』……!?」


「うん。魔力を含んだ油だと、研究の末明らかにされて、初代はそう名付けた。魔力と油……双方の特徴を併せ持った、全く新しい次世代燃料になる」

 ああ……駄目だ……話が大きくなりすぎて内容を整理出来ない……!


「ま……待って……! つまり私に何をやらせたいの!?」


 それを聞いてイズンは長いまばたきをする。そして。

「我々クロイツェンは、アイゼン領の、本格的な再建に乗り出そうと考えている。そしてその労働力に犯罪者達を含むことで、更正の一助にもしようと、そういう計画だ」

「!!」

「……だがそれは、本来の国民である君の意思を、無視してはいけない……そう初代は考えて、記憶の継承を行ってきたのだと、私は解釈している」

「……イズン……!」

「だからどうだろう? ディアーデ。あとは、君次第だ。その他に細かい要望もあれば、適宜取り入れていくと、約束する」


 まさか、こんな形で……国が戻るなんて、思っても……いなかった……! けど……。


「……ねえ、この話……」

「ん?」

「前向きに検討するから、少しだけ、待って欲しいのだけど」

 そう伝えると彼女も少し緊張が解けたみたいで。

「……いいだろう、話が大きいしな。ただ、数日中に頼めるか? 私はもうすぐ国を離れてしまうから、その居ない間にも、計画を詰めて欲しいのでね。返事は私の家の伝書鳥を使ってもいい」

「うん、わかったわ。……ありがとう、イズン……!」

 

 私は紙束を机の上に戻すと、その場を後にして、彼に伝える為にギルドへと向かった⎯⎯。



  ⎯⎯ギルド⎯⎯


 そして、この事を彼に伝える。

「⎯⎯という話だったの。それで、その……ライトはこれからどうするの?」


 この場には今、彼の他に受付をしているフェレスが同席していた。


「俺か? 俺は⎯⎯」

「私は、この話を受けようと思ってるの。そして貴方から側で支えてくれたら⎯⎯!」

「すまない」

「⎯⎯え……」


 ……私と彼はお互いの話に割り込みあった末……その言葉で、途切れた……。


「もう先に、別の話を受けてしまったんだ。……悪い」


 ああ……本当に私は一体何を期待していたんだろうか。……私達はもう、別々の道を進む時が来ていたのだと……改めて思い知る。


「ご、ごめんなさい……! 私ばっかり話しちゃって……!」

 彼は優しい顔のまま首を横に振る。そして⎯⎯。


「ギルドから俺に、初心者専門の同伴兼ガイドをしないかと誘われたんだ」


 ⎯⎯彼は、ささやかな道に進むと、そう明かした。


「一流冒険者を育て上げて、耳の早い方からは冒険記者としても大成したと伝わり、ライト様から師事を受けたいという人が、現れ始めているのです」


 フェレスからそれを聞いて、少し意気地になる私が……少し憎い。


「何よ~? かつての一流冒険者が随分と慎ましいのねえ」

「それを言うな……。まあ、この一件で、自分の実力を思い知った……そんな所だ」


 ……そんな事ないのに⎯⎯だけど彼の、どこか全てをやりきったような、そんな顔を見ていたら何も言えなくなってしまった……。


「⎯⎯ところでお姉さん、ターレスのみんなからは何か聞いた? 何か出来る礼があるといいんだけれど……」

「それでしたら、特にテレサ様が、ご執心していましたよ? ライト様が何もお返しにならないから」

 彼は片手で顔押さえて。

「……良ければ、お姉さんがそれとなく聞いてみてくれないか? 出来る範囲で返すから、と……」

「ライト様それは、わざと仰っています……? まあ、お伝えしますけれど……どうなっても知りませんからね」

「え⎯⎯?」


 ……二人が、私をよそに盛り上がり始めて……。


(こんなに、仲が良かったかしら……それにしても⎯⎯)


 ……これには疎外感を覚える。流石の私も、ちょっと我慢が出来ない。そう思うと、少し彼を困らせたくなった。


 私は彼の肩に腕を回し密着する。

「お、おい……! ディアーデ……今は、良くない……!」

「「今は?」」

 フェレスと私は声を揃えて、彼はびくりとした。


「ねーえ、お話はまだ終わらないの~? 早く帰りましょう……? それから今夜にでも、()()がしたいわ……」

 ……これでどうだろう!? 我ながら良く出来たと思う……! そんなふうに思いながらフェレスにチラと目をやると、彼女は俯いている……!


(そしてここで極めつけの……!)


「ふふ……良かったら、貴女も混ざるかしら?」

「待てーーッ!?」

 彼の慌てぶり……面白い……! ……ハイデンの二人はこんな楽しい事をしていたのか……。


 するとフェレスは席を立ち⎯⎯。

(あら……その反応は……?)

 私とは反対側に回り込むと、その両手が彼の首へと伸ばされる。

(! 首締め!? いいわ、やったれ……!)

 が、それは首を素通りし⎯⎯。

(⎯⎯……え……)


 そのままフェレスは両腕を回すと、椅子に座った彼の膝の上に腰を下ろした……!?


 それ見て私が呆気に取られていると⎯⎯。

「そこまで仰るのであれば、お言葉に甘えさせていただきますね」

「「は、はい!??」」

 ⎯⎯普段の無表情からは窺い知れない、艶のある笑顔で⎯⎯

「それでは今夜、お尋ねいたします……」

 ⎯⎯彼女はそう言った……。

 

 そしてその時、店の扉が開くのだが⎯⎯。


 ⎯⎯彼女は、慌てるでもなく、狼狽えるでもなく、彼の膝に座っている事が、さも自然な事であるかのようにそこから立ち上がると、何食わぬ顔をしたたまま、客に応対をし始める。


 それを目で少し追った私は⎯⎯。

(ま……っ! ま、まけた~~……!?)

 ⎯⎯……そんな謎の敗北感にうちひしがれた……。


 じとっとした目を彼に戻すと。

「こ、今夜、だな? まあ……空けて、おくぞ……?」

 ……少し赤い顔を僅かに反らして、らしくない態度をとるので⎯⎯。


 ⎯⎯私はそれが少し、面白くない。


「何乗り気になってるのよばか!」

 椅子から立ち上がり、早口気味に言いながら、私は座ったままの彼の胸を強く押す。


 そして、悲鳴上げて派手に転んだ彼を確認すると、強く振り返り、早歩きでギルドから立ち去った。


 私が外へ出ると辺りは夕焼けに包まれている。なぜだか無性に涙が出そうになるけれど、それが眩しいせいだからと、頭の中で必至に言い訳して堪えた。

 そして、ふと⎯⎯。



『最後に強敵が待ってるよ』

 


 ⎯⎯と朝、ファムにそっと告げられた事を思い出す。


(……あの人だったのか~……)

 そう一人で言葉に納得し足を止めた。その時。


「ディアーデ!」

「!」

 彼の声がして私は振り向かずに はっ とする。そして呼吸を整えて⎯⎯。


「⎯⎯わた⎯⎯ッ!?」

 

 振り向きながら叫ぼうとしたのに、私は彼の胸に、埋められていた。


「ありがとう、ディアーデ。お前と巡り会えて良かった」

「っ……!」


「この時代でも、お前ならきっと上手くやっていける……! けど、どうしても一人で解決出来ない事がおきたら、迷わずに……俺を尋ねに来るんだ。その時は、何度でもこうしてお前を支えてやる……! 約束だ……」


 一方的に言われて、私も言葉を返そうとしたのに。

「ライ⎯⎯!」

 

 それを遮るかのように、彼は抱擁を解き、背を向けて振り返らずに立ち去ると、片手だけ上げて挨拶をした。

 その姿に、私も心の中で言葉を送ることにする。


 ありがとうライト、いえ⎯⎯。


 ⎯⎯ありがとう『伝説の冒険記者』さん。


「……()()()()()()


 ……そう自然と、口をついてしまった。


 私も彼から背を向けて歩き出す。

(……今夜か……彼女は行くんだろうな……)

 そう考えると何だかとても癪だ……私が二人を引き合わせたみたいで⎯⎯。


(⎯⎯っ! いいこと思い付いちゃった♪)

 妙案の浮かんだ私は、その軽い足取りのまま、急ぎイズンの家へと帰った⎯⎯。



  ⎯⎯宿⎯⎯


(ああ……まだ顔が熱い……)

 我ながらキザな事をした……そう思いながら、俺は宿へと帰って来た。そして、自分の部屋の扉を開ける。


(さて、これはどうしようか……)

『これ』というのは『紙束』、その山である。俺は記者として冒険者を再開したため、予め大量に用意したそれが、この部屋には積まれているのである。そして、元はかつて仲間達と収集した装備……その果てでもあるので、無下に処分してしまうのも考えものだ……。


 ベッドに腰を下ろして考える。

(……その書き物机で記事を書いたり、ディアーデと筆談していたりしたな……)

 それはまだ、三年くらい前だと言うのに、なんだかとても懐かしい……そう物思いに更けると⎯⎯。


 俺は机に紙を出して椅子に座ると、ペンを手に取っていた⎯⎯。



(⎯⎯…………その夜、何があったかは別の話だが…………⎯⎯)



 ⎯⎯朝。一先ず持てるだけの紙束を持ち、ハイデンへ帰る為に王都をあとにする。その後ビークの町で、予め打ち合わせていた父と落ち合うと、酒場の主人から店に来るようにと言い含められた。

 そして、村へと戻り帰った俺が酒場で見せられたもの……それは⎯⎯。


「……な、なんだ……これ……」

 ⎯⎯快復祝いとして開かれたはずの、莫大な飲み代のツケの領収書であった……。

 そこには確かに“ライト„とサインがされている……されているのだが……こ の 筆 跡 は……。


「~~……! ディアーーーデーーーー!!」

 ……思わず俺は天井に向かって叫ぶと……⎯⎯。

(最後の……最後で……やってくれやがって……!)

 ⎯⎯……しばらくは、俺一人の乾いた笑い声だけが、その場に響いていた……。


(おまけに丸いじゃねーか、この筆跡……! どれだけ、お前の字を見てきたと……!)

 俺は自分の苦笑いを隠すように半面を右手で覆う。

(……仕方ない……戦着で賄うとするか……!)


 ⎯⎯結局そう諦めた俺は、仲間達や、ディアーデの新しい門出を祝えたと解釈して、無理矢理納得することに、決めたのだった……。

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