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ちょっと頭が悪い公爵令嬢が間違えて出家する ~お寺ってなんですの~

ガバガバ公爵令嬢物です

ある晴れた日の夕方


とあるブリュレ王国の屋敷で怒号が響く


「君はあまりにバカすぎる、婚約破棄だ!!」


ブリュレ王国の王子ブリュリュは激おこだ!


絶賛パーティー中のパーティー会場のはずなのに今はクラシック音楽と王子の声だけが聞こえる異様な状況だ


「公爵令嬢であるこの私との婚約を破棄するんですか!?」


「そうだ!」


「それってどういうことですか?」


「そういうところだ!」


この白いドレスがよく似合う公爵令嬢ツュンドレ|(言いづら)は歴代公爵家の中で最も頭が悪い

かもしれない

しかしその代わりに魔法の才能があるのだが...


おっと、今の説明の間にあちらの説明も終わっていたようだ

「ということだ」


「ええ、わかりましたどうやら痛い目に合わないとわからないようですわね」


「ええ...」


「【アイスクラッシャー】」


ツュンドレはアイスの弾丸を打ち出し王子に当たるすれすれをかすめt...ちょっと当たった


ほっぺたから血がだらだらと流れている


王子はぶるぶる震え自らの汚い体液でズボンとカーペットを汚している


そして王子は半泣きになりながらこう言った


「反逆者だ...!捕らえよ...!」


ツュンドレはブリュリュの護衛の騎士に囲まれた、その間に周りにいた人たちは避難した


「いい度胸ですわね、かかってきなさい」


兵士の一人が反逆者(ツュンドレ)に斬りかかりそれに続いて他の兵士も斬りかかる


白いドレスはどんどん赤く染まっていく

しかしツュンドレは頭が悪いのであまり痛みを感じない


「この程度ですか」


そのときハンマーを持った小柄な男がやってきた

彼はツュンドレのお目付け役のモンクだ


「ぎゃーーー!!ハ”ン”マ”ーーー!!」


ツュンドレはハンマーにトラウマを持っている

なのでいつも屋敷から抜け出すときのように


「【ハイジャンプ】からの【グライド】ですわ」

ツュンドレは逃げ出した






「いつもより高く飛びすぎてしまいましたわー」


勢いをつけすぎて高く飛びすぎてしまったがグライドがあるので着地はできる


「あ!!赤い、ドレスが赤いですわ、私こんな奇抜な格好をしていたのですか!?」


そしてよそ見をしていたツュンドレに不幸が襲いかかる


「トリさーーーん!!ぶつかるーーー!!」


なんと大きな赤い鳥が目の前に...


「ドン、チュドン!!」


元公爵令嬢ツュンドレはバードストライクによって亡くなった






「おはようございまする姫君」


侍女の武蔵だ、彼女はツュンドレの世話係の侍だ

侍女なので侍だ、なにもおかしくない


「あら?トリさんは?」


「夢じゃないでござるか?」


「そうですわね...」


夢にしては現実味がありすぎた、でもそんなときもあるか


「姫君、本日の予定は許嫁の方とのお見合いになります」


「いいなづけ?とはなんでしょう?お漬け物ですか?」


「うーん、説明が難しいでござるな、とりあえず姫君と結婚される方とのお見合いということでござるな」


「結婚?早くないですか?」


昨日婚約破棄されたのにもう結婚!?


「決してはやくないでござる、むしろ遅いでござる」


「遅い!?」


昨日今日で遅い!?


「姫君はもう十八歳でござるからね、世間では遅くとも十八までと言われてるでござるよ」


「ほほほ、そうですわね」


ツュンドレはちょっとホッとしたのであった


「って十八!?」


「どうしたでござるか?やっと生き遅れだということに気づいたでござるか?」


「私十九だとばっかり...」


「それはただのうっかりでござるよ、姫君ならよくあることでござるな」


でも十九の誕生日にろうそく十九本食べておこられた思い出が...十八だったのかしら?


「それはそうと生き遅れで頭が悪い姫君にはもったいない、いいお相手でござるよ、なんとブリュレ王国の王子様でござるよ」


「?」


ブリュレ王国にあの糞尿王子ブリュリュの他に王子様がおられたかしら?


「その方のお名前は?」


「なんとあの超絶イケメンのブリュリュ様でござる」


「え!?」


さすがに頭の悪いツュンドレでも気がついたようだ


「私を見直してくださったのですね」


違う、そうじゃ...ない!!






「昨日ぶりですね糞尿王子(ブリュリュ)様」


そこにいた皆がは?と思っている

王子ブリュリュは


「すみません、昨日のことはよくわかりませんがよろしくお願いいたします」


実はブリュリュは普通にいい人だ


ツュンドレがあまりにひどかったのでああなっただけなのだ、彼はツュンドレの被害者なのだ


あっちの世界ではの話だが


「うちの娘が失礼しました、時々お茶目なときがありまして」


「いえいえ」


時々ではないしお茶目でもない、公爵は嘘をついた

それからはしょうもない話が続き

やがてツュンドレとブリュリュは二人きりになった


「どうして私と再び結婚を?」


「再び!?」


二人は話が全く噛み合わない


ブリュリュが一人で焦っている


あっちの世界ではツュンドレがここで魔法を使いブリュリュを惚れさせ正式にお付き合いしたのだが...


「すまない、君とは婚約できない」


あっさり破談した






「生き遅れで頭が悪い姫君とは釣り合わなかったんでござるな」


「婚約破棄される運命でしたのね」


「破棄じゃなくて破談でござるよ、それより婚約破棄なんてよく知ってたでござるな」


「昨日されたからですよ、あなたにはまだ伝わってなかったみたいだけど」


「え...?」


ツュンドレは昨日今日のことを話した


「姫君、それは凄いことでござる!!赤い大きなトリと言えばあの伝説の鳳凰しかいないでござる、ということは姫君は過去に巻き戻ったのでござるよ!!」


この地域には鳳凰伝説というものがある

内容はこうだ


ある婚約破棄された令嬢がいらついて空に石を投げると赤いトリ鳳凰に当たり落ちてきた、令嬢が鳳凰に触れるとなぜか過去に戻っていたので婚約破棄してきた相手をこらしめたという話だ


「そうかもしれないわ、では糞尿王子(ブリュリュ)をこらしめないといけないですわ」


「姫君、待つでござる、この伝説には続きがあるでござる」


この伝説には続きがある、婚約破棄してきた相手をこらしめたあと令嬢は最後はその相手に殺されたそう


「あと姫君の場合は姫君が全面的に悪いでござるから、駄目でござるよ」


「そうでしょうか?」


「はい、あと拙者、鳳凰を探す旅に出るでござる、では準備を」


「待ってください、急にどうして!?」


「それは姫君に会わない過去に行くためでござる、では」


「...」


ツュンドレは何も言えなかった、武蔵を苦しめていたのは間違いないから






そして後日武蔵に代わる侍女がやってきた


「おらおら!!舞え!!舞え!!もっと優雅に!!」


「ぜえぜえ、どうして私がこんなことを」


この侍女は武蔵の妹、名前は大和、もちろん侍だ

大和は熱血タイプだ、ツュンドレは唯一の友人?の武蔵に早く帰ってきてほしいとずっと思っている


「この生き遅れが文句言うな!!」


「はい、大和様、いかがしましたか?」


「モンクは呼んでない!!」


「は、はい、失礼しました」


モンクはあまりに熱血な大和に苦労している


ツュンドレはハンマーを持ってないモンクは怖くない、というかむしろ好いている、だが持っているときは魔法が全て打ち返されてしまうのでとても怖いそうだ


「それじゃあ五分休憩!!」


「はあはあ...」


「お嬢...おしぼりを」


「モンクありがとう」


「でもこのままだと心が持たないわ、そうだモンク一緒に出家しましょう」|(家出のこと)


「出家ですか、それもいいですね、ですが公爵様に相談しないとですね」


モンクも実はあまり頭がよくない、なのでピンチになるとハンマーを振り回す癖があるのは置いといて


「相談?」


なぜ相談するのかわからないツュンドレであった


「お嬢、許可が取れました、ただし二度と帰ってくるなだそうです」


「そう、では出家しましょう、モンクがいるなら心強いわ」


ツュンドレは二度と帰ってくるなというのは冗談だと思っているが...実際に本当に二度と帰ってくるなという意味なのだ、だって出家だから






出立当日


お屋敷のみんなが見送りにきた

もちろん武蔵の姿はない

これはただの出家なのに...|(注、家出のこと)


もちろん大和が反省したら戻ってくるつもりだ

(それは無理です)


涙を流している人もいる...大和...


「姫さん...頑張れよ」


この様子ならすぐ反省してくれるだろう、それまでモンクと旅行を楽しもう


二人は馬車に乗り込んだ


ツュンドレの両親は遠くから手をふっているがそれはモンクに対するものだ、モンクを失うのは痛いがツュンドレというゴミを処分してくれるという話だったので特別に許可したそうだ


ブリュリュとの婚約が破談してから親子の仲がとても悪くなっていた


「では皆さんごきげんよう」






そして旅が始まり数日が経った


途中で魔物が現れたときお嬢が魔法をうちまくり山が三つ森が二つ消滅した、このときはさすがに引いた


「モンク、山と森しか見ていないわよね、海はないのかしら」


お嬢が変なことを言っている、遊びにきたんじゃないのに


「お嬢、もうすぐ目的地ですから」


「そう、海はすぐそこなのね」


ひょっとして海にお寺があると思っているのか

まあ頭悪いしそう思っていても仕方がないか






そして


「到着しました」


「ここはなんなの?」


「なんなの?ってお寺じゃないですか」


「そのお寺ではどんなことをやっているの?」


「そんなに楽しみですか?」


「ええもちろん」


やっぱりお嬢は変だ






「では準備してきますのでしばらくお待ちください」

と言ってから数分


「ツルツルだわ」


さわり心地は微妙ですわね


「お嬢、あんまり触らないでください」


モンクがハゲてしまった、わけではなく剃ったらしい


ここにはそんなルールがあるそう


「お嬢はこれを頭につけてください」


「これはなんなの?包帯かしら?」


「ターバンと言うそうです」


ツュンドレはターバンを頭に巻いた


「重いですわね、でもこんなの楽勝ですわ」




中から坊主が現れた


「またツルツルですわ」


「よく言われます、ではこちらへ」


お堂の中に案内された、この人スルー能力高いな


「歯田楽残魔痔無理本間似無理大─」


「私我目利遺産今穴田脳城似入類残─」


「雲狐雲狐雲狐雲狐雲狐雲狐雲狐雲狐─」


たくさんの坊主がお経を唱えている


「みんなツルツルですわ」


ツュンドレは坊主の頭を撫でていく、やめてね

面白いから


「では次に行きましょう」


この坊主強い、一切笑いそうにない




ここでは写経をしているようだ


「できましたわ」


「お嬢速い...」


「これは...」


坊主さんどうしましたか?ちょっと覗く


かかれていたのは魔方陣、しかもこれ魔力通したら使えるやつだ、さすが魔法の才能だけはある


「次に行きましょうね」


食事が出された、肉や魚は入っていないし、あまりおいしろうではない、修行食というやつか


「へぇ、音を出してはいけないのですね」


まあお嬢はあれやるだろなー


「【サイレンス】」


ほらズルした


「        」


うん、何言ってるか聞こえない、サイレンス解除してね


「次に行きましょう」


そしてこっそり次が最後だと伝えてくれた




ざざー水の音がする、あれだな


「遺体痛遺体遺体痛遺体遺体遺体」


「爪退爪体爪台詰目田胃積目食嫌」


「擬歩擬擬歩擬擬擬歩擬歩擬擬歩痛」


お経?を唱えながら滝を浴びている

滝行ってやつだ

坊主だからさらに痛そう


「気持ち良さそうですわね」


なわけないだろ、時々痛いって聞こえてくるし


「やってみますか?」






なぜ僕が...

「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い」


でもさっきの坊主に言われたんだ

これならお嬢にバレず簡単にこっそり抜け出せると

これから僕はお嬢を置いて馬車に乗って帰るぞ






モンクが戻ってこない


「坊主さん、モンクはなにをしているのかしら?」


「モンクさんは文句を言いながら帰っていきました」


「え?」


もしかしてモンクに置いていかれたの?と思ったがそんなことはないでしょう、あのモンクだから


「どうしてモンクは帰ったのかしら?」


「彼に公爵様への伝言を頼みまして」


「そういうことなら納得だわ」


頭が悪いので簡単に納得してしまった


「では次に行きましょう」


「ええ」






たくさんの坊主が瞑想している


「わかりましたわ、妄想しているのですわね」


「いえ、瞑想ですよ」


「あら、そうなの?では私も」


もちろん瞑想なんてできるわけもなく


「できましたわ」


魔法を作ってしまった


「【ビッグバン】」


「ドカーーーーーーーーーン!!」


頭が悪い公爵令嬢が出家したらお寺が爆発したw|(完)

まさか...爆発オチなんて

でもみんな生きてます

この後坊主たちとツュンドレが一緒に旅をしますがそこは【封印】

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