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ガイジの女の子達をまとめることになった。  作者: 真木あーと
第四章 不穏からの確信
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第15話 矢と砲弾の中

『私に案があります。…………』


 え?

 トゥーリィのハンドサインは、一時指揮権委譲要求だった。

 まあ、簡単に言えば、「上官(俺や少佐)も一時的に私の指示に従ってくれますか?」という、緊急時のサインでもある。


 普通ならこいつに指揮権を預けることは絶対にないが、今は緊急事態だ、考えている暇もない。


『承認。指揮権を准尉(マルフタ)に委任』

(マルフタ)が防御しながら外に出ます。そこでガードを解いて、中級魔法を使います。その間、中尉(マルヒト)曹長(マルサン)で守って下さい。詠唱時間は一分(ロクマル)です』


 概要は分かった。

 さっきも言ったとおり、矢を落とすのは、この距離なら可能だ。

 可能だけど……短剣くらい持ってくりゃよかったな。


 だが、確か砲弾が一台あったな。

 砲弾ってのはまあ、大きな鉄の球を遠くへ投げる装置で、攻め入ってくる騎馬の戦闘にぶつけて混乱させる、戦場城には常備されている武器だ。


 あれを内側に向けられると、さすがに素手では無理だ。

 いや、あれだけは短剣でも無理だ。

 あれを内に向けることを奴らが一分以内に思い付き、実行するかどうかに賭けるか、それとも……。


軍曹(マルヨン)、それを貸してくれ』


「うむ」


 俺は軍曹からジャイアントアックスを借りる。

 重いな、矢を叩き落すのは、俺の筋力では無理だ、動きが遅くなる。

 使い分けは大変そうだが、砲弾の準備時間を考えて、一発程度だろう。


『マルヒト準備完了』

『マルサン準備完了』

『外に出たらハンドサインから口頭に変更。では作戦開始』


魔力防御の壁(ソーサリィウォール)!」


 トゥーリィが扉を開き、外に出ると、その瞬間、一斉に矢が彼女に浴びせかかる。


「っ!」


 防御があると分かっていても、手が動いてしまう。

 改めて周囲を見渡す。

 弓方は全部で六ヶ所に十五人。


 砲台は使うつもりがないのか、外を向いている。

 が、弓が通用しないのを見て動かそうとしているのが二人。


曹長(マルサン)、場所三秒後交代 」

「了解」


 三秒後、俺は砲弾側に移動。

 しかし、前線をかい潜ってきた俺もかなり緊張してる。

 トゥーリィは、ちゃんと出来るだろうか?


「トゥーリィ、大丈夫だからな? 絶対、おまえは守るから」


 俺はあえて、番号ではなく、名前で言った。


「分かってます。心から信頼してますよ、先輩も、あとシスリスも……!」


 深呼吸の後、そういって笑う声が聞こえる。


防御解除(ガードダウン)五秒前(マルゴ)、ヨン、サン、フタ、ヒト、イマ」


 目の前の薄い膜が消える。


「ふんっ!」


 早速目の前に飛んできた矢を叩き落とす。

 矢は、初動よりは疎らになったが、多い。

 これを夜目で叩き落とすのは、かなりの集中力が必要だ。


「精霊たちの祖よ、偉大なる神々の子よ……」


 十秒経過。

 砲弾はいつ動くか?

 急いで二人が引っ張っている。


 二十秒経過。

 砲弾がこちらに照準を向けた。

 いつ来る?


 三十秒。

 砲弾準発射までに、どれくらいかかる?

 あれさえなければ、矢に集中できるし、何とかなるが、砲台の可能性を考えると集中できない。


 四十秒。


「砲弾行くぞ! 対抗待避!」


 ああ、こいつら馬鹿だ。

 砲台のタイミングと、弓方の削減策まで教えてくれるなんて。

 まあ、戦闘指揮サインまで整ってるのは今のところ帝国くらいだから仕方がないか。


 来るのが分かっているのなら、大丈夫……!


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