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変態鬼畜教師の誰もが絶叫するような調教教育  作者: Kagari
変態教師、あらわる
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反抗する生徒たち 1

 アーチャは、咎めるような目でサディを見た。


「面白い面白くないの話ではありません。あんな授業、すぐに中止するべきです」


「ふむ。しかし俺の生き甲斐である調教を止めさせることは、俺にとって万死に値するのだが」


「それは先生が歪んでいるからです。普通の人ならそうはなりませんよ」


「あーはいはい、分かった」 


 サディは降参したように両手を上げた。


「こっからは素人でも耐えられるような調教をしていくようにするよ。それでいいんだろ?」


「そもそも調教と言うのをやめて下さい。教師が使っていい言葉ではありません」


 しかしアーチャは引き下がらない。


「私たちは魔王を倒すために日々努力しているんです。それを貴方のようなやる気のない先生に受け持たれると迷惑なんです。貴方にやる気がないなら出ていって下さい」


 アーチャの言葉に、サディの眉がピクリ、と動く。まずい。このままだと、アーチャが校長に直談判→学校追い出される→生徒を調教できない。という事態になってしまう。それだけは絶対に避けたい。


 サディの思考が加速する。脳の全てを使い、この場を乗り切る言い訳を全力で考える。



「おいおい、やる気ならあるじゃないか。野球拳大会による生徒たちの精神力鍛練、突然のスライム襲撃による反射神経訓練、鬼のような校庭ダッシュによる体力アップ、お前らが鬼畜と呼んでいるものは全部お前らが魔王に対抗するために必要な事じゃないか。それをお前らは鬼畜だのなんだのとわめきやがって。少しは俺の気持ちも考えろ」


 もちろん全部嘘である。というか、そんな事思ってる訳がない。だがアーチャは驚いた顔をすると、頭を下げてきた。


「そうだったんですか。そこまで先生が私たちのことを思って行動してくれているとは知らず、勝手なことばかり言ってすみませんでした」


「ふ、はははははははははははははは!!いやなに、分かればいいんだよ」


 サディが調子に乗って高笑いした時、4時間目終了のチャイムが鳴った。生徒たちが次々と地面に倒れていく。


「よーし、課題は失敗ってことでお前ら全員宿題2倍な。じゃあ昼食の時間だからさっさと校舎に戻れ」


 辛そうな面持ちで地面に倒れている生徒にも容赦なくサディは言うと、さっさと校舎に戻って行った。


「なんなんだ、あの鬼畜教師!」


 教室に戻るなり、男子生徒の一人が叫んだ。その言葉に、他の生徒もうなずく。


「あんな無理な課題出来なかったから宿題2倍とか酷すぎるでしょ。とんだ鬼畜だよ、アイツ」


「それに自分はやらないとか、頭おかしいんじゃないの、アイツ」


 生徒たちが口々にサディに対する不満を言う。その時、昼休みのチャイムが鳴った。ある者は教室を出て購買に向かい、ある者は机の上に弁当を置く。その時、弁当箱を持ったサディが教室に入ってきた。生徒たちがどよめく。


「アイツ、弁当作るんだ・・・・・」


「嘘・・・・そんな馬鹿な」


 生徒の悪口が聞こえているのかいないのか、サディは教卓に弁当を置くなり一言。


「あー腹減った。生徒を教育すると疲れるなー」


 ブチリ、という音が、教室のあちこちから聞こえた。生徒たちの堪忍袋の尾が切れたのだ。生徒の一人が、ゾンビのようにふらふらと立ち上がる。


「先生・・・・・」


 生気を失ったその声に、サディは眉をひそめた。


「どうした?顔色悪いぞ。妊娠室、もとい保健室行くか?」


 サディの言葉に、生徒は反応を示さず、右手を伸ばしサディに向けた。


「輝け【ファイアー・エンブレム】!!」


「のわあ!」


 生徒の手のひらから炎が噴き出し、サディに向かって一直線に飛んでいく。サディはそれを寸前でかわし、生徒に叫ぶ。


「あぶねえな!俺じゃなければ死んでたぞ!」


「そのまま死んでください!」


 生徒の目に殺意が宿る。


「なんなんですか午前中のふざけた授業は!?それでよく教育とか言えますね!」

 

 生徒の言葉に他の生徒たちもうんうんと頷く。皆サディの授業に怒りが溜まっているのだ。


「と言われてもな。これが俺のやり方なんだからしょうがないだろ」


「だから、そのやり方をやめてくれって言ってるんだよ!」


 生徒が叫び、手のひらをサディに向けた。


「勝負しましょう、先生。もし僕が勝ったら、皆に土下座して謝り、今後まともな授業をすると誓って下さい」


「よし分かった。じゃあ俺が勝ったら今日の5,6時間目の授業は身体測定な。ただし女子に限る」


 一切の笑みなく放たれたサディの変態的な言葉に、生徒たちが凍りつく。


(へ、変態だ‼)


「でも対等な条件だとフェアじゃない。だからハンデをつけてやろう。ハンデはそうだな・・・・・『俺は一切魔法を使わない』ってのでどうだ?」


「なっ・・・・!?」


 生徒たちが絶句する。仮にサディが格闘術の達人だったとしても、魔法が一発でも当たればその瞬間負けが確定する。それだけ魔法は強力な物なのだ。魔法教師であるサディが、それを知らないはずはない。


「ほ、本当に、いいんですか先生?」


「ああ、いいとも。なんなら複数人でかかって来てもいいぜ」


 そこまで言うと、サディは生徒の顔を見た。


「さあ、俺の変態行為を止めないと女子の貞操が危ないぞ」


 生徒たちは顔を見合わせる。サディの出した条件は破格そのものだが、なにか裏がある。だがサディの言った通り、放っておけば女子の貞操が危ない。


「分かりました。その勝負、乗りましょう」


 サディに勝負を挑んだ男子がサディに歩み寄り、サディに手のひらを向けた。サディはそれを見てニヤニヤと笑う。


「女子の貞操を守るために挑んだか。ま、せいぜい頑張れよ童貞勇者」


「だ、誰が童貞ですか!?」


「まあいいや。さっさと行くぞ童貞勇者」


 サディは立ち上がると、校庭に向かった。

これからもどんどん主人公を鬼畜にしていきたいと思います。

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