次話予告 「ギャルJK」
二限目が終わって、三限目までの間の一〇分しかない休み時間――。
校庭に飛び出してボール遊びをやっている、小学生みたいな男子連中を、イッセーは三階の教室から、なんとはなしに眺めていた。
混じろうとは思わない。勉学、スポーツ、ありとあらゆる面において、彼は一般人とはレベルが違いすぎるのだ。本気出してしまうと、競技が成り立たなくなってしまう。
凡人に混じることは、彼の天才性により不可能であるが、混じりたいかというほうの問いであれば――。
共学の公立校に、こうして〝普通〟に通っているのが、その答えとなるだろろう。
豪徳寺財閥を率いる身として、一般人の〝普通〟を知っておく必要がある。凡人に通じておく必要がある。――そう判断したのだった。
クラスの中ではすこし変なやつ――くらいで通っている。勉学もスポーツも「本気」を出す必要はないので、きっちり平均点を取っている。
じつは女子の中では、けっこう人気が高かったりする。〝余〟という一人称も、女子の間では好意的に受けとめられていたりする。超然としている様がよいのだと、もっぱらの噂である。
だがそれはイッセーの知るところではない。
女子に特別な興味などなかった。――これまでは。
開いた窓から、風が吹きこむ。
女子同士で話しこんでいるクラスメートのスカートが、ひらひらと揺れている。
茶色の髪が目立つ女子だ。名前は咲子。遊んでいると皆に思われているが、本当かどうかまではイッセーの知るところではない。
スカートが揺れる。
見えそうで見えない。
もうすこしで見えそうなのだが。
そう意識したとき――あの衝動が、イッセーの胸を、再び焼き焦がした。
――余はパンツが見たいぞ。
二人目のパンツが、いま、決まった。
藤野咲子。
――いかなる手段を用いても、おパンツが見たいぞ。
次回予告です。
明日から、毎日連続で5話更新続けます。JK「藤野咲子」編をやりまーす!
あと活動報告のほうに、「嫌パン」への思い入れあるいは、ノベライズ成立秘話、みたいなものを書きましたー。
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