町
朝になったので、少し太陽の光に、腕を当ててみた。ピリピリしたが、問題無かった。だが、ずっとピリピリしてるのは嫌なので、屋敷にあったローブを着ることにした。それと仮面も装着。
庭に出てみる。
あ、手袋必要だな。買いに行かないとな。そう思って、気がついた。
「金が無い」
そう、手袋買うにも金が必要だ。
攻略本に、金の稼ぎ方は、書いてあった。人間の魂を集めて、換金所に持っていけば良いと。
人間の町は、どこにあるのだろう?
とりあえず屋敷の門を出て、ひたすら真っ直ぐ歩いてみた。5キロで、町が見えた。町の入り口には、人影が。
人間では無かった。
ゴーレム。
まあ、土人形だ。
て事は、魔族の町か。
ゴーレムが敬礼して迎えてくれた。
「えりっくさま、おはようございます、なにかごようですか?」
抑揚のない言葉で聞いてくる
俺の名前は、えりっくらしい。エリックだけなのかな?まあいいや。てか、この仮面でよく解ったな。
「いや、ただの散歩だ!」
とりあえず誤魔化した。変な事言って、ややこしくなると嫌だからな。
「そうですか、どうぞおとおりください」
ゴーレムが言った。
町に入って歩く人影はまばらだ。
魔族は、やはり夜に活動するのかもな。見かけるのは、ゴーレムや、オーク、オーガ、ぐらいだ。昼に活動してるのは、この辺のモンスターなのだろう。
とりあえず攻略本には、町の図書館の職員会えと書いて有ったので、図書館を探す。魔族の図書館ってなんだろう?
町の中央ぐらいに、図書館を見つけた。その横には、魂換金所も。
とりあえず図書館に入る。
「エリックさま、おはようございます、今日は何の御用でしょうか?」
おそらく、オーガの雌であろう人物が聞いてくる。
とりあえずどう聞けば良いのかわからない。
少し悩んで、
「状況が知りたい!」
そう言ってみた。
「わかりました、エリック様のブックはこちらになります。」
そう言われて、厚い本を渡された。
受け取って、近くのテーブルに向かい、椅子に腰掛ける。
開いてみると、
エリック・シャラザード
種族・バンパイア-始祖
シャラザード領、領主
魔国、公爵
と、書いてあった。
え?これだけ?
何もして無いからかな?
まあいいや。
とりあえず魔国の公爵で、シャラザード領領主か、でも金が無いのはなんでだろう?どこかに預けてあるのかな?
換金所に行ってみるか。
図書館の職員に、本を返して、隣の換金所に行ってみる。
「エリック様、お久しぶりです。」
換金所の骨のモンスターが声をかけてきた。スケルトンかな?
ん?初めましてだけど?
声には出さない。
「うむ、でだ、金が無いんだけど、何故だろう?」
率直に聞いてみた。
「エリック様は、500年前に、ここに来られてから、一度も換金されてませんので、そのせいかと。」
スケルトンが答える。
500年寝てた事になってるのね。てか、ゴーレムやこいつは、500年前から居たってこと?どちらも死なないの?疑問に思ったが、黙っておく。
「寝ていて何もかも忘れたのだが、換金できる魂が有るか、調べて貰えないか?」
知ったかぶりして、聞いてみた。
「では、こちらの水晶に手を置いて下さい。」
スケルトンに言われて、手を水晶に置く。
黒い靄が手から出て、水晶に吸い込まれた。
「はい、魂、1500個、換金です。流石エリック様!」
そう言って、金貨15枚渡された。
魂100個で、金貨1枚。魂一個で、銀貨1枚らしい。が、銀貨1枚で何が買えるのか、まだわからない。
とりあえず商店に行こう。そう思って、換金所を出た。
かなりウロウロして、やっと商店を見つけた。
店の主人と思われるオークに、手袋をくれと言ってみた。
オークは、
「何製の物にしましょう?」
と、聞いてきたので、革の物をと、お願いしてみた。
「こちらから、豚、牛、羊、人間となります。人間の物は手に馴染みますが、やはり耐久性が無いので、羊がオススメです。」
そう言われたので羊の物を頼んだ。人間の革とか、怖いわいっ!
耐久性のみなら、牛らしいが、馴染みやフィット感は、羊らしい。豚は、耐久性が無いらしい。
手袋を直ぐに着けて、フィット感を確かめた。中々良い。
銀貨5枚取られた。まあいいか。