第1話 戦いの日々よさらば
駄文ですがよろしくお願いします。
最初の5行は0話として独立させるつもりだったんですけど、200字以下は投稿できないというルールに阻まれました。
魔法少女を始めて見たのは小学六年生の卒業式の後だった。3月も終わりだというのに雪が降るほど寒い、ふざけた天気の日だった。
彼女は降り積もる雪にも負けないような純白の衣装をまとい、地面から50センチほど浮いて言った。
「・・・きっとこれが一番だと思うから、だから・・・」
彼女が飛び去った後、俺の手には銀色の箱が残された。
敵が迫ってくる。真っ直ぐに、真っ直ぐに。どんどんと近づいてくる。直線スピードでは勝てない。だから、白い衣装を翻しビルとビルの合間を抜けて距離を保つ。白い雪が顔に当たり冷たい。
本当に嫌な気分だ。戦いに負けて敗走だなんて。それでも、これはこの怪物を人気の無い場所へと誘導しているのだ、と自分に言い訳をしてなんとかモチベーションを保つ。
ビルの隙間をひとつ、ふたつと抜け、やがて街の端の暗い廃病院に辿り着く。
「さて、ここから仕切り直しかな。」
言葉に出して気合を入れる。そして、怪物が追いつき、言葉を発する。
「終わりにしよう、魔法少女よ。数百年の我等の戦いを。もはや、魔族も我一人。そして、魔王たる我にも力は残されていない。勝つにせよ、負けるにせよ、この戦いで我は終わる。だから、終わりにしよう魔法少女よ。」
「勝手ね。自分達から仕掛けてきて、自分達の都合で終わらせるなんて。それに、悪いけれど私は1年ぐらいしか魔法少女をやってないの。だから、数百年と言われてもピンとこないわ。」
「それでも構わない。終わりにしよう、魔法少女よ。」
その言葉を言い終えて、もはや語ることはないとばかりに怪物は攻撃を仕掛けてくる。
大量の闇弾、横向きの雷、追尾する触手、隆起する地面、増す重力。その全てを防ぎ、かわし、いなして、魔法少女は魔王に近づき、攻撃を叩き込む。魔法少女の攻撃は光だった。光弾、光の剣、レーザービーム。しかし、魔王はその攻撃に耐え続ける。魔族に対して絶大な力を誇る魔法少女の光撃を。衰えようと、やはり魔王。魔族の最強は伊達ではない。
戦いが始まり30秒、長期戦は不利と思ったのか、魔王は戦いを終わらせにかかる。自身の最強の一撃を、全てを飲み込む闇の一撃を。魔法少女は思い出す。さっきはこれを防ごうとして失敗し、敗走するはめになったのだ、と。だから、魔法少女は防がない、自身の最高速度を持って魔王に近づき光の剣で魔王の顔を薙ぐ。魔王の一撃が速いか、魔法少女の光剣が速いか。軍配は魔法少女に上がった。魔王の一撃よりも速く、魔法少女は魔王の顔を消滅させた。魔王は断末魔もなく崩れていく。
「終わったの?」
1年間、この怪物の率いる軍勢に苦しめられた。それがやっと終わったのだ、と戦いが終わり、10秒もした後、声に出して初めて実感が湧いた。
「やっと、やっと終わった。」
もう疑問系でなく断定できる。確かに終わったのだと。
しかし、その瞬間魔法少女の目は魔王の亡骸から闇が漏れているのを捕らえた。
「まだ生きてる!?」
その予想は外れていた。魔王が生きていたのではなく、魔王が最後の一撃のために溜め込んだ力が制御を失い暴発しようとしているのだ。魔法少女はそのことに気づき、ならば防ぐことは不可能と判断し、その場からできるだけ離れようとする。様子を見る限り爆発まで10秒あるかないかぐらい。幸い、人気もなく開けた場所だ、遠距離から爆発を光で弱めてやれば大した被害もなく処理できるだろう。8秒もあれば出来るはずだ。
だが、魔法少女は見てしまう。廃病院の傍を歩くジャージ姿の男を。あの位置では確実に爆発に巻き込まれて死んでしまうだろう。だから、魔法少女はジャージ男を救うために飛んでいく。ジャージ男を掴んで、そのまま当初の計画を実行すればいい、と。時間的にはギリギリだがきっと間に合う。
そして、ジャージ男の場所に辿り着くのに1秒をかけて、なんとか間に合う、と魔法少女は喜んだ。だが、
「やっと、見つけたぞ魔法少女!!てめぇ、この野郎、25年前のアレは何なんだ、この野郎!」
男が何か言葉を発して、それに驚き行動を止めてしまった。そして、魔法少女は愚かにもその言葉へ返答しようとしてしまった。
「え?25年前って何?私生まれてもいな・・・」
結果、魔法少女の言葉の途中で魔王の亡骸は臨界を迎えた。
こんな駄文を読んでくださって本当にありがとうございます。
こんな読みにくい文章で後書きまで辿り着いてくださる方は果たしているのだろうか。というか、そもそも目を通してくださる方はいるのだろうか。
一話と書きましたし、これからも書いていければと思いますが、途中で心が折れて書けなくなるかもしれません。
最初の5行は0話として独立させるつもりだったんですけど、200字以下は投稿できないというルールに阻まれました。