次話予告 「本屋さん」
次話予告でーす。
次回から5~6話ぐらい、この本屋さんのおパンツを見る話となります!
その日、学校帰りのイッセーは、駅前の書店に立ち寄っていた。
普段は電車など使わない。運転手の車で移動する。
だが思うところあって、イッセーは庶民と同じ行動を取ることにしてみたのだ。
駅前で立ち寄った書店では、おもに人間心理の本を物色した。
ちとせが言うには、自分は〝女心〟とやらがわかっていないらしい。
それを知っておけば、また「あの衝動」がやってきたとき、なにかの役に立つだろう。
咲子のパンツを見て満たされはしたものの、いつまた再び、誰かのパンツを見たくなるかもわからない。
「本。お好きなんですか?」
女性書店員が話しかけてきた。
「うむ。文字を読むのは有益だな」
イッセーは顔も向けずに、そう答える。
知識の吸収には書物が一番効率がいい。イッセーの場合、常人がパラ見するぐらいの時間――わすか十数秒で一冊を読破し終えてしまうので、なおさらだ。
開いていた一冊を読み終えたあとで、イッセーは話しかけてきた女性にようやく顔を向けた。
眼鏡をかけて、長い髪を後ろでひとまとめにした女性だ。赤いエプロンが似合っている。
「人間心理の本を――、とくに女性心理の本を探している」
「それなら、これとこれと、これとかですね」
「ぜんぶもらおう」
「全部……、ですか?」
「全部だ」
もう読み終わっていた本であるが、情報だけ持ち帰るのは窃盗だろう。
天才であるイッセーだが、常人のルールは守ることにしている。
「じゃぜんぶ運んじゃいますねー! お買い上げ、ありがとうございます!」
本がレジへと運ばれる。イッセーは女性店員の後ろ姿を見ていた。
彼女の穿いているのはジーンズで、スカートではない。
だがそのジーンズの内側にも、やはりパンツがあるのだろうな。――と連想した瞬間。
〝あれ〟――がやってきた。
あの滾りに突き動かされて、イッセーは思った。
――余はパンツが見たいぞ。
次回更新は、1/15(火)19時です。
毎週火曜更新となります。
5話くらいかけて、本屋さん編がスタートです。