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変態鬼畜教師の誰もが絶叫するような調教教育  作者: Kagari
変態教師、あらわる
5/23

反抗する生徒たち 2

今回も鬼畜教師が派手に暴れます。

Let's 鬼畜!

 童貞勇者が校庭に出ると、そこには既にクラスメイトが集まっていた。しかし、サディの姿はどこにもない。

  

「あれ? 先生は居ないのか」


 男子生徒がクラスメイトに聞いた時、サディがやって来た。


「悪い悪い。ちょっと校長に許可取ってて、遅れちまった」


 サディのその言葉に、クラスの全員にどよめきが走る。童貞勇者がサディに聞く。


「許可されたんですか!?」


 魔法とは、人類殲滅生物『魔王』を倒すためだけに作られた技術だ。よってその威力は絶大である。一発でも当たれば人体は吹き飛ぶし、魔法の種類によっては建物を一撃で塵に変えることができる。


 それ故に、授業以外での魔法の争いは原則禁止となっている。どうしてもやりたいならば校長から許可を貰うか、魔法を使わないで模擬刀の試合をするしかない。今回の戦いは完全に私情なため許可されないと思っていたのだがーーーーー


「い、一体どうやって許可を・・・」


「『生徒に喧嘩売られたから戦うわ』って言ったら、『サディ君なら死なないし大丈夫だろ』って言われて普通に許可されたが?」

 

 驚いている生徒たちに、サディはあっけらかんと答える。童貞勇者はしばらく呆然としていたが、やがて我に変えると、サディに手のひらを向けた。


「じゃあ始めましょう、先生」


 十五メートルの距離を挟んで、二人は向かい合う。


「では先生、いきますよ」


「ああ、来い」


 サディの返事とともに、童貞勇者が呪文を唱える。


「輝け【ファイアー・エンブレム】!」


 童貞勇者の手のひらから炎が吹き出し、サディを襲う。くらえば即死の攻撃をサディはーーーーー


「ひょい」


「な・・・」


 かわした。それも魔法を一切使わずに。まるで酔っぱらいが動くかのような動作で、的確に避ける。


「くっ。次だ! 轟け【ウォーター・ルイアーガ】!」


 童貞勇者が手のひらをサディに向け、呪文を唱える。童貞勇者の手のひらから凄まじい量の水が吹き出し、一直線にサディを狙う。だがサディはーーーーー


「ひょい」


「ま、またかわしただと・・・」


 サディがあまりにも平然と避けているので忘れていたが、【ウォーター・ルイアーガ】の速度は音速並みだ。音速級の攻撃を避けるなんて、サディはどんな身体能力をしているのだろうか。


「ほらほら、さっさと来いよ」


「ッ! 痺れろ【エレクトロ・マグナス】!」


 童貞勇者が懲りずに呪文を唱え、サディに向けて放つ。手のひらから電撃がほとばしり、サディ目掛けて飛んでいく。サディはまたもそれを千鳥足で回避する。


「くそっ! 輝け【ファイアー・エンブレム】!」


「ひょい」


「くそっ!なら轟け【ウォーター・ルイアーガ】!」


「ひょい」


「くそっ! なら次はーーーーー」


 童貞勇者が魔法を使う→サディが避けると言ったやり取りが数回続いた後、サディが挑発するように言う。


「その程度か、童貞勇者。ならお前は一生童貞だな」


「うるさい! 黙って見てろ!」


 敬語すらかなぐり捨て、童貞勇者が呪文を唱え始める。


「輝け・そして轟け・そして痺れろーーーーー」


「こ、この呪文はーーーーー」


 一人の女子生徒が何かに気がついた。


「先生、逃げてください!」


 女子生徒の悲鳴とともに、呪文が完成する。


「しねぇ!」


 童貞勇者が口の端を歪め、サディに向けて魔法を放つ。炎と水と電撃が同時に飛び、その衝撃で空気がビリビリと震える。


「やべっ!」


 空気の震撼からかなりの威力だと判断したサディは、地面に転がり紙一重のところで回避する。背中を三属性の光線がかすめ、わずかな痛みが走る。サディは自分の身体を確認して、五体満足であることを確認すると、ホッと胸を撫で下ろした。


「あやうく死にかけた・・・」


「くそっ! ならもう一度!」


 童貞勇者が再度呪文を唱え始める。その直後、鞭に頬を張られて地面に倒れた。


「な、なんだ!?」


「反撃開始だ、童貞勇者」


 いつの間にかサディの右手には鞭が握られていた。童貞勇者がそれに気がついた瞬間、サディが鞭を振るった。鞭が超速で振るわれ、童貞勇者が声にならない悲鳴を上げる。


「せ、先生、その鞭は一体・・・」


「ふっ。調教用の鞭だ」


 女子生徒の質問にサディは爽やかな笑顔で答えながら、鞭を振り続ける。鞭の速度はだんだん速くなり、童貞勇者の身体を蹂躙していく。


「ふむ。なかなかいい反応だな。このまま行けばあと五分くらいで目覚めるか」


 サディは真剣な顔つきで鞭を振るいながら、童貞勇者の反応を見ている。童貞勇者の顔はよだれまみれになっており、確かにドMに目覚めるのも時間の問題だった。


「ほ、ほぉぉぉぉぉぉ!」


「よし! あと三十秒くらいだ!」


 サディが嬉しいそうに言い、鞭を振るう速度がさらに速くなる。


「五、四、三、二、一!・・・・ッ!」


 あと一秒で調教が完了する、と言うところで、どこからか飛んできた銃弾が、サディの鞭を遮った。あと一歩のところで調教を邪魔されたサディは、半ギレで辺りを見回した。


「誰だ、俺の調教の邪魔をした奴は⁉」


「やはり、調教でしたか」


 悪気のなさそうな声が聞こえると同時、校庭の隅からアーチャが現れた。その手には、つい先ほどサディの鞭を止めたであろう拳銃が握られていた。


「お前か、アーチャ=ミリタリー!」


 調教を邪魔した犯人ということも相まって、サディは激怒しながらアーチャに詰め寄った。


「なんでそんな事をした⁉ これは神聖な試合のはずだぞ、どうして水を刺すような真似をした⁉」


「あれは戦いではなく一方的な蹂躙です。神聖な戦いではありません」


 アーチャは悪びれた様子もなく言うと、サディの目を見た。


「今回の戦いでよくわかりました。この事は校長先生に報告させてもらいます」


「・・・マジ?」


「マジてす」


 そう言うとアーチャはスタスタと歩いていってしまった。

 後には当事者二人と、大量の生徒たちが残された。


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