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星今宵のクリスタルブルーと、七夕にかかる橋

作者: 逢乃 雫

さらら さらら


風に流れる笹の葉に



色とりどりの


願いの糸が紡ぎゆく



いくつもの


短冊は虹色の手紙のように



見上げる


七夜の空へ羽ばたいて




夏木立から


そそぐ光のミストを



浴びながら


見つめる七夕月の丘で



波打つ夏草を


駆け抜ける風を



追いかけて


たどり着いた七夜の夕べ



七つの月と


七つの太陽を


時が駆け抜けるとき



羽衣草の淡い


葉の衣は金糸雀(かなりあ)色に染まり



アストランティアの


花びらは


地上に咲く星のように




星今宵の空に


ベガは星の羽衣とともに



七夕の夜空に


舞い降りるように



織姫星の光と


星を伝いゆく琴の音色



流れゆく時と


流れゆく銀河



わたりゆく願いが


星今宵の(そら)に響きながら




星今宵の宙を


アルタイルが駆けるように



七夜の星空へ


羽ばたいていくように



彦星の光は


思い羽をはためかせて



移りゆく季節と


映りゆく星景色



二つの光がいま


遥かな星の河を越えて



地図のない星空を


渡る橋を描きゆくように




短冊に結んだ


言の葉は願いをこめた


想い葉の一つひとつ



宙を駆けゆく


思い羽のように



星から星へ


光をつないで



星座や物語を


編んだ古人(いにしえびと)に想いを馳せて



心から心へ


まごころの光をつないで



その架け橋となり


未来をつくる言の葉が


きっと、


あると信じて




さらら さらら


笹の葉に


ゆれる色とりどりの



短冊と願いは


クリスタルブルーの夜空を


流れる銀河を越えて



星今宵の


宙をわたりゆく


橋をこころに、描きゆくように




















こと座のベガとわし座のアルタイルは、はくちょう座のデネブとともに「夏の大三角」を描き、諸説ありますが、ベガは「舞い降りる鷲」、アルタイルは「飛び立つ鷲」を表すアラビア語が由来とされます。


星今宵ほしこよい」は、織姫星(織女星、ベガ)と彦星(牽牛星、アルタイル)が逢うとされる七夕のことで、「七夜」も同じです。羽衣草はごろもそうは羽衣に似た葉で、「真心をもって」の花言葉があります。


アストランティア(ギリシャ語で「星」)は、夏に星のようなたくさんの花が咲き、花言葉は「星に願いを」です。「思い」は、鳥の尾にある銀杏形の羽です。


季節の星や花をモチーフに詩を描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
こんばんは。 七夕の詩がとても素敵ですね☆彡 「さらら」の言葉に、星々、天の川や織姫と彦星の情景が浮かぶようです。 拝読させて頂きありがとうございました!
七夕の夜、織姫と彦星の願いと一緒に、私たちの願いも澄み渡った空に溶け込んで叶いそうな気持ちになりました。 心が洗われるような素敵な詩を読ませていただきました、ありがとうございます!
星から星へ光をつないで編んだ星座や物語と、心から心へまごころの光をつなぐ言の葉の対比の部分が印象的でした。まごころの光が地上の星であるならば、その輝きは羽衣草の金糸雀色であり、アストランティアの花は、…
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