表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Scool!!  作者: 白金千乃
番外編
22/25

白線とグラウンド

登場人物 高良和氏 厳木風子






   グラウンドに惹かれた真っ白な線を見つめた。


   「完璧ね……さすが私」

   「やったのは俺だけどな!!」


   腰に手を当てて言い切った風子に、息を切らせながら和氏は怒鳴った。


   まだ朝早く、人気の少ない学園の敷地内。

   昨日の雨で崩れたグラウンドの線を、引きなおしていたのだった。



   「あら、引く場所を指示したのは私よ?」

   「そうだけども!なら線引きも自分でやれよ!」

   「そしたら和氏の仕事がなくなるでしょ」


   そもそも何で俺が、といいかけて、和氏は口をつぐんだ。


   グラウンド整備は体育委員会の仕事である。

   和氏は体育委員ではない。

   ただ、部活の朝練でその場に居ただけである。



   厳木風子。

   天祥学園の中でも目を引く容姿の持ち主であり。

   女子にして、体育委員長を努める彼女。


   誰もが知っている。



   もちろん、本人も含めて。



   澄んだ朝の風に髪をなびかせる彼女を見る。

   まるで、雑誌の表紙を飾れるような絵になる姿。


   本人がそれを言うのもどうかと思うのだが、それも彼女ならと思えてしまうのだろう。


   線引きも、確かに彼女の指示があったから手早く綺麗にすんだ。

   これを自分でやってくれれば文句は無いのだが。


   「どうかした?」

   「……何でもないです」


   体育委員長は伊達じゃなく、頭も運動能力もキレる。

   勝てないことなどもう知っている。



   「手伝ってくれてありがとう。和氏なら上手くやってくれるって思ってた通りね」

   「……おう」



   そう、彼女には勝てない。







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ