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明日死んでしまうあなたへ  作者: 小畠愛子
第一章 旦那様は明日死ぬ⁉
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1日目⑦

「ちょっとこちらへ」


 大号泣する勇気様から、使用人に引き離されて、わたしは当然のお叱りを受けた。


「なんということを言うのですか! 勇気様は明日死ぬというのに、どうしてそれを口にしたのです⁉」

「ご、ごめんなさい、その、うっかり…」

「うっかりでも許されないことはありますよ。…もう、今日はどうにもならないでしょう。明日まで一人にしてあげておいてください」

「そんな!」


 こんな状態の夫を放っておける妻などいまい。…いや、それをいうなら、妻だったらあんな失言は絶対に許されないのだろうが、ともかくわたしは放っておくなどできなかった。


「ちょっとご厨房をお借りします」

「あ、お待ちください。まさか、手料理などふるまおうと思われていませんよね」

「そうですよ。よく考えたら、わたしたちもまだ朝は食べていませんし、ちょうどいいじゃないですか。料理人に頼めば、作らせていただけるでしょう?」

「いえ、料理人はいないのですが、ですが…」


 煮え切らない使用人に、わたしはビシッと言ってやった。


「自分の失敗は自分で取り戻します。大丈夫、わたしこれでも、家事は得意なんです」


 飛鳥家で、それこそ使用人のように扱われていたことが、こんなところで役に立つことがあるとは、人間何が幸いするかわからないものだ。


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