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近未来競馬―人と馬と血の物語―  作者: 奇跡の相馬眼
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天才騎手の2世

 202×年3月1日――


 JR小倉駅より北九州モノレール(競馬場前駅下車)で約10分

 所在地 福岡県北九州市小倉南区北方4-5-1

 小倉競馬場

  

 このたび3年間の競馬学校の訓練をへて本日デビューを迎える騎手がそこにいた

 名は「 長嶋 修也 」(ながしましゅうや)

 天才と称される偉大な父をもつ将来を期待された若者である

 

 低身長の多い騎手界において170CMを超える身長とさわやかな高校球児を思わせる顔立ち

 競馬界を長きに渡って牽引してきた偉大な父「 長嶋 洋一 」の2世にマスコミは早くから騒ぎだした

 競馬学校入学から3年、幾度とない取材を余儀なくされデビューの日を待ちわびさせた

 何社かのスポーツ新聞などはデビュー当日の1面に大々的に載せたほどだ


 しかし大物騎手のデビューと話題にはなっていてもここ小倉は3場開催の日曜競馬で他の2場

 中山と阪神ではともにメインレースで重賞が組まれているのと違い1600万下のレース関門橋Sが

 メインレースである

 そのため多くの一流騎手や最近では全く珍しくなくなった外国人騎手も他の2つの競馬場で騎乗している

 

 「デビュー当日は中山や阪神に負けないように小倉で乗る予定の新人騎手の僕たちで盛り上げたいと思います。」

 デビュー直前の公開インタビューで大見得きって修也が言った一言である

 さすがに言い過ぎたと普通は後悔する所だが自信過剰を地で生き挫折を知らない超エリートの葉山には一切の後悔がない

 事実、修也は11Rまですべての馬に騎乗し勝てないまでも2着に5度も入選するなど新人として十分すぎる結果を残している

  

 しかし本日の主役は修也ではなかった――

 

 修也と同期で本日デビューの騎手の一人が大きく上回る成績をあげていた

 モデルのようにスラッとした長身の修也とは違い騎手学校時代は全く話題にならなかった男だ


 11R関門橋Sを勝ち8鞍騎乗しなんとここまで8連勝

 10回騎乗し1回勝てれば一流といわれる世界で本日デビューの新人がなんと1日の勝ち鞍の記録に並んでしまったのである

 低人気の馬を神がかりの騎乗で次々に勝たせていく姿に注目はすっかりこの男に移っていた

 

 

 

 


 


 

 

 

 

 


 


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