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7節 異常な学園デビュー

ポルニカ学園の入学初日、異様な注目を浴びたチハヤ=ベルズヘブンはα組に受け入れられた・・・


ように思えたがしかし、クラスの女子、いや学園の女子から既に多大な人気を得ている彼に、天使とはいえ男子は嫉妬していた。

そしてついに事が起きる・・・


お昼休みを終え、本日初の実技授業であった。内容は、一対一の模擬戦を行うというもの。魔法によって攻撃を受けても実際にダメージを受けることのない擬似空間が生み出されたドームでそれは行われていた。


そして、α組の男子の番長的存在であるブルーグスがチハヤに戦いを申し込む

「チハヤ=ベルズヘブン!貴様に決闘を申し込む!負けた方は勝った方のパシリだ!どうだ?」

どうだと言われてもと、少し困惑したチハヤだったが強さを探求する彼にとって恐らく、α組でもかなりの強さを誇るブルーグスとの闘いに興味はあった。

「いいよ。受けるよう。ただし、俺が勝っても泣くんじゃないぞ?」

これは彼なりの礼儀というか、場を盛り上げるためのものだったのだが、ブルーグスはますます怒りを露にしていた。


クラスの女子も男子も先生までもが彼らの争いに注目した。単純な興味もあったがチハヤの様子見も兼ねていたのだろう。

そして始まってしまった。闘いという名の虐殺が・・


「ルールは魔法武器何でもありだよな?」

チハヤが一応ルールを確認する。

「ああ、それで降参と認めるか魔法空間によって負けつまり戦闘不能と判断されたら負けだ。準備はいいな?」

ブルーグスは鼻息荒く、猛々しく唸っている。

「いつでもどうぞ」

チハヤの余裕そうな表情に、ブルーグスはますます勢いづく。

彼は自身に身体能力向上の魔法をかけ、さらに

「ファイアーストライク!」

と叫び彼の持っていた大剣が炎に包まれ、その勢いのままチハヤに突進する。

さすがにクラスで番長的な存在の彼である。相当な威力を持っていた、通常なら一撃で負けてしまうほどに。そう相手がチハヤでなければ・・・


チハヤはこれを魔法障壁を張って何なく防いでいた。彼はこれで終わりだと簡単な身体強化の魔法をかけ、拳を突き出そうとした。

その時・・・!


ブルーグスは突進しつつ、後方、つまりチハヤがいない側に

「バーンウィンド!」

と叫び、炎を帯びた爆風が吹く。

彼はその爆風をジェット機のように利用して自身のファイアーストライクの威力を莫大に増加させたのだ。


フィールド上はブルーグスの魔法によって黒い煙を纏って、外からは確認出来なくなっていた。

「相変わらず、ブルーグスは凄えな!」

「さすがだぜブルーグス!」

男子の喜しげな歓声と対照的に、女子は

「チハヤくん大丈夫かな?」

「いや、多分もう・・・」

「ブルーグスめ!!」

といったチハヤを応援する声が上がっていた。


煙が無くなっていき、そこには両者が相対していた。


チハヤはやはり何なくブルーグスの攻撃を防いでいた。

しかし、彼は驚き、ブルーグスに対する少なからずの称賛の気持ちを抱いていた。

「バーンウィンドの応用なんて、驚いた。ブルーグス、お前は相当強いんだな、本当に」

「なんであれを受けて立っていられるんだ・・・」

全身全霊の攻撃を受けても平然として、さらには称賛までしているチハヤにもはや恐怖すら感じているブフーグス。

「お礼に少しだけ本気を出させてもらう!」

チハヤはブルーグスを本気で称賛し、認めていた。だからこそ、こんなことを言っているのだがブルーグスからしたら嬉しくも何ともないこの発言に恐怖で顔を痙攣らせた。

「行くぞ!」

そう言って彼は魔法の詠唱を始める。

「超級魔法だと・・・!?」

思わず、授業を担当していたスタイラーという教師から信じられないと言った声が上がる。

生徒たちはもはやこれが現実なのかと疑う者さえいた。

通常、魔法に詠唱は要らないのだ。しかし超級魔法やそれ以上の神域魔法と言った絶大な威力を誇る魔法を用いる際には詠唱が用いられる事がある。しかし、超級魔法ですら使える者はほとんどいないのが現状だ。それを天界に来て三ヶ月の者が使おうとしているのだ。信じられなくても仕方ない。


チハヤたちの立つ頭上に大きな魔法陣が描かれていく、それは何層にも重なっていった・・・


ブルーグスは詠唱中に止めようとさっきの攻撃を繰り返したが何層にも重なった魔法障壁はもはやびくともしなかった。


そして・・・


「ゴッドブレス!!」


チハヤがそう言い放ったと同時、地面の魔法陣から上空の魔法陣へ向かっていくように巨大な光の柱が降り注がれた・・・


驚きの驚嘆のあまり、その場の誰も声を出す事が出来なかった。

「ゴッドブレス」それは恐らく、天使ならば誰もが知る魔法であり、神話に置いて女神が悪魔に使ったとされる神域魔法であった。

神域魔法を目の当たりにした生徒、いや、学園全体にその強大な魔法の魔力は響き渡っていた・・・


そして、ブルーグス含めたアルファ組の男子、いや、学園の者、全員が、神域魔法を使ったチハヤに対して、強烈な憧れと尊敬を抱いた。神の生まれ変わりだと信仰する組織まで生まれることになったのは彼の知るところでは無いが・・・


何はともあれ、チハヤ=ベルズヘブンはポルニカ学園の生徒として快く受け入れられた・・・

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