記憶の覚醒
次の日、エリックは、町に来ていた。
が、町の様子は、この前来た時と、大違いであった。
住人が居ないのだ。
図書館に向かってみる。
受付に行くと、ようやく住人、この場合受付嬢だが、見つける事ができた。
「何かあったのかね?住人が居ないんだけど?」
エリックが聞くと、
「魔王様より、シャラザード領に居る者は、討伐対象とするとの命令がでまして、住人は、別の町に避難しました。この町には、私しかおりません。私は、ここから動けない存在ですので。」
「なるほど、災難だな。俺のブックを頼む。」
エリックは、特に驚く事も無く言った。
あの魔王が、セコイ手を使うのは予想できていた。
「こちらになります」
受付嬢がブックを渡す。
新たに追加されていた文は、
破滅の王
記憶の覚醒
この二行。
そう、エリックは、記憶が戻っていた。
だからこそ、絶対零度などの魔法を、普通に使ったのだ。
「クソ女神、ちょっと出てこい!」
エリックが呟く。
「あ〜、なぜ居るのが分かったの?」
女神が目の前に現れた。
「なぜも何も、ずっと俺の上空から、見てただろ?最初は気が付かなかったが、記憶が戻った時に、気配も、感じるようになった。」
「どこまで記憶戻った?」
「全てだ!人間だった頃の前の記憶もな。お前、俺に何をさせるつもりだ?」
そう、エリックは記憶が全て戻ったのだ、この世界に移転させられたのでは無く、この世界に戻ってきたのだと。
封印された状態で、実は死亡していたのだ。そして、地球に人間として、生まれ変わり、そして死亡。
で、クソ女神によって、元の世界に有った、自分の死体に魂を戻されたのだ。
「ああ、全部思い出したのね、私との約束、覚えてる?この世界で死ぬ前にした約束。」
エリックは、少し考えて、
「あれ、本気だったのか?」
「当たり前でしょ!」
頬を膨らませて、少し不満気な女神
「分かったよ、約束したからな〜仕方ない、行動するよ」
エリックが言った。
「やった!じゃあ頑張ってね!」
そう言って女神は消えた。




