表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
~手のなるほうへ~  作者: コンブ
第1章
19/112

19

空が黒から淡い紺に変わる。


時計がないから時間がわかんないけど、朝の4時くらい?



森の出口が見えてくる。


ようやく気味悪いとこ脱出できるー。


森を抜けると、少し先に町のような建物の集まりが見えた。


もし、あそこにいる鬼の肌が白ければ、ここはもう東の国ってことになる。


褐色の肌の鬼だったら、まだここは西の国ってことだね。


どうか、白鬼さんでありますように⋯⋯。


恐る恐るあたしはその小さな町に入る。





何軒かある店は閉まっている。


こんな時間だし、人の気配はない。


あたしは建物の影に隠れて様子を伺うことにした。



ツノのないあたしがこんなとこにいたら、例え東の鬼でも見つかるとマズイと思うの。


みんなが右京みたいないい人ならいいのに⋯⋯。


東の兵士に見つかって、東の王の前に投げ出されたくはないわ。


杏里か右京の名前とか出せばどうにかなるかしら。






しばらくそこで身を潜めていると、ついに向こうから人影が現れた。


細心の注意を払い、その人影を待つ。


隠れているあたしの前を通り過ぎ、気配を感じなくなるまで息を殺す。



見えた。



その鬼の肌の色は⋯⋯あたしと同じ色だった。


よかった!!


もう東の国に入ったんだ。


ほっと胸を撫で下ろす。


これでとりあえず西に連れ戻されることはないね。


連れて行かれても、東の国だ。



すると、また新たな人影が見えた。


あたしはまた様子を伺うが、その姿を見て愕然とした。




「え⋯⋯⋯?!」


その鬼は⋯⋯褐色の肌をしていた。


な、なんで?


さっき白い肌の鬼がいたのに、どうして???


ここは東の国じゃないの??




「ここは中立の町だからな」



突然頭の上から降ってきたその声に、飛び上がるほど驚く。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ