6節 入学初日
ポルニカ学園への編入初日。
チハヤ=ベルズヘブンは始業前にも関わらず、異様な視線と注目に晒されていた。ただでさええ、人間からの転生者、さらには名家ベルズヘブン家の養子、前代未聞の編入試験満点合格など、注目を集めない方が無理だと言えた。
また、彼は気付いていなかったが、人間がおよそ超えることのない程の善をその身に受けたチハヤの姿はとても神々しく輝いていたのだ。そして、天使として神に身を捧げる身として天使の間ではその神々しさは憧れや好意を抱くに十分に値するものであったのだ。あのお方かっこ良くない?と既に彼に対するファンが出来るほどの・・・
ちなみにあまりの注目度であったが、さすがはベルズヘブン家と言えようか。共に歩いていたアリスは平然としていた。彼女はむしろチハヤに対する正当な評価であると受け止めていたのだろう。
「おはよう!初日から凄いね〜!それとおはようございますアリスちゃん!」
中門を歩いていたチハヤとアリスに声を掛けてきたのは魔法の家庭教師を担当してい二年生のソフィアである。
「ああ、おはよう。ところで凄いとは何のことだ?」
「おはようございます。さ、鈍感な誰かさんは置いといて早く学校に行きましょう!」
アリスの声かけにチハヤの疑問は無視されたまま、3人は共に学校へ向かった。
アリス、ソフィアは二年生の教室がある階へと向かっていった。彼女らは同じクラスであった。
一人となったチハヤは未だに異様な注目に晒されたまま、新たな学園生活に向けて、思いを巡らせていた・・・
始業のチャイムが鳴り、先生から編入生としてチハヤが紹介された。彼らは異様な盛り上がりを見せた、つまり1年α組は舞い上がっていた。彼らにとって編入生が来るだけでも舞い上がることではあるのだが、その編入生の正体が彼であったことが、さらにその盛り上がりに拍車をかけることになった。チハヤ=ベルズヘブンは異常な完璧主義者であることを除いて、理想の男子生徒であった。顔はカッコよく、魔法、勉学、武道において完璧である。
休み時間に置いて彼の周りには、既に大勢の人集りが出来ていた。
「ねえねえ、チハヤくんは何が好きなのー?」
「今度作ってきてあげよっか??」
主に女子からの人気ではあるが彼はα組に大いに受け入れられたように思えた・・・