鬼畜教師vs耐えられなくなった生徒たち
今回はサディに反抗する生徒が出てきます。
四時間目の授業は校庭で行われる事になった。体操服に着替え校庭に立った生徒たちに、サディは開口一番、
「お前ら、体操服似合わねー」
(いいからさっさと始めろこの駄教師!!)
と生徒たちが叫びたくなるような暴言を吐いた。
「えーと、じゃあまず身体をほぐす所から始めるか。今から課題を出すからそれをやれ。まあお前ら程度の身体能力なら15分もあれば充分だろ」
サディがまたもや喧嘩を売るような発言をしたとき、男子生徒が三人、へらへらと笑いながら立ち上がった。
「先生~。僕たち三人とも身体能力に自信があるんですよ。もし僕たちがその課題を10分以内にクリアしたら、どうするんですか?」
生徒の問いに、サディは考えこむような仕草をし、男子生徒たちに聞いた。
「お前ら、俺が言う課題を10分以内にクリアできる自信があるんだな?」
「ええ、自信がありますね」
男子生徒は余裕綽々と言った顔で答えた。
それは、「いくらこの男が鬼畜だろうと、たかが身体をほぐす運動で自分たちの体力が0になることはないだろう」という余裕から来る物だ。
「よし分かった。じゃあもしお前らが俺の言う課題を10分以内にクリアできたら、今日一日お前らの言う事を何でも聞いてやる」
その言葉に、男子生徒だけではなく、生徒全員の目が輝いた。
「それ、本当ですか⁉」「まともな授業、してもらえるんだ!」「よし、頑張れ体力自慢の三人衆!」
生徒たちの声援に手を振って答えながら、体力自慢の三人はサディの前に立った。
「さあ先生、課題をお願いしますよ」
「先生も男なんですから、俺たちが勝った時、ちゃんと約束守って下さいよ」
「先生、早く課題をどうぞ!」
「じゃあまず、校庭1000周で」
「は?」
生徒たちの声が重なる。
「ただし、残り500周になったらウサギ跳びに変更だ。で、それが終わったら腕立て伏せ300回、腹筋300回、でその後校庭100周して終わりだ」
ポカンとした顔の生徒たちに無慈悲な補足をすると、サディはニヤリと笑った。
「じゃあ始めるぞ。5,4,3,2,1,スタート」
「ちょ、ちょっと待って下さい!」
「待ちませーん。あ、ちなみにこの課題を一人でもクリア出来ないと今日の宿題2倍な」
「ええええええええええ!!」
「俺に条件付きの勝負を挑んだんだから、当たり前だろ?はい後9分59秒。ほらほら、早く始めないと~~」
「ひ、卑怯だぞ!」
サディに勝負を挑んだ男子生徒の一人が、サディに向かって叫ぶ。だがサディは平然とした顔で言う。
「おいおい、俺の課題をクリアできるって言ったのは他ならぬお前らだぞ?それを取り消すっていうのか?男らしくねえなあ。あ、これから誰かが無駄口叩く度に30分短縮な。逆らった奴はそいつの単位を全て落とす」
「ち、ちっくしょおおおおお!」
先ほどまでの余裕はどこに消えたのか。サディに喧嘩を売った男子生徒たちは決死の形相で走り出した。その後を他の生徒たちが同じく決死の形相で追う。それを見て、サディは腹を抱えて大爆笑した。
「はははははははは!!何だよあの顔!はははははは!やべえ、涙出てきた!あはははははは!」
「先生、ちょっと生徒に対してひどくないですか?」
不意に隣から声を掛けられ、サディは横を向いた。するとそこには、フードが付いた服を着た少女が座っていた。
「誰だ、お前?」
「アーチャ=ミリタリー。このクラスの生徒です、先生。とある事情で体育の授業を休ませてもらっています」
「そうか。まあいいや。で、なんだお前、俺の授業に文句があるのか?」
「ええ。あれでは生徒たちが可哀想です。やめてあげてください」
「そうか?楽しそうに見えるが?」
「そう見えているのは先生だけです」
アーチャは敵意を持った目でサディを見た。サディの唇がつり上がる。
「面白いな、お前」
書いていて評価など何もないと結構心が折れるので、良ければブックマーク登録でもいいのでお願いします。