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00 プロローグ
「あの……初めてあった時から、ずっと、ずっと君のことが好きだった!」
「……えっ……」
「大事にする。ずっと大事にする! だから――」
目眩がしそうな夏の日。
制服を着た男女二人は、恋に燃え上がった。
いつもは宣伝の音声やゲーセンの音楽で煩いこの道路。
だが、今日はやけに静かに感じる。
「だから、俺と付き合って?」
この世界に、二人きり。
そんな錯覚すらおこされた。
――これは、この二人が出会ってから恋に落ちるまでを描く、王道恋愛小説である。