「お帰りなさい」と「ただいま」
22時03分、今日もそろそろ寝る時間です。
私はキッチンで一人ホットミルクを飲む、体が少しだけぽかぽかして眠くなります。
今日もまだあの人は帰ってこないもう少し起きていよう、今日こそ私はあの人に「お帰りなさい」と言って。
そしてあの人に「ただいま」と言ってもらうのです。
むう、抗いがたい睡魔に襲われる、少しだけ少しだけテーブルに顔をつける。
テーブルはひんやりとしていてほてった肌にちょうどいいです、まぶたが落ちてくる。
あう、ミルクが冷めちゃ……う。
「う、ん」目が覚める、少し肌寒い私はテーブルからのろのろと頭を上げて時計を見る。
22時16分、まだあの人は帰ってきていない。
ホットミルクは冷めていた、眠たい。
でも、がんばって起きておきます。
辺りを見渡す、トランプとサイコロがある。
そういえばこの前のあの人が休みのときに一緒に遊んだのだった。
あの人はポーカーフェイスで意地悪だだからトランプで私が勝ったことはほとんどない。
でも、すごろくなら私の方が強い私は昔から運がいいのです。
なんと無しにサイコロを振るでた目は5、確か市販のサイコロでは最も上になりやすい目らしい。
ということは最も下になりやすい目は2ということになるのかな?
それじゃあ、2がでたらあの人は22時30分までに帰ってくるから起きておく、でなかったら寝よう。
私はサイコロを振る、でた目は……2、もう少しがんばって起きていよう。
時間は22時38分、もう限界だそろそろ寝よう。
私は寝室へ向かう、その途中玄関からガチャっという音が聞こえてきた。
私は寝室へではなく玄関へ向かう。
私は「お帰りなさい!」と言って抱きつく。
あの人が「ん? ああ、ただいま」と言う、私はただいまと言ってもらってすごく嬉しくなってそれから安心して、眠くなって、そのまま寝てしまった。