第二話 学校生活
・松野美花…高校一年生。吹奏楽部のトランペットパート。オタバレしないように気をつけている。
・風間ヒナタ…高校一年生。アニメオタク。
・天王寺翼…美花の推し。個人勢Vtuber。
朝の教室。
その空気感は至っていつも通り………ではなく。
どこから情報が漏れたのか、コソコソと転校生の話で持ちきり。
私、実は耳がいいんだ。
些細な音が聞き取れちゃうこともあるし、ソルフェージュ(聴音)も得意なんだ。
部活の休憩中に「音当てゲーム」って感じで遊んでみたの。全部で五問。『この音なーんだ?』って具合にね。それで、全問正解したの。
すごいでしょ?
……って言っても、なんとなくの音感ってだけで曲の耳コピはできないんだけどね。
「今日、転校生来るらしいよ?」
「え?どんな子?」
「イケメンって噂」
「わぁ、仲良くならなきゃ」
んー……転校生の話で持ちきり。
あ、そういえば。今日部活休まないと。お母さんが昨日「休んで」って言ってたし。なにがあるんだろう?ま、考えてもしょうがないね。
ふわぁ…とあくびをする。眠いなぁ……。昨日、配信見るために夜更かししちゃったんだよねぇ……。昨日の翼くんもかっこよかったなぁ……新衣装、王子様だよ……
っていけない。また妄想の世界にワープするところだった。あぶないあぶない。
朝のHRの時間まで私は本を読んで時間を潰すことにした。
やっぱり本の世界と妄想はいいよね。なんて言うか……ご飯じゃ補えない栄養がある。
十数ページ読んだところで私の推しとも──風間ヒナタが登校してきた。
この子は私がオタクだって知っている唯一の友達。ヒナタのオタクの方向性は違うけどね。この子はアニメ……二次元男子が好きな子なんだ。方向性は違えど、推しを語り合うのは楽しい。
「ミカ!おはよう!ねぇ、深夜アニメリアタイしたんだけどさぁ……」
ほら、推し語りが始まった。こう言うのは一旦全部話した後に私も話すのが私たちオタ活同盟の暗黙のルールだったりする。
しばらく話を聞いて、チャイムが鳴った。




